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11.青春求む
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まずは運動部を中心に回っていく。
運動部のほうが女子にもてそうなので、できれば運動部に入っておきたいところだ。
最初は野球部。
野球部は負けたら坊主頭にしなくてはいけないイメージなのでできれば遠慮したいところだが、中村が中学で野球部だったようなので一応寄ってみた次第だ。
中村はよさそうだったら入りたいみたいだけど、俺と雪村は完全なる冷やかしだ。
「どうぞこちらです。ようこそいらっしゃいました。こちらウェルカムドリンクです」
「ウェルカムフルーツです」
「ウェルカムスイーツです」
坊主頭の部員達に案内された部室では、メイドや執事が見学者たちを接待していた。
一番奥のVIP席に通された俺達3人の前には、トロピカルジュースと色とりどりのフルーツやお菓子が並んでいる。
なにやら想像していた部活見学とは少し趣が違うな。
この学園は確かに金持ちばかりが通っていて、学園のいたるところに金がかけられているが、教室や生徒の勉強机は普通の学校となんら変わりないものを使用していた。
そのため俺はいかに金持ちボンボン学園といえども普段の生活では金持ちぶってもしょうがないのでそこらの私立学校とそこまでの差はないと思っていたのだが、どうやらそれは間違いだったようだ。
放課後は結構好き勝手しているらしい。
しかしこの調子で歓待されたらお腹がいっぱいでメイドのご飯が食べられなくなってしまうな。
貧困に苦しむ中村や大食漢の雪村はフルーツやケーキなどをパクパクと食べているが、俺はジュースだけにしておく。
俺と雪村は別にこの部に興味があるわけではないから、適当にジュースでも飲みながら他所のメイドさんの働きなどを眺めておこう。
その間中村は部の成績や、監督の輝かしい経歴、練習内容、練習施設などについて話を聞いている。
練習施設も監督も超一流。
プロ野球の選手だって練習できる環境だが、なぜだか部の成績自体はいまいちだった。
毎年1回戦負けというわけではないけれど、運が悪いと1回戦で負ける。
その程度の強さだ。
きっとハングリーさが足りないんだろう。
箸よりも重いものなど持ったことのないお坊ちゃんばかりを集めて、プロ野球選手の練習施設で一流のコーチが野球を手取り足取りティーチングしてもプロ野球選手のようにうまくはならない。
これは他の運動部も成績は期待できないかもしれないな。
1回戦負けの運動部か…、モテ要素が半減だな。
あれよあれよというままに中村への説明会は終わり、次の部へ。
中村もなんか違うと思ったのか奥歯にスルメでも挟まっていそうな顔をしている。
3人だけになった途端に意見交流会。
「なんか俺のイメージする高校野球と違った」
「まあそう言うな。お坊ちゃまにタイヤ引っぱってランニングとか無理だから」
「そうだね。みんな身体を鍛えるならジム行くからね」
そうなる。
青春したきゃ来る高校間違えてる。
そういうことで次はテニス部だ。
俺のイメージではバスケ部とテニス部、サッカー部あたりはモテ要素が高そうだ。
このへん中心に回るぞ。
「ようこそいらっしゃいました」
こちらはイケメン執事と美人メイドをそろえた思春期のハートキャッチ作戦できたか。
爛れてやがる。
俺的にはテニス部のイメージダウンだ。
部活動は爽やかでクリーンな女子の胸がキュンとなるような、そんなモテ要素が重要なのに。
こんな大学のヤリサーみたいな爛れたイメージ戦略では高校生という限られた時間をエンジョイできないぞ。
「ここは俺の好みじゃないな」
「うーん、僕もちょっと苦手」
「俺もこういうチャラチャラしたのは…」
ということでVIP席に通される前におさらばした。
こんなことではテニス部以上にチャラチャラしてそうなバスケ部、サッカー部はどんなことになってしまっているんだ。
入りたいかどうかは別にして、ちょっとだけ興味ある。
ということでバスケ部。
「いらっしゃい!」
意外なことにも出迎えてくれたのは髪を短く切りそろえたバスケ部の先輩方本人たちだった。
「じゃあ、あっちでジャージ貸し出してるから着替えてきて」
まさかの体験入部だ。
この部、けっこう本気で部活動しておる。
そんなわけで着替えた俺達は先輩たちに混ざって練習しているわけだが、この人たちガチすぎるだろ。
体験入部で体育館30周のランニングから始まるなんて聞いてないよ。
その後、軽く5対5のゲームに混ぜてもらいバスケ部を後にした。
もうへとへと。
「あれじゃ本気の奴しか入らないだろ」
「いや、本来はそっちが正しいんじゃ?」
「そうだね」
それにしても疲れた。
中村は運動神経よさそうだと思っていたけど、雪村も意外なことに運動神経よかった。
俺は別に運動神経悪いわけじゃないんだ。
普通なだけだ。
「次はサッカー部か…。どうする?」
「見るだけ見とくか」
「そうだね。楽しそうな可能性もあるからね」
というわけでサッカー部、行ったけどすぐ帰ってきた。
なんかメイドさんたちの露出が多かったと記憶している。
青少年の育成には多大な悪影響を及ぼすよ、あのおっぱいは。
けしからん。
