68 / 159
68.vsシーサーペント(変異種)
しおりを挟む
固有名:なし
種族:シーサーペント(変異種)
スキル:【水魔法lv6】【雷魔法lv7】【鱗魔法lv5】【水泳lv7】【雷耐性lv7】【水中適応】
やっぱり普通に強いな。
デイジーだけだと厳しいような気がするんだけどな。
デイジーからはしきりに大丈夫大丈夫という思念が伝わってくる。
不安だ。
あの角付きのシーサーペントと普通のシーサーペントの違いはなんといってもあの角だろう。
この世界の魔物の変異種というのは、普通は持っていないスキルを持っている魔物という意味になる。
それで見た目まで変化してしまうのだからスキルというのは本当に不思議なものだ。
あのシーサーペントの持っているスキルの中で、角を生じさせる可能性のあるスキルといえば多分【鱗魔法lv5】だろうな。
僕の毛魔法と同じようなスキルだと思う。
ということは僕は人間(変異種)ということになるのだろうか。
まあそんなことはどうでもいいか。
人間(変態)みたいなやつだっていっぱいいるし。
【鱗魔法lv5】の他に気になるスキルといえば【雷魔法lv7】と【雷耐性lv7】だろうか。
Sランク冒険者がシーサーペントを討伐したという話はたまに聞くけれど、シーサーペントが雷魔法を使ったという話は聞いたことがない。
感電しやすい海の中で、自分だけ雷に耐性を持ち雷魔法を自在に使うのだとしたらかなり厄介な魔物だ。
海の王者といっても過言ではないだろう。
竜種は別としてね。
高位のドラゴンは別格だ。
あれはSよりも上のランクが無いからしょうがなくSが付いているだけで、もっと上のランクがあったら余裕で一番上だ。
しかしその竜種以外には海で敵無しのシーサーペント(変異種)に、空の魔物であるデイジーはどんな戦いをするのだろうか。
僕は最初のうち少し見守ろうと思う。
デイジーはまず手始めに、フェザースティングを放つ。
しかし僕も戦ったから分かるけど、あれは予備動作が大きくて何か来るって丸分かりなんだ。
案の定フェザースティングは水の防壁で防がれてしまった。
レベルが2つも上のスキルを防げるなんて、やっぱり魔法スキルというのは他のスキルよりも少しだけ格上だな。
デイジーは立て続けに風魔法スキルを発動し、複数の風の刃を放つ。
同じ魔法スキル同士であるならば、スキルレベルが上のデイジーの風魔法のほうが少しだけ上回ったようだ。
水の防壁を抜けた風の刃がシーサーペントの鱗を浅く傷つけた。
僕の毛魔法も切り裂いた鋭い風の刃でも、あの鱗は浅くしか傷つけることができないのか。
鱗魔法というスキルの本質は、防御にあるのかもしれないな。
確かに名前的に毛魔法よりも防御力が高そうだ。
しかしシーサーペントは防戦一方なように見える。
雷魔法なんていうスキルがあるのに、使わないのだろうか。
ん?なんか周囲が暗いような……。
あれ、こんなに曇ってたっけ?
