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一の段 あやめも知らぬ 約束(三)
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「しばらく、このままでいたくございます。」
裸のままで、衾(ふすま)を引き寄せた二人は並んで横たわっていた。
「話は……?」
「このままでいたしましょうか。……いえ、いいの。」
あやめの上気したままの顔に、また涙が滑っている。
「もう、お話は結構でございます。」
「しかし。」
「いいの。……ようございます。……今宵は、ただ、こうして居たい。」
(このまま眠りたい。)
あやめは思った。泣きながら、でもそばに十四郎がいてくれるなかで、眠ってしまいたい。
(そして永遠に目が覚めなければ、どんなによいか。)
「堺の話だが。」
「ようございます!」
まだ聞きたくない、とあやめは耳を塞いだ。
十四郎がすぐに考えを変えるとは思えぬ。またつらい話を聞くくらいならば、今宵くらいは、幸せなままですごしたい。そう思いながら、あやめの頬を涙が濡らしている。
「お泣きになるな。泣かないで下さらぬか。」
「おや、おや、どなたのせいで?」
あやめは泣きながら、笑う声を出す。
「すまぬ。」
あやめは男の躰に寄り添った。
「あやめ殿。訊くが……」
「なんでございましょう?」
「納屋の婿のはなしだが、……」
あやめは緊張して凍りつくようになるが、
「なぜ、わたしなのだ? 一体、わたしのなにがよろしいのか?」
「……」
あやめは今度こそ、童女のように声をあげて泣きだした。十四郎に背を返して、躰全体を丸めて泣く。
(あほうっ、十四郎さまのおおうつけ!)
なにをいいだすのだろう。わたくしは、あなた様を慕うてしまったのだ。愛おしくてたまらない。それだけのことなのだ。よいも悪いもあるものか。そこにどんな勘定も入りはしない。入れることができなかったのだ。そうでなければ、どうしてここで、こんなに悲しい思いをしているものか。……頭に渦巻いている千万語が溶けて、とめどのない涙になる。、
「あ、あ、どうして泣かれる? 困ってしまうぞ。」
十四郎はおろおろしている。
「なぜ、などっ……あなた様のなにが、などとっ……いまさら、いまさら、そんなことを……」
あやめは泣きじゃくりながら、躰をまた返して、訴えるようにいった。
「わたくしは、あなた様の前でだけ、泣けるのでございますよ。」
また声をひそめて、泣いた。
答えになっているとは思えないが、十四郎は打たれたようになって、まじまじと、少し年上の女の泣き顔をみつめた。
「あやめ殿。」
あやめは答えてやらない。感情の爆発はおさまったが、それだけに、恥しさに身がすくんでもいる。
十四郎があやめを抱きながら、体躯を起こした。やすやすとあやめは起こされ、裸のまま、寄り添って座らされる。あ、着物を……と呟いて手をのばそうとしたが、そのまま、腕が躰に回って、引き寄せられる。
「拙者は、堺に渡ろうと思う。」
「え……っ!」
「あやめ殿とともに、堺に行きたいのだ。それが一番よいと考えた。」
「まことに? まことでございますかっ?」
十四郎は黙って頷く。
「このわたくしと、夫婦になってくださいますの?」
「そういうことだろう。」
堺に渡るとは、である。
「まことに……?」
十四郎は少し固く、あやめの裸の肩を抱きなおす。
「泣かせたくない。あやめ殿を、もう泣かせたくないのだ。」
「泣かせるくらいなら、殺してくださいませっ。」
冗談ではなく、あやめの本心から出た叫びだった。不意に来た悦びに戸惑い、あやめは抱き返すのも忘れている。
十四郎は目を見開いて、驚いた顔をつくってみせる。あやめもそれをみて、はじめて笑みがはじけた。
「……まことに、堺にお越しくださいますか?」
「考えて、それがよいとわかった。」
あやめは十四郎の顔をまじまじと見つめた。
そして、ふたたび笑顔が湧いて、はじけた。
「有り難き幸せでございます。うれしうございます。うれしい!……あやめの一生で、これほどうれしいことはございませぬ。」
あやめは手を合わせた。十四郎は裸のあやめの肩に唇を寄せた。あやめの頸が跳ね、止まって、無言で唇をねだる。唇があわさると、どうしたものか、どこまでも甘い。互いに貪りあった。
ま裸に気づいて、衣だけ羽織った。またぴったりと、互いの鼓動が聞こえるほどに寄り添って座る。
「ああ、こんなにうれしくて、よいのか。どの神様や仏さまのご功徳が、あやめにあったのでございましょう?」
「ここは禅寺でござるが、さて……」
十四郎は今井の家の宗旨も何もしらないのに気づいたが、まあそれは追々わかることだと軽く思い捨て、
「もしこれがご功徳とすれば、きっと親孝行でもなさったからでもあるまいか。」
と、笑った。
「母には、孝行する間もございませんでした。ほんの小さい時に。」
「すまぬ。拙者も同じだ。」
「そうでございましたね。わたくしどもは、……あ、おそれながら、似た境涯にございますね。わたくしは、父にも孝行などは、ほど遠くございますよ。……いえ、末娘は勝手ばかりで、自分も商人になる、お店を構えたいなどといって、ここまで参ってしまいました。」
(ここまで来れてよかった! このひとに出会えた! お父上、御礼申し上げます!)
