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おっぱいの味

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 無人島?はポツポツあり、運転手イゼッタのチョイスで今夜の宿を決めた。深い森とカルデラ湖。岸壁は断崖絶壁で人の侵入を阻んでいる。上から見ないと判らない所に入江があるのでそこに着陸する。柔らかい温もりが名残惜しい。

「ここが私達の屋敷ね」

「まだ屋敷建ててないけどな」

自給自足出来るならここで暮らしても良いなー…って調味料も料理道具も無いんだってば。

「食料を探してみる」

「……」

泣きそうな顔すんなよ…。
背負いカバンから肩掛けカバンと武器を取り出し装備。背負いカバンは木の陰に置いていく。
カバン二つをイゼッタに持たせ、それを俺の背中にくっつける。

「カケル、おっぱい好きでしょ?」

「愚問だな。行くぞ」

(クリープして生食できる木の実の前まで逃げる)

じわりと動いたのを確認し加速して採取に向かう。今度は何が獲れるのやら。

 やはり草の実か。
バナナみたいな草の上にヤシの実みたいなのが五~六個成っている。触ってみるとかなり硬い。割って中を食すと見た。重いので二つだけカバンに収める。
他の味を求めて更に飛ぶと、木の幹に直接実を付けた木があった。パパイヤみたいな付き方をしているが実の形はキュウリで色は緑と黄色。多分黄色が熟してるのかな?黄色と緑を二本ずつナイフで切り取り入江に持ち帰った。


 入江の近くの森の中。木が少ない所を見繕って落ち葉を蹴散らす。が、面倒なのでイゼッタの風魔法で吹き散らしてもらい、その合間に薪集め。その後は掃除が終わったイゼッタと合流して木材集め。俺は蔓がいっぱい取れた。イゼッタは細い木をエアロで切って俺に持たせた。実の付いてないバナナもどきを元から切って二人で担いで戻る。

 細い木と木の間に蔦を張り、細い木を立て掛けバナナもどきの茎の繊維で結い付ける。縦の後は横も同様に結び、バナナもどきの葉を下から重ね、最後は床に残ったバナナもどきの茎を裂いた物と葉を乗せれば寝床の完成だ。二人並んで寝るにはギリギリ。だがそれが良い。

「寝る?」

「飯!」

薪と火口と打ち金で焚き火を起こし雰囲気作り。火を見て癒され食事の時間だ。
バナナもどきの実はナイフを押し付けて石で叩くとガパッと良い音と共に御開帳。プルンプルンの牛乳プリンみたいなのがポロッと取れる。
割れた殻ごとイゼッタにくれてやると、中身を取り出し、

「おっぱい」

と二つ胸の前に並べてた。

「そんなに無いだろ」

「味はきっと一緒」

これは味見せねばなるまい!
おっぱいの一つにむしゃぶりつく。

見た目おっぱいの白いたわわは、柔らかく、もっちりとしていて酸味が強かった。
レモン味の外郎みたい。甘みがあるのでそれなりに美味い。

「これがイゼッタのおっぱいの味か…」

「きっとママの味」

自称ママイゼッタも口に含み、渋い顔。

「私こんなに酸っぱく無いもん」

プンスコしてるがそれはそれで味がある。
次にキュウリだが、まずは緑のを切ってみる。中身に硬い豆が入ってた。外側に齧り付く。うん、歯応えはキュウリだ。味もキュウリだ…。

「種は食わない方が良いな」

縦に割いて種を外してイゼッタへ。シャリシャリ食う姿がネズミっぽい。黄色いキュウリは若干甘かった。俺は緑の方が好みだな。
二人で酸っぱい実と緑と黄色のキュウリを一つ食べてお腹いっぱい。酸っぱい奴が腹で膨れてる。

バナナもどきの殻を食器替わりにして水を入れてもらう。酸味のある水が美味い。

「明日は大陸に向かう」

「ここじゃダメなの?」

「調味料と料理道具など買ったら戻って来ても良いけどな。俺は風呂に入りたいぞ」

「異議なし!」

明日の予定を簡単に済ませ、二人でテントで横になった。肌を出すと虫刺されなどの危険がある。マントまで完全防備して抱き合って寝た。
肌寒かったんだよ。
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