それも僕たちの頭上だけ。
遠くに見える海はカンカン照りのいい天気だ。
ちょっとこれは不味いのかな。
デイジーは気付いてないみたいだ。
水魔法スキルと雷魔法スキル、2つのスキルを使った大技の予感を僕は感じていた。
ゴロゴロと雷雲が不穏な音を響かせ始める。
その段階になって、デイジーは初めて僕たちの上空に巨大な雷雲が出来ていることに気がつく。
焦って雲の範囲から飛び出そうとするが、もう遅い。
デイジーがいかに速いといっても雷より速く飛ぶことはできない。
僕とデイジーに、光の柱のように太い稲妻が降りかかる。
強い光と音が僕たちを包み込み、一瞬聴覚と視覚が奪われる。
しかし致命的な光と音は僕の5メートルほど手前で遮断されているために、すぐに感覚が戻ってきた。
もちろん今回も反転魔法様のおかげです。
レベルマックスの反転魔法は魔法であっても容赦なく反転する。
僕たちに降りかかるはずの稲妻は逆に空に向かって伸び、雲を消滅させた。
ちょっとうるさかったけど、僕たちは無傷だ。
デイジーはショックで気絶してしまったようで、背中に乗った僕はしばしの浮遊感を味わっていた。
ガルーダって意外とメンタル弱いんだよな。
ちょっとタマヒュン。
僕もメンタルは強くないけれど、ビルから飛び降りる練習のおかげで取り乱すことなく冷静に対処することができた。
僕はブラックキューブの中から前に買ったスクリュー付きの小船を取り出し、足元に置いて乗る。
やがてデイジーは海面に墜落し、ぶくぶくと沈んでいく。
しょうのないガルーダだ。
僕は浮遊スキルで浮いた船の上から、毛魔法でデイジーを引き上げて近くの崖に吊るしておいた。
その間にもシーサーペントからは雷魔法や水魔法がバンバン飛んできて鬱陶しい。
すべて反転魔法で返すが、向こうは鱗魔法で防御を固めているし雷耐性なるスキルも持っている。
自分のスキルでやられるほど間抜けではないということか。
うちのガルーダにも見習って欲しい。
僕は久しぶりに液体窒素の杭を用意する。
これを魔物に使うのもオークぶりだ。
リキッドステイクというスキルは、レベルが上がると出せる杭の数が増える。
僕は太さや長さが変わるのかと思っていたのだけれど、それは間違いだったのだ。
このスキルはブラックキューブや使役魔法と同じようなタイプで、スキルレベルと同じ数の液体の杭を作り出すというスキルだった。
さらに僕の場合は、【スキル効果10倍】スキルでその数は10倍になる。
普通ならそんなにいらないと思うだろう。
しかし僕にとってあればあるほどいい。
なぜなら僕は毛魔法で複数の杭を一度に投擲することができるからだ。
命中率は下がるけれど、100本も杭を投擲すれば命中率なんて関係ない。
僕は毛魔法の触腕を枝分かれさせていき、100本の触腕を形作る。
1本の触腕につき、液体窒素の杭を1本握らせる。
ちょっとオーバーキルかもしれないけれど、こんな攻撃が必要になるときのための訓練なので許して欲しい。
すまんなシーサーペント。
液体窒素の杭×100、投擲。
ボンッという音と共に、海が爆発した。
種族:シーサーペント(変異種)
スキル:【水魔法lv6】【雷魔法lv7】【鱗魔法lv5】【水泳lv7】【雷耐性lv7】【水中適応】
やっぱり普通に強いな。
デイジーだけだと厳しいような気がするんだけどな。
デイジーからはしきりに大丈夫大丈夫という思念が伝わってくる。
不安だ。
あの角付きのシーサーペントと普通のシーサーペントの違いはなんといってもあの角だろう。
この世界の魔物の変異種というのは、普通は持っていないスキルを持っている魔物という意味になる。
それで見た目まで変化してしまうのだからスキルというのは本当に不思議なものだ。
あのシーサーペントの持っているスキルの中で、角を生じさせる可能性のあるスキルといえば多分【鱗魔法lv5】だろうな。
僕の毛魔法と同じようなスキルだと思う。
ということは僕は人間(変異種)ということになるのだろうか。
まあそんなことはどうでもいいか。