「ならば、それも、拙者と同じだ。拙者の不孝は、二度と許されまい。」
「あっ、お悩みにならないで。わたくしがお悩みの種をつくったのでしょうか。つらい。それは、つろうございます。」
「泣かれるなよ。」
「泣きませぬよ。もう、これほどうれしいので……。十四郎さまが、あやめに親孝行をさせて下さいます。きっと、それでよろしいではござりませぬか?」
今井宗久、という名高い人物の顔を、十四郎は暗い天井に思い浮かべようとして、会ったこともない、絵図でも知らぬ、そんなことはできようもないのだと苦笑した。
「似ておられるのか、お父上の宗久殿と、あやめ殿は?」
「さて、わたくしは母親似だそうです。」
姉妹からはそういって、だれの胤やお前は、といじめられたこともあるのをふと思い出した。今のあやめにはそんなことすら懐かしい。
(その同じ下の姉さまが、お嫁入りのときには「お前は賢いらしいな。やはりお父上様のお種やったな」といってくれたものだったな。)
「それも、拙者と同じだ。」
「左様でございましょうね。きっと、左様ではないかと思いまする。」
「見ればわかるではないか。からかわれるものではない。……宗久殿も驚かれよう、この髪に、この顔だ。」
「喜びまする。でかした、といいましょう。親孝行にございます。」
「それよ。なぜでござる?」
「今井の家は、お武家の血もあるというのに、背の低い者が多いのでございます。兄もおしなべて、あまり立派な体つきではない。はじめて、背の高い、大きな子が生まれますれば。」
あやめは心から朗らかに笑った。
裸のままで、衾(ふすま)を引き寄せた二人は並んで横たわっていた。
「話は……?」
「このままでいたしましょうか。……いえ、いいの。」
あやめの上気したままの顔に、また涙が滑っている。
「もう、お話は結構でございます。」
「しかし。」
「いいの。……ようございます。……今宵は、ただ、こうして居たい。」
(このまま眠りたい。)
あやめは思った。泣きながら、でもそばに十四郎がいてくれるなかで、眠ってしまいたい。
(そして永遠に目が覚めなければ、どんなによいか。)
「堺の話だが。」
「ようございます!」
まだ聞きたくない、とあやめは耳を塞いだ。
十四郎がすぐに考えを変えるとは思えぬ。またつらい話を聞くくらいならば、今宵くらいは、幸せなままですごしたい。そう思いながら、あやめの頬を涙が濡らしている。
「お泣きになるな。泣かないで下さらぬか。」
「おや、おや、どなたのせいで?」
あやめは泣きながら、笑う声を出す。
「すまぬ。」
あやめは男の躰に寄り添った。
「あやめ殿。訊くが……」
「なんでございましょう?」
「納屋の婿のはなしだが、……」
あやめは緊張して凍りつくようになるが、
「なぜ、わたしなのだ? 一体、わたしのなにがよろしいのか?」
「……」
あやめは今度こそ、童女のように声をあげて泣きだした。十四郎に背を返して、躰全体を丸めて泣く。
(あほうっ、十四郎さまのおおうつけ!)
