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羞恥の朝ご飯
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「っと……お嬢様着きましたよ~」
食堂に着いたらしく一際大きな扉の前に降ろされた。私が必死に歩いても見つけられなかったところをレオさんならすぐ着いてしまうとはなんとも複雑である。
「レオさん、運んでくださりありがとうございました」
笑顔でお礼を言う………そう、今世の私は礼儀正しい淑女に成り切ろうとしているのだ。
貴族のご令嬢らしいし、折角ならば淑やかなお嬢様になってお嬢様ライフをエンジョイしたい!!
そんなことを考えながら中へ入ろうと扉を押す………が開かない。
力が無いから?いやだとしても扉開けられないレベルの非力はあり得ないでしょ!
もっと全力でやるが……無理だ。うんともすんとも言わない。いや扉がすんって言ったらそれはそれで怖いな、
「お嬢様、俺が開けますよ。朝ぶっ倒れたんだから無理したらめっです」
そう言いながらレオさんが扉を押す……も開かない。
「レオさん?」
「嘘だろ?ここの扉こんな硬かったか~?伯爵様がなんかやらかしたんですかね?」
レオさんが扉に体当たりする。めっちゃ扉バキバキ言ってるけど大丈夫なんですか?これ。扉開く前に壊れそうですけど!
「……レオ?何やってるんです?」
後ろから声が聞こえ振り向くとリルさんがレオに対して氷点下に達しそうなほど冷たい視線を送っていた。
なんか若干空気が冷たくなってきた気がするんだけど……
「あー!リル!いや扉開かなくてさ~、伯爵様がなんか弄ったんで「内開きですよ」…え……?」
リルさんがとてつもなく冷たい声色で続ける。
「そこの扉は内開きです」
リルさんがカツカツと音を立てて扉の前まで来ると扉の取手を内側に引く………
すると中には明らかに戦闘態勢に入っている父様と使用人の方達の姿があった。
「「「「「は?」」」」」
私たちの姿を見た瞬間父様と使用人の方達の木の抜けた声が広い食堂に響いた。
◇◆◇
「な~んだ、レオ君が''また''莫迦をやっただけだったのか」
「はい、本当に申し訳御座いません」
どうやら父様達はさっきのレオによる体当たりを奇襲と勘違いしてしまっていたらしい。
そしてなんか''また''が強調されていた気がするけどレオさん実は前にも何かやらかしていたのだろうか?
疑問だけど奇襲がくる家とは一体どういうことですか?!物騒過ぎません?!
「うん、レオ君これで何度目かな?」
「え~と、1、2、3……分かりません!」
諦めるの早くない?!数え切れないほどやらかしてるのに開き直り過ぎじゃ?!
あ、リルさんに足蹴りされてる。そして父様めっちゃ笑顔………
「もういいよ、そんな事よりティア、迷子になったって聞いたけど大丈夫だった?」
「はい、レオさんに助けて頂きました!」
「そっか、レオ君、本来なら修繕費を払ってもらうところだけど、仕方ないし今回は許すよ」
「よっしゃ!ありがとうございます!」
父様もしかして娘にだけ激甘では?あとレオさん、やっぱりさっき扉壊してたんだね。
「あの、父様、このお邸なんでこんなに広くて迷路のようなのでしょうか?」
「ああ、広いのも迷路のようなのも刺客とか奇襲とかの対策だよ。迷っている間に捕まえられるだろう?」
なるほど納得~だけど住んでいる人も迷うレベルですよ。使用人さんとかとんでもなく大変だろうな、
「因みに貴族邸三大魔邸の一つに選ばれたし、新入りの使用人は必ず迷子になって捜索される」
そんなとんでもないお邸で生活してるの凄いな。覚えた使用人さん達も……あ、使用人さん達遠い目をしてる。みんな通る道なんだね……
「ほら立ち話もそこそこにして座って。歩き回ったみたいだしお腹空いただろう?」
父様が隣の椅子をぽんぽんと叩く。大人しく座ると次々と料理が運ばれてくる。
「今日はスクランブルエッグにベーコンと、サラダにカボチャのポタージュ、パンだって。苺のジャムとバターもあるよ」
どの料理もキラキラと輝いていてとても美味しそうだ。前世の朝ご飯は片手で仕事をしながらのカロリーメイトか10秒チャージだったからなんだか感動してしまう。
「はい、ティア~、あ~ん」
「えっ……!」
『あ~ん』?本当に私甘やかされ過ぎじゃ?そして恥ずかしいからやめて欲しい!!さっきは足の命と引き換えに屈したけど流石に今度は屈しな………
「あっ、ごめんね、いつもの癖で今日は一人で食べれるから大丈夫か」
父様は寂しげにスプーンを引っ込める。……少し寂しげに言うなんて卑怯ですよね!イケメンの凹み顔に勝てるわけないでしょう!
「と、父様!あーんして欲しいです!」
やばい周りに使用人さんもいるし凄く恥ずかしい。いやでも見るからに父様の顔が明るくなった!
でも明るくなり過ぎて眩しいです!イケメンめ!
「本当かい!じゃあほらあーん」
「あーん………」
うんめちゃくちゃ美味しい。ついでに言えばあーんじゃなければもっと味を満喫できる。
だけど父様の笑顔の為!頑張れ私!!