人間(変態)みたいなやつだっていっぱいいるし。
【鱗魔法lv5】の他に気になるスキルといえば【雷魔法lv7】と【雷耐性lv7】だろうか。
Sランク冒険者がシーサーペントを討伐したという話はたまに聞くけれど、シーサーペントが雷魔法を使ったという話は聞いたことがない。
感電しやすい海の中で、自分だけ雷に耐性を持ち雷魔法を自在に使うのだとしたらかなり厄介な魔物だ。
海の王者といっても過言ではないだろう。
竜種は別としてね。
高位のドラゴンは別格だ。
あれはSよりも上のランクが無いからしょうがなくSが付いているだけで、もっと上のランクがあったら余裕で一番上だ。
しかしその竜種以外には海で敵無しのシーサーペント(変異種)に、空の魔物であるデイジーはどんな戦いをするのだろうか。
僕は最初のうち少し見守ろうと思う。
デイジーはまず手始めに、フェザースティングを放つ。
しかし僕も戦ったから分かるけど、あれは予備動作が大きくて何か来るって丸分かりなんだ。
案の定フェザースティングは水の防壁で防がれてしまった。
レベルが2つも上のスキルを防げるなんて、やっぱり魔法スキルというのは他のスキルよりも少しだけ格上だな。
デイジーは立て続けに風魔法スキルを発動し、複数の風の刃を放つ。
同じ魔法スキル同士であるならば、スキルレベルが上のデイジーの風魔法のほうが少しだけ上回ったようだ。
水の防壁を抜けた風の刃がシーサーペントの鱗を浅く傷つけた。
僕の毛魔法も切り裂いた鋭い風の刃でも、あの鱗は浅くしか傷つけることができないのか。
鱗魔法というスキルの本質は、防御にあるのかもしれないな。
確かに名前的に毛魔法よりも防御力が高そうだ。
しかしシーサーペントは防戦一方なように見える。
雷魔法なんていうスキルがあるのに、使わないのだろうか。
ん?なんか周囲が暗いような……。
あれ、こんなに曇ってたっけ?
それも僕たちの頭上だけ。
遠くに見える海はカンカン照りのいい天気だ。
ちょっとこれは不味いのかな。
デイジーは気付いてないみたいだ。
水魔法スキルと雷魔法スキル、2つのスキルを使った大技の予感を僕は感じていた。
ゴロゴロと雷雲が不穏な音を響かせ始める。
その段階になって、デイジーは初めて僕たちの上空に巨大な雷雲が出来ていることに気がつく。
焦って雲の範囲から飛び出そうとするが、もう遅い。
デイジーがいかに速いといっても雷より速く飛ぶことはできない。
僕とデイジーに、光の柱のように太い稲妻が降りかかる。
強い光と音が僕たちを包み込み、一瞬聴覚と視覚が奪われる。
しかし致命的な光と音は僕の5メートルほど手前で遮断されているために、すぐに感覚が戻ってきた。
もちろん今回も反転魔法様のおかげです。
レベルマックスの反転魔法は魔法であっても容赦なく反転する。
僕たちに降りかかるはずの稲妻は逆に空に向かって伸び、雲を消滅させた。
ちょっとうるさかったけど、僕たちは無傷だ。
デイジーはショックで気絶してしまったようで、背中に乗った僕はしばしの浮遊感を味わっていた。
ガルーダって意外とメンタル弱いんだよな。
ちょっとタマヒュン。
僕もメンタルは強くないけれど、ビルから飛び降りる練習のおかげで取り乱すことなく冷静に対処することができた。
僕はブラックキューブの中から前に買ったスクリュー付きの小船を取り出し、足元に置いて乗る。
やがてデイジーは海面に墜落し、ぶくぶくと沈んでいく。
しょうのないガルーダだ。
僕は浮遊スキルで浮いた船の上から、毛魔法でデイジーを引き上げて近くの崖に吊るしておいた。
その間にもシーサーペントからは雷魔法や水魔法がバンバン飛んできて鬱陶しい。
すべて反転魔法で返すが、向こうは鱗魔法で防御を固めているし雷耐性なるスキルも持っている。
自分のスキルでやられるほど間抜けではないということか。
うちのガルーダにも見習って欲しい。
僕は久しぶりに液体窒素の杭を用意する。
これを魔物に使うのもオークぶりだ。
リキッドステイクというスキルは、レベルが上がると出せる杭の数が増える。
