上 下
9 / 1,519

ギルド

しおりを挟む


 門兵にギルドの場所を教えて貰ったが、門を潜って目の前だった。とてもわかりやすい。
三階建てで一階は石造り、その上は木造って感じの洋風建築だ。
ファンタジックなコスプレの男女が出入りしているので流れに乗ってみる。

中に入るとカウンターに美人のお姉さんが座ってる。美人の一人と目が合うとニコリとしてくれるので、この人はプロだと確信しそちらに向かう。

「こんにちは、本日はどのようなご要件でいらっしゃいましたか?」

「冒険者の登録をしに来たのだがこのカウンターで良かったかな?」

「はい、構いませんよ。ではこちらの…」

登録はすんなり終わった。
紙に名前と使用武器と公表できるスキルを書いて、板に血を垂らすだけ。その板を謎の機械に突っ込んで出て来た板を受け取った。
無くすと銀貨三枚だそうな。
他にもいろいろ説明を受けた。依頼の受け方とか回収品の買取の仕方とか。図書室の存在も有難い。

美人の前で長居すると良くない事が起こる気がしたのですぐに買取カウンターへ向かう。だがこちらも美人さんだ。

「買い取りでしたら机の上にどうぞ」

「売れるか解らないけど取り敢えず見ておくれ」

使ってないブフリムのナイフとタマゲルの核に拾った矢、金は多少あるのでウロの実とワタウリも出しておこう。

「どう?売れる?」

「ナイフは八本で三十二ヤン、矢は三本で九ヤン、タマゲルの核は十個で五十ヤンですね。ウロの実七個で三百五十ヤン、ワタウリは種の数を確認しないといけないのですが、割ってみても良いですか?」

お金の単位はヤンと言うのか。

「良いよー。それにしてもウロの実って結構高いんだな。ワタウリの種ならまだあるよ」

ワタウリの種も全部出してしまう。

「若いですが結構良い種ですね。発芽できない種だと買い取れないので、一番良いのは割れる直前の状態なのですよ。ちなみにこの種はどうしたのですか?」

「空腹に耐えかねてわたわたを食ったんだ」

「…ちなみにお味は?」

「歯ごたえシャクシャク、仄かな酸味と甘み。ウロの実より美味し」

「…仄かな…、ワタを食べる人なんて初めてですが…私も食べてみてよろしいですか?」

「売れるのは種だから構わないよ」

「では種取りして参りますのでしばらくお掛けになってお待ち下さい」

「あ、それなら図書室で本読んでても良いかな?」

「構いませんよ。作業が終わり次第お呼び致します。」


 よろしくどうぞとその場を離れ、二階の図書室に向かう。
それにしても、苦労したナイフより虐殺した核の方が高いとか…。あの不味いウロの実クコの実もどきが一粒五十ヤン?な~ぜ~?

何故か解った。本に書いてあった。ポーションの原料の一つだそうな。
ワタウリは本当に綿として使われてるんだと。そりゃあ食う人居ないわな。
で、可愛い可愛いタマゲルなのだが、畑の作物を食べちゃうので害モンスターの扱いらしい。とは言えあの性格なのでペットにしたり、何でも食べるので生ゴミや屎尿処理させたりと役に立つ一面もあるのだとか。

取り敢えず、金になりそうな品物をいくつかピックアップしておこう。
肌着にボールペンでメモっとく。

ウロの実 50ヤン ポーションの原料
ワタウリの種(完熟) 30ヤン 綿
ボルオの葉(鮮度良) 50ヤン ポーションの原料
フォレストウォリス(犬っぽい奴)の皮 300ヤン
同犬歯(上のみ) 50ヤン
同肉(鮮度良) 1ナリ100ヤン 1ナリ1キロ?
ブフリムの核 5ヤン

ウロの実は数が取れれば嵩張らなくて良い金になるな。
ワタウリは種がいっぱい入ってるので単価は安いが美味そうだ。
ボルオの葉は鮮度次第なので今はスルーかな?
犬っぽい奴は肉が鮮度次第だが、十ナリくらい取れるらしいので持って帰れば千四百ヤンは堅い。犬程の大きさを持って帰れればだが。
ウロの実二十八個の軽さに比べると薄味か?
ブフリムはナイフ四ヤン核五ヤン。不味いけど襲ってくるから仕方なくヤる感じ?剥ぎ取りしないでスルーかも。

そうこうしているうちに時が過ぎ、買い取りの美人さんが呼びに来てくれた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

喰らう度強くなるボクと姉属性の女神様と異世界と。〜食べた者のスキルを奪うボクが異世界で自由気ままに冒険する!!〜

田所浩一郎
ファンタジー
中学でいじめられていた少年冥矢は女神のミスによりできた空間の歪みに巻き込まれ命を落としてしまう。 謝罪代わりに与えられたスキル、《喰らう者》は食べた存在のスキルを使い更にレベルアップすることのできるチートスキルだった! 異世界に転生させてもらうはずだったがなんと女神様もついてくる事態に!?  地球にはない自然や生き物に魔物。それにまだ見ぬ珍味達。 冥矢は心を踊らせ好奇心を満たす冒険へと出るのだった。これからずっと側に居ることを約束した女神様と共に……

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

召喚魔法使いの旅

ゴロヒロ
ファンタジー
転生する事になった俺は転生の時の役目である瘴気溢れる大陸にある大神殿を目指して頼れる仲間の召喚獣たちと共に旅をする カクヨムでも投稿してます

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

二度も親を失った俺は、今日も最強を目指す

SO/N
ファンタジー
主人公、ウルスはあるどこにでもある小さな町で、両親や幼馴染と平和に過ごしていた。 だがある日、町は襲われ、命からがら逃げたウルスは突如、前世の記憶を思い出す。 前世の記憶を思い出したウルスは、自分を拾ってくれた人類最強の英雄・グラン=ローレスに業を教わり、妹弟子のミルとともに日々修行に明け暮れた。 そして数年後、ウルスとミルはある理由から魔導学院へ入学する。そこでは天真爛漫なローナ・能天気なニイダ・元幼馴染のライナ・謎多き少女フィーリィアなど、様々な人物と出会いと再会を果たす。 二度も全てを失ったウルスは、それでも何かを守るために戦う。 たとえそれが間違いでも、意味が無くても。 誰かを守る……そのために。 【???????????????】 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー *この小説は「小説家になろう」で投稿されている『二度も親を失った俺は、今日も最強を目指す』とほぼ同じ物です。こちらは不定期投稿になりますが、基本的に「小説家になろう」で投稿された部分まで投稿する予定です。 また、現在カクヨム・ノベルアップ+でも活動しております。 各サイトによる、内容の差異はほとんどありません。

処理中です...