転生したので猫被ってたら気がつけば逆ハーレムを築いてました

今世の私

「ふぅ………」


　父様に食べさせられお腹がいっぱいになり私はぼんやりと父様を見ていた。
　正直父様と自分自身に幸せを提供するためとは言え食べ過ぎた………少し気持ち悪い。
　にしても父様はイケメンだ。父親がこれならやっぱり祈った通り自分の姿も美少女なのだろか。


「どうしたんだい？ティア」

「いや、父様って綺麗だなって……」

「あはは、ティアの輝きには敵わないよ……って、そういえばティアは自分の容姿分からないか……」


　父様、イケメンで褒め上手で貴族なんて相当モテるんだろうな～、私の母様いい人見つけたなぁ……
　そういえば私の母様一切見てないけどどう言う事なんだろう。父様に聞くのは少し………あとでリルさんに聞いてみよう。


「ティア、ほら鏡持ってきてもらったから見てご覧」

「えっ」


　いつの間に……父様仕事早過ぎません？娘の願いのためなら？なるほど娘バ………娘を大切にするタイプの方なんですね。


　そして父様の持つ鏡を見ると、そこには……桜色の瞳を持つ美幼女がいた。大きな目に雪のように真っ白な肌、そして柔らかく波打つプラチナブロンドの長い髪。髪の色や瞳の色は父様と似ていないし顔立ちも違うが何処となく似た雰囲気を感じる。


「わぁ……」

「どうだい？可愛いだろう」


　なんで父様が自慢気なのかいまいち分からないが確かに可愛い。レオさんとかの子供扱いで何となく予想はしていたけど……にしても幼い。４、５歳くらいかな？


「父様、私って今何歳ですか？」

「今年で７歳だね」


　何と前世なら小学２年生？！いや容姿も対応も見合ってないですよ？！


「そうか……もう７歳かぁ……」


　父様がしみじみとした顔で私の頭を撫でる。前世は年取った……と一人で落ち込むようになっていたからか、年齢が上がったことで喜ばれるというのはなんだか久々で擽ったい。


「旦那様、お楽しみの所申し訳御座いませんが午後のご公務がありますので……」

「分かった、ティア、この後はレオ君とかにでも付いてもらって邸を見て回って見たらどうかな？」

「はい、とても楽しそうです！」

「うん、じゃあ私は失礼するね」


　最後に私を強く抱き締めると父様は出て行った。やっぱり忙しい中私に付き添ってくれていたんだろうな、少し申し訳ない。


「お嬢様、まずは一度お部屋に戻って着替えましょうか」

「はい！」


私が返事をすると再びレオさんが両手を広げる………まぁ、またあそこを歩くなんて絶対無理だからね。


「レオさんよろしくお願いします」

「はい！もちろんです、お嬢様」


レオさんはそう言うと私を抱き上げ器用にウインクして見せる。レオさんって何というか……世に言う女たらしってやつでは？見た目も女子受け抜群だし中身も………


あれ、私そんな人に抱っこしてもらってるの？！


「あれ、お嬢様大丈夫ですか～？めっちゃ熱いですけど」

「だ、ダイジョブデス………」


死ねる……このままじゃ再転生しちゃうよ私。いや、負けちゃ駄目だ！……いや、やっぱり無理！！私はそんな風にアワアワしながら部屋に運ばれて行くのだった。