なにをいいだすのだろう。わたくしは、あなた様を慕うてしまったのだ。愛おしくてたまらない。それだけのことなのだ。よいも悪いもあるものか。そこにどんな勘定も入りはしない。入れることができなかったのだ。そうでなければ、どうしてここで、こんなに悲しい思いをしているものか。……頭に渦巻いている千万語が溶けて、とめどのない涙になる。、
「あ、あ、どうして泣かれる? 困ってしまうぞ。」
十四郎はおろおろしている。
「なぜ、などっ……あなた様のなにが、などとっ……いまさら、いまさら、そんなことを……」
あやめは泣きじゃくりながら、躰をまた返して、訴えるようにいった。
「わたくしは、あなた様の前でだけ、泣けるのでございますよ。」
また声をひそめて、泣いた。
答えになっているとは思えないが、十四郎は打たれたようになって、まじまじと、少し年上の女の泣き顔をみつめた。
「あやめ殿。」
あやめは答えてやらない。感情の爆発はおさまったが、それだけに、恥しさに身がすくんでもいる。
十四郎があやめを抱きながら、体躯を起こした。やすやすとあやめは起こされ、裸のまま、寄り添って座らされる。あ、着物を……と呟いて手をのばそうとしたが、そのまま、腕が躰に回って、引き寄せられる。
「拙者は、堺に渡ろうと思う。」
「え……っ!」
「あやめ殿とともに、堺に行きたいのだ。それが一番よいと考えた。」
「まことに? まことでございますかっ?」
十四郎は黙って頷く。
「このわたくしと、夫婦になってくださいますの?」
「そういうことだろう。」
堺に渡るとは、である。
「まことに……?」
十四郎は少し固く、あやめの裸の肩を抱きなおす。
「泣かせたくない。あやめ殿を、もう泣かせたくないのだ。」
「泣かせるくらいなら、殺してくださいませっ。」
冗談ではなく、あやめの本心から出た叫びだった。不意に来た悦びに戸惑い、あやめは抱き返すのも忘れている。
十四郎は目を見開いて、驚いた顔をつくってみせる。あやめもそれをみて、はじめて笑みがはじけた。
「……まことに、堺にお越しくださいますか?」
「考えて、それがよいとわかった。」
あやめは十四郎の顔をまじまじと見つめた。
そして、ふたたび笑顔が湧いて、はじけた。
「有り難き幸せでございます。うれしうございます。うれしい!……あやめの一生で、これほどうれしいことはございませぬ。」
あやめは手を合わせた。十四郎は裸のあやめの肩に唇を寄せた。あやめの頸が跳ね、止まって、無言で唇をねだる。唇があわさると、どうしたものか、どこまでも甘い。互いに貪りあった。
ま裸に気づいて、衣だけ羽織った。またぴったりと、互いの鼓動が聞こえるほどに寄り添って座る。
「ああ、こんなにうれしくて、よいのか。どの神様や仏さまのご功徳が、あやめにあったのでございましょう?」
「ここは禅寺でござるが、さて……」
十四郎は今井の家の宗旨も何もしらないのに気づいたが、まあそれは追々わかることだと軽く思い捨て、
「もしこれがご功徳とすれば、きっと親孝行でもなさったからでもあるまいか。」
と、笑った。
「母には、孝行する間もございませんでした。ほんの小さい時に。」
「すまぬ。拙者も同じだ。」
「そうでございましたね。わたくしどもは、……あ、おそれながら、似た境涯にございますね。わたくしは、父にも孝行などは、ほど遠くございますよ。……いえ、末娘は勝手ばかりで、自分も商人になる、お店を構えたいなどといって、ここまで参ってしまいました。」
(ここまで来れてよかった! このひとに出会えた! お父上、御礼申し上げます!)
「ならば、それも、拙者と同じだ。拙者の不孝は、二度と許されまい。」
「あっ、お悩みにならないで。わたくしがお悩みの種をつくったのでしょうか。つらい。それは、つろうございます。」
「泣かれるなよ。」
「泣きませぬよ。もう、これほどうれしいので……。十四郎さまが、あやめに親孝行をさせて下さいます。きっと、それでよろしいではござりませぬか?」
今井宗久、という名高い人物の顔を、十四郎は暗い天井に思い浮かべようとして、会ったこともない、絵図でも知らぬ、そんなことはできようもないのだと苦笑した。
「似ておられるのか、お父上の宗久殿と、あやめ殿は?」
「さて、わたくしは母親似だそうです。」
姉妹からはそういって、だれの胤やお前は、といじめられたこともあるのをふと思い出した。今のあやめにはそんなことすら懐かしい。
(その同じ下の姉さまが、お嫁入りのときには「お前は賢いらしいな。やはりお父上様のお種やったな」といってくれたものだったな。)
「それも、拙者と同じだ。」
「左様でございましょうね。きっと、左様ではないかと思いまする。」
「見ればわかるではないか。からかわれるものではない。……宗久殿も驚かれよう、この髪に、この顔だ。」
「喜びまする。でかした、といいましょう。親孝行にございます。」
「それよ。なぜでござる?」
「今井の家は、お武家の血もあるというのに、背の低い者が多いのでございます。兄もおしなべて、あまり立派な体つきではない。はじめて、背の高い、大きな子が生まれますれば。」
あやめは心から朗らかに笑った。
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