まったくもってけしからんね。
サッカー部はどこのボールをころころしてるんだろうね。
運動部のほうが女子にもてそうなので、できれば運動部に入っておきたいところだ。
最初は野球部。
野球部は負けたら坊主頭にしなくてはいけないイメージなのでできれば遠慮したいところだが、中村が中学で野球部だったようなので一応寄ってみた次第だ。
中村はよさそうだったら入りたいみたいだけど、俺と雪村は完全なる冷やかしだ。
「どうぞこちらです。ようこそいらっしゃいました。こちらウェルカムドリンクです」
「ウェルカムフルーツです」
「ウェルカムスイーツです」
坊主頭の部員達に案内された部室では、メイドや執事が見学者たちを接待していた。
一番奥のVIP席に通された俺達3人の前には、トロピカルジュースと色とりどりのフルーツやお菓子が並んでいる。
なにやら想像していた部活見学とは少し趣が違うな。
この学園は確かに金持ちばかりが通っていて、学園のいたるところに金がかけられているが、教室や生徒の勉強机は普通の学校となんら変わりないものを使用していた。
そのため俺はいかに金持ちボンボン学園といえども普段の生活では金持ちぶってもしょうがないのでそこらの私立学校とそこまでの差はないと思っていたのだが、どうやらそれは間違いだったようだ。
放課後は結構好き勝手しているらしい。
しかしこの調子で歓待されたらお腹がいっぱいでメイドのご飯が食べられなくなってしまうな。
貧困に苦しむ中村や大食漢の雪村はフルーツやケーキなどをパクパクと食べているが、俺はジュースだけにしておく。
俺と雪村は別にこの部に興味があるわけではないから、適当にジュースでも飲みながら他所のメイドさんの働きなどを眺めておこう。
その間中村は部の成績や、監督の輝かしい経歴、練習内容、練習施設などについて話を聞いている。
練習施設も監督も超一流。
プロ野球の選手だって練習できる環境だが、なぜだか部の成績自体はいまいちだった。
毎年1回戦負けというわけではないけれど、運が悪いと1回戦で負ける。
その程度の強さだ。
きっとハングリーさが足りないんだろう。
箸よりも重いものなど持ったことのないお坊ちゃんばかりを集めて、プロ野球選手の練習施設で一流のコーチが野球を手取り足取りティーチングしてもプロ野球選手のようにうまくはならない。
これは他の運動部も成績は期待できないかもしれないな。
1回戦負けの運動部か…、モテ要素が半減だな。
あれよあれよというままに中村への説明会は終わり、次の部へ。
中村もなんか違うと思ったのか奥歯にスルメでも挟まっていそうな顔をしている。
3人だけになった途端に意見交流会。
「なんか俺のイメージする高校野球と違った」
「まあそう言うな。お坊ちゃまにタイヤ引っぱってランニングとか無理だから」
「そうだね。みんな身体を鍛えるならジム行くからね」
そうなる。
青春したきゃ来る高校間違えてる。
そういうことで次はテニス部だ。
俺のイメージではバスケ部とテニス部、サッカー部あたりはモテ要素が高そうだ。
このへん中心に回るぞ。
「ようこそいらっしゃいました」
こちらはイケメン執事と美人メイドをそろえた思春期のハートキャッチ作戦できたか。
爛れてやがる。
俺的にはテニス部のイメージダウンだ。
部活動は爽やかでクリーンな女子の胸がキュンとなるような、そんなモテ要素が重要なのに。
こんな大学のヤリサーみたいな爛れたイメージ戦略では高校生という限られた時間をエンジョイできないぞ。
「ここは俺の好みじゃないな」
「うーん、僕もちょっと苦手」
「俺もこういうチャラチャラしたのは…」
ということでVIP席に通される前におさらばした。
こんなことではテニス部以上にチャラチャラしてそうなバスケ部、サッカー部はどんなことになってしまっているんだ。
入りたいかどうかは別にして、ちょっとだけ興味ある。
ということでバスケ部。
「いらっしゃい!」
意外なことにも出迎えてくれたのは髪を短く切りそろえたバスケ部の先輩方本人たちだった。
「じゃあ、あっちでジャージ貸し出してるから着替えてきて」
まさかの体験入部だ。
この部、けっこう本気で部活動しておる。
そんなわけで着替えた俺達は先輩たちに混ざって練習しているわけだが、この人たちガチすぎるだろ。
体験入部で体育館30周のランニングから始まるなんて聞いてないよ。
その後、軽く5対5のゲームに混ぜてもらいバスケ部を後にした。
もうへとへと。
「あれじゃ本気の奴しか入らないだろ」
「いや、本来はそっちが正しいんじゃ?」
「そうだね」
それにしても疲れた。
中村は運動神経よさそうだと思っていたけど、雪村も意外なことに運動神経よかった。
俺は別に運動神経悪いわけじゃないんだ。
普通なだけだ。
「次はサッカー部か…。どうする?」
「見るだけ見とくか」
「そうだね。楽しそうな可能性もあるからね」
というわけでサッカー部、行ったけどすぐ帰ってきた。
なんかメイドさんたちの露出が多かったと記憶している。
青少年の育成には多大な悪影響を及ぼすよ、あのおっぱいは。
けしからん。
まったくもってけしからんね。
サッカー部はどこのボールをころころしてるんだろうね。
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