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夕飯どうするか
しおりを挟む昼飯とトイレを済ませ小休止。
穴を埋めた後に枝を挿しておくのが日本ではマナーだったが、こっちの世界では違うらしく、埋めとくだけだとかで植樹かと思われてしまった。
家を建てて住むのに良さそうな島だが食い物は魚介類の自給自足しか無さそうなのでとっとと移動すべきだろう。生食できる木の実は指示に反応しなかったので諦めたが、魚が取れれば一日くらい泊まっても良いかな?
とは言え魚釣りの道具も無し、作るとしたら網か罠だが何方も時間が掛かり過ぎる。更に言えば調理道具も無い。野営するなら街に行って道具を買い揃えないとな。
「何考えてるの?」
「魚が捕れるなら一日くらい泊まっても良いかなーってな。今は塩焼きしか出来んが」
「なるほど」
「近い街で一泊して、せめて調味料と鍋くらいは買おうかと思う。ソーサーの粉も買えれば最低限腹は膨れるし」
「大陸には渡らないの?」
「あの状態で飛ぶと俺はともかくお前がスピードに耐えられないだろ?時間が掛かっちゃうんだ」
「ごめん」
「気にすんな。一応速度を上げる方法はあるんだがな」
「詳しく」
「俺とお前をロープで縛る」
「何そのプレイ」
「したいならしても良いぞ」
「ムラムラする?」
「するだろうな」
「ならする!」
するのか。然らば準備に取り掛かろう。
二人の荷物を背負いカバンに纏め、腹に巻いてたワタウリの蔦を外す。
「おんぶと抱っこ、どっちが良い?」
「どう違うの?」
「抱っこだとキスできるかも知れん」
「したいの?キス」
「今からでも襲いたいくらいには性欲溜まってるぞ?しないけど」
「したら良いのに」
「その内な」
蔦の強度を確認した。乾いて強度が上がったみたい。ダメでもそこらに生えてるし。
二本撚りにした蔦で二人を結わえていく。まずは胴体を結び、股間の高さを合わせる。
「んっ、食い込む…」
「タオルでも巻くか?」
「是非」
一度外して股の当たる所にタオルを巻く。これなら良さそうだ。
再度胴体、股間と結び、イゼッタに背負いカバンを担がせ、更に俺も腕を通す。
「凄い密着」
「飛んでる時は前と下を確認してくれ。俺は左右とお前しか見えん」
「私だけ見てて」
「警戒してないと空飛ぶモンスターに食われちゃうぞ」
「善処する」
公務員かよ。準備を整え、女の又に力が掛かり過ぎないように飛び上がる。再び高度五百メートルへ。そこで体を仰向けにし下を確認してもらう。
「ここから街は見えるか?」
「んん~。左右とも無し」
「ならヒズラー大陸に向かって飛んで行くから夕方迄に街があったら教えてくれ。そこで一泊だ。」
「了解」
しっかり捕まらせ加速する。落ちる可能性が薄れたので速度は上げ気味。イゼッタがしがみついてるので柔らかい圧力がとても良し。お胸も結構ある様です。些かムラムラする。
「何か…当たってる」
「ムラムラしてるからな、気にすんな」
「子種、出す?」
「ズボンが汚れるから後でな」
「それまで我慢」
「街はありそうか?」
「小さい集落っぽいのはあるけど、そう言う所は宿とか無いって聞いた」
「素通りするしか無いな」
「私はここで寝れる」
「俺は夕飯どうするか悩んでるよ」
もうすぐメルタル大陸を抜ける。ここからは暫く海だ。日も傾きだして時間も無いし、無人島でもあればそこで一泊するしか無いな。
前の島に泊まっておけば良かったが後悔先に立たず。
「街に行くのは諦めた。島を見つけたら教えてくれ。そこで寝る」
「初夜ね?」
「飯が食えたら考える」
更に加速し寝床を探した。
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