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身の程を、知る

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 耳と袋の中身、汚いナイフを回収したらジュンの魔法で死体を埋める。ここからは魔力をコレに使うため、ジュンを戦闘要員に組み込めない。戦後処理と荷物持ち、欠かせない存在だ。隊列を整えてさらに進むと再び上と後ろからの声。今度は3匹。今度は止まらず進み出る。クリス、マキ、ロシェルの3人で簡単にこなす事が出来ていた。

「は、ふっ。やはり、リーチに不安があります」

「足りなければ私も出すから、細剣を買いなさい」

「ですが」「買いなさい」

「はい」

「ユカタに買ってもらいなよー」

「ニヤニヤすんな。武器屋の親父に怒られちまえ」

「うへへ、きっと高いヤツ出して来るよー」

 減らず口を。

「ユカタ、半包囲されそうです」

 エリザベス様の一言に鳥肌が立つ。半包囲って事は、数が多くてコチラの位置を把握してるって事だ。エリザベス様の索敵範囲の外から血の匂いなり戦闘音なりで気付くとしたらウォリスの可能性が高い。完全に囲まれたらかなり厄介だ。

「血の匂いで集まった?ロシェル、上から見える?後衛は後退。前衛は剥ぎ終えたら合流して」

「おーう」「し、死体は?」

「そのままで。ウォリスなら食べてくれる」「うん、急ぐね」

「数は…31。山火事覚悟で行かれます?」

「逃げる準備。ロシェルの報告次第で走って逃げる」

「ユカタァ、逃げよっ。ウォリスのデカいのがいる。コッチ気付いてるよー」

「合流してマキに報告頼む」「おうよ」

 これは大人の稼ぎ時。子供が首を突っ込む事案じゃ無いな。はいはい逃げ逃げ。

「殿はクリスに頼む。昼飯は馬車広場だ。急げー」

「「「おーう」」」「お昼と関係あるのかしら?」

 ある。生きて帰らないと食べられないからね。全員で一目散に駆け出した。僕とミルコが先頭で前を警戒し、殿のクリスは遅れる元デブ2人を押して走る。

「敵が餌に集まったわ。一撃お見舞いしてよろし?」

「とにかく距離を稼ごう。下手に手を出しても後から来る大人が楽をするだけだからね」

 エリザベス様は意外と好戦的だ。敵全体がしっかり密集してるからそんな事言ってるのだろう。殺れば勝てる…と思いたいが、安全には変えられないので逃げ帰る。ギルドに着くと、エリザベス様を見た職員が慌てた様子で駆けて来て頭を下げる。その姿にギルド内にいた冒険者達は遠巻きにヒソヒソ。覚えとけ?絡んじゃいけない相手だぞ?

「ウォリスの大型種を含む群れが現れました。数は31頭。詳細はそちらのマキから。すぐに手配なさい」

「はっ、はいっ」

 群れの種類と数を聞いた冒険者達がざわめき出す。俺達でやれるか。仲間を呼ぶか。そんな会話が聞こえる中、マキとロシェルは受付の奥で聴取に向かう。

「ロナンとジュンは買取りしてもらって」

「お、おう。そうだな」

「分かった。行こ」「びひゅっ」

 そんな状態でどうやってギルド証の受付けしたんだ?オイシンに聞くと、他の成人学生と一緒に行ったんだと。そりゃそうするしかないよな。

 耳11匹分と鉄クズと小銭で32,49Uだとさ。割り切れないのだけは分かる。面倒臭いな。

「1人。2,03ウーラと、余り1枚、だって。女の人が」

「助かるよ。勘定面倒でどうしようかと思ってたんだ」

「コッチもお話終わったよー」「戻りました」

「この場にいる冒険者の方、緊急依頼ですっ。ブラッドウォリス1、ラージウォリス4を含む計31体の群れが東門を出た極近辺に出現しましたっ。ランクはC以上、15人程度で募集しますっ。報酬総額200万ウーラ。内、ボスが5割、ラージが1割、残りその他。死体の買取価格が報酬となります。ご協力お願いします」

 デカくて赤いのと、デカいのと、普通のがいるそうだ。報酬は金貨2枚。赤い奴は1匹で金貨1枚って事になる。きっと強いのだろう。ギルド内にいた冒険者は、ひよったのか名乗りを上げない。名乗りを上げた者を見てから便乗したいのだろう。もしくはDランク以下なのか。






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