食堂に着いたらしく一際大きな扉の前に降ろされた。私が必死に歩いても見つけられなかったところをレオさんならすぐ着いてしまうとはなんとも複雑である。
「レオさん、運んでくださりありがとうございました」
笑顔でお礼を言う………そう、今世の私は礼儀正しい淑女に成り切ろうとしているのだ。
貴族のご令嬢らしいし、折角ならば淑やかなお嬢様になってお嬢様ライフをエンジョイしたい!!
そんなことを考えながら中へ入ろうと扉を押す………が開かない。
力が無いから?いやだとしても扉開けられないレベルの非力はあり得ないでしょ!
もっと全力でやるが……無理だ。うんともすんとも言わない。いや扉がすんって言ったらそれはそれで怖いな、
「お嬢様、俺が開けますよ。朝ぶっ倒れたんだから無理したらめっです」
そう言いながらレオさんが扉を押す……も開かない。
「レオさん?」
「嘘だろ?ここの扉こんな硬かったか~?伯爵様がなんかやらかしたんですかね?」
レオさんが扉に体当たりする。めっちゃ扉バキバキ言ってるけど大丈夫なんですか?これ。扉開く前に壊れそうですけど!
「……レオ?何やってるんです?」
後ろから声が聞こえ振り向くとリルさんがレオに対して氷点下に達しそうなほど冷たい視線を送っていた。
なんか若干空気が冷たくなってきた気がするんだけど……
「あー!リル!いや扉開かなくてさ~、伯爵様がなんか弄ったんで「内開きですよ」…え……?」
リルさんがとてつもなく冷たい声色で続ける。
「そこの扉は内開きです」
リルさんがカツカツと音を立てて扉の前まで来ると扉の取手を内側に引く………
すると中には明らかに戦闘態勢に入っている父様と使用人の方達の姿があった。
「「「「「は?」」」」」
私たちの姿を見た瞬間父様と使用人の方達の木の抜けた声が広い食堂に響いた。
◇◆◇
「な~んだ、レオ君が''また''莫迦をやっただけだったのか」
「はい、本当に申し訳御座いません」
どうやら父様達はさっきのレオによる体当たりを奇襲と勘違いしてしまっていたらしい。
そしてなんか''また''が強調されていた気がするけどレオさん実は前にも何かやらかしていたのだろうか?
疑問だけど奇襲がくる家とは一体どういうことですか?!物騒過ぎません?!
「うん、レオ君これで何度目かな?」
「え~と、1、2、3……分かりません!」
諦めるの早くない?!数え切れないほどやらかしてるのに開き直り過ぎじゃ?!
あ、リルさんに足蹴りされてる。そして父様めっちゃ笑顔………
「もういいよ、そんな事よりティア、迷子になったって聞いたけど大丈夫だった?」
「はい、レオさんに助けて頂きました!」
「そっか、レオ君、本来なら修繕費を払ってもらうところだけど、仕方ないし今回は許すよ」
「よっしゃ!ありがとうございます!」
父様もしかして娘にだけ激甘では?あとレオさん、やっぱりさっき扉壊してたんだね。
「あの、父様、このお邸なんでこんなに広くて迷路のようなのでしょうか?」
「ああ、広いのも迷路のようなのも刺客とか奇襲とかの対策だよ。迷っている間に捕まえられるだろう?」
なるほど納得~だけど住んでいる人も迷うレベルですよ。使用人さんとかとんでもなく大変だろうな、
「因みに貴族邸三大魔邸の一つに選ばれたし、新入りの使用人は必ず迷子になって捜索される」
そんなとんでもないお邸で生活してるの凄いな。覚えた使用人さん達も……あ、使用人さん達遠い目をしてる。みんな通る道なんだね……
「ほら立ち話もそこそこにして座って。歩き回ったみたいだしお腹空いただろう?」
父様が隣の椅子をぽんぽんと叩く。大人しく座ると次々と料理が運ばれてくる。
「今日はスクランブルエッグにベーコンと、サラダにカボチャのポタージュ、パンだって。苺のジャムとバターもあるよ」
どの料理もキラキラと輝いていてとても美味しそうだ。前世の朝ご飯は片手で仕事をしながらのカロリーメイトか10秒チャージだったからなんだか感動してしまう。
「はい、ティア~、あ~ん」
「えっ……!」
『あ~ん』?本当に私甘やかされ過ぎじゃ?そして恥ずかしいからやめて欲しい!!さっきは足の命と引き換えに屈したけど流石に今度は屈しな………
「あっ、ごめんね、いつもの癖で今日は一人で食べれるから大丈夫か」
父様は寂しげにスプーンを引っ込める。……少し寂しげに言うなんて卑怯ですよね!イケメンの凹み顔に勝てるわけないでしょう!
「と、父様!あーんして欲しいです!」
やばい周りに使用人さんもいるし凄く恥ずかしい。いやでも見るからに父様の顔が明るくなった!
でも明るくなり過ぎて眩しいです!イケメンめ!
「本当かい!じゃあほらあーん」
「あーん………」
うんめちゃくちゃ美味しい。ついでに言えばあーんじゃなければもっと味を満喫できる。
だけど父様の笑顔の為!頑張れ私!!
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