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多分いい肉

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 露店を見ながらブラブラして、再びギルドにやって来た。

「良い物件は見つかりましたか?」

「無かった」

「そうですか…」

「折り入ってギルドマスター殿に聞きたい事があるんだが…」

「確認を取って来ますので暫くお待ち下さい」

階段を登って行ったので隅の方で待つ。退屈凌ぎにイゼッタを抱っこしているとギルマス自ら降りて来た。

「なんだカケル?やんのか?」

「何を?」

素で聞いてしまった。

「俺の強さの秘密でも聞きに来たと思って居たわ」

ガハガハ笑ってるが周りは引いてるぞ。

「聞きたい事があったのだが呼び立ててしまって済まない」

「おう、じゃあこっち来い」

俺達は個室に連れてかれた。お茶美味しいです。
ギルド職員の煎れたお茶を飲み飲み話をする。

「無人島!?ありゃ国の物だ、買えんぞ」

「住む事は出来るのか?」

「ああ、住んで管理して悪さして無けりゃ排除される事は無いだろう」

「国が領有して無い島はどうなるんだ?」

「確かにそう言う島もある。見つけたら自分の国にすりゃあ良い」

「マスター、ダメですよ嘘を言っては。国に報告して管理権を得るのが一番お得です」

あながち嘘でも無さそうだな。国を興して戦争して勝てば良いのだから。無人島に国盗りに絡む程の価値があれば、だが。

「で、島はもう見繕ってあるのか?」

こんな質問してるのだ、島がある体なのはお見通しか。

「俺達は外から来たからな。島は沢山見たよ」

「俺も一つ欲しいな」

「マスター…」

ジト目で見られて小さくなるおっさん。

「ま、まあ住むのは勝手だ!そろそろ仕事に戻るぞ」

逃げたな。俺達も出よう。
その後、武器屋で片手斧八千ヤンと、防具屋では布の帯(カバンの材料)十ハーンメートルを二本買った。二千ヤン。魔道具屋にも寄って風呂を沸かす為の属性魔石を買った。これは高くて五万ヤンもした。

「後は食材を買えば行けるぞ」

「夜になるけど平気?」

「夜ならすぐ飛べるしな」

「お肉買ってこ!」

謎肉一ナリ二千ヤン、葉っぱに包んでくれた。多分いい肉だ。塩と香辛料もついでに買った。肉に塗して焼けば良いらしい。三千ヤン。

「準備は良いか?」

「ご飯食べる!」

後でお肉焼くでしょ。良い匂いに釣られてしまったか。自分の金で串焼き買ってらっしゃい。
イゼッタがモグモグしてるうちに、井戸端で肉に塩と香辛料を揉み込んで葉っぱで包む。
手はもちろん洗いましたよ。


 夜になり、俺達は街の外に居る。遠征等の目的で閉門間際に出る者は意外と多いのだ。
街道を真っ直ぐ道なりに進む。森に入らないのは肉を持ってるからだ。
畑ゾーンの入り口で背負いカバンを降ろす。ちょっと重いがイゼッタ大丈夫かな?

「担げるか?」

「んっ、しょ。大丈夫」

布帯で二人を縛り、カバンを背負わせ腕を通す。

「食い込んだりしてないか?」

「ん」

「なら行くぞ」

上昇に耐えようと目をギュッと閉じるイゼッタに軽くキスして飛び上がる。暫くフードから顔を出してくれなかった。


 前回行った島は遠いので、新しい島に行く事にした。

凶暴なモンスターや野獣が居ない。
生食出来る木の実がある。
飲用に適した水場がある。
建築に適した木材と石材がある。
無人島である。

この五つの指示をして今飛んでいる訳だが、何故か内陸を飛んでいる。まさか対岸まで行くのかと思っていたが、答えは湖に浮かぶ島だった。国の管理外である事も条件に加えれば良かったかな?

島の頂上から、降りやすい場所を探すが水際しか無かったので流木が倒れてる辺りに降りた。
もう夜なので素早く作業しなければ!

 イゼッタは長めの細い木を切ってもらう。俺は蔓を探す。テントを作る場所の下草を風魔法で刈り散らし、二人寝られるだけの輪を描く。木を三本縛って広げ、描いた輪の三箇所に置いたらどんどん木を重ねていく。入り口は広めの隙間を開けておく。中に入って飛び出た枝葉を摘み取ってひとまずの完成。雨が降らなきゃ何とかなる。

 次は肉を焼くぞ!
細い木の余りを串に加工するのだが、これもイゼッタの仕事。エアロを停滞させ切断砥石みたいに使ってる。
俺はと言うと薪集め。枯れた流木沢山持って来た。次は石を肩掛けカバンに詰めて来る。帰って来たら流木切り刻まれてた。斧ェ…。
テントの真ん中に石をぐるっと輪に並べ、次は砂。砂は湿っているのでカバンがビタビタになった。後で干す。肉が切り刻まれてた。ナイフェ…。

砂を石のサークルに敷いて薪組みだ。枯葉を敷けば濡れた砂の上でも問題ない。その上に薪組みしていく。火口箱と火打石セットを取り出し、流木を切ったおが屑と火口にカチカチ。カチカチ…カチカチ!
奪われた。カチンッ!火口に直撃…だと!?

「思い切りが大事」

ドヤ顔された。
お肉焼こう…。
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