僕は太さや長さが変わるのかと思っていたのだけれど、それは間違いだったのだ。
このスキルはブラックキューブや使役魔法と同じようなタイプで、スキルレベルと同じ数の液体の杭を作り出すというスキルだった。
さらに僕の場合は、【スキル効果10倍】スキルでその数は10倍になる。
普通ならそんなにいらないと思うだろう。
しかし僕にとってあればあるほどいい。
なぜなら僕は毛魔法で複数の杭を一度に投擲することができるからだ。
命中率は下がるけれど、100本も杭を投擲すれば命中率なんて関係ない。
僕は毛魔法の触腕を枝分かれさせていき、100本の触腕を形作る。
1本の触腕につき、液体窒素の杭を1本握らせる。
ちょっとオーバーキルかもしれないけれど、こんな攻撃が必要になるときのための訓練なので許して欲しい。
すまんなシーサーペント。
液体窒素の杭×100、投擲。
ボンッという音と共に、海が爆発した。
4
お気に入りに追加
4,021
あなたにおすすめの小説
異世界に転生したけど幼馴染がどう考えても悪役令嬢
兎屋亀吉
ファンタジー
異世界に転生。そんなことは今の時代よくあることだ。僕、ルイ・ミルファネス・フォン・カールネストもそんな地球からの転生者だ。伯爵家の三男に生まれた僕には幼馴染がいた。カールネスト家が所属する貴族派閥の大ボス、ユーレンシア公爵家の次女マリアだ。主家の娘と下っ端の息子という身分の差はあれど、彼女と僕は幼い頃からそれなりに仲良く育った。もちろん色っぽい関係でもなんでもない下僕と主人みたいな関係だ。彼女にはちゃんと婚約者がいるし、僕などは選択肢にも入っていないだろう。しかしある日のこと、突如として彼女はその婚約者から婚約破棄を告げられてしまう。あれ、なんかそれって……。
スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい
兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。
器用貧乏の意味を異世界人は知らないようで、家を追い出されちゃいました。
武雅
ファンタジー
この世界では8歳になると教会で女神からギフトを授かる。
人口約1000人程の田舎の村、そこでそこそこ裕福な家の3男として生まれたファインは8歳の誕生に教会でギフトを授かるも、授かったギフトは【器用貧乏】
前例の無いギフトに困惑する司祭や両親は貧乏と言う言葉が入っていることから、将来貧乏になったり、周りも貧乏にすると思い込み成人とみなされる15歳になったら家を、村を出て行くようファインに伝える。
そんな時、前世では本間勝彦と名乗り、上司と飲み入った帰り、駅の階段で足を滑らし転げ落ちて死亡した記憶がよみがえる。
そして15歳まであと7年、異世界で生きていくために冒険者となると決め、修行を続けやがて冒険者になる為村を出る。
様々な人と出会い、冒険し、転生した世界を器用貧乏なのに器用貧乏にならない様生きていく。
村を出て冒険者となったその先は…。
※しばらくの間(2021年6月末頃まで)毎日投稿いたします。
よろしくお願いいたします。
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
スキル【合成】が楽しすぎて最初の村から出られない
紅柄ねこ(Bengara Neko)
ファンタジー
15歳ですべての者に授けられる【スキル】、それはこの世界で生活する為に必要なものであった。
世界は魔物が多く闊歩しており、それによって多くの命が奪われていたのだ。
ある者は強力な剣技を。またある者は有用な生産スキルを得て、生活のためにそれらを使いこなしていたのだった。
エメル村で生まれた少年『セン』もまた、15歳になり、スキルを授かった。
冒険者を夢見つつも、まだ村を出るには早いかと、センは村の周囲で採取依頼をこなしていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる