殿方逢瀬(短編集)

九条 いち

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店員さん~?~

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 店員さんは180㎝ぐらいある身長で無造作にセットされた栗色の髪をしていた。整った顔立ちに優しげなタレ目が安心感を与える。

 彼の手には派手な名刺があり、さっきのお客さんからもらったんだろうなとすぐ察しがついた。女性人気は店の雰囲気だけじゃなく、この人による功績も大きそうだな。

「いえ……。あの、友人が予約していた物を取りに来たんですけど……」

 私は真由美からもらったスクリーンショットを店員さんに見せる。

「かしこまりました。裏からとってきますので少々お待ちください。よろしかったら店内も見てみてください。意外と面白いものがたくさんありますので。」

 店員さんは微笑んでからバックヤードに向かっていった。

 あたりを見回すとマネキンがかわいらしいメイドさんの服を着ていた。可愛いけど、私には無理だなーと見せる相手もいないのに考えてしまう。

『初心者用!』とポップが貼られた縄を見てドキッとしたり、たしかに友人と訪れるのに面白いお店かもしれない。

お店に慣れてきた頃、棚にお店の商品の人気ランキングがあるのを見つけた。横に実物の商品が陳列されていて、人気の商品が一目瞭然だ。トップ3はすべてディルドだった。小さめの物から、それっぽくないデザインまであった。四位以下は手錠やナースの衣装など、いろいろあった。やっぱり人気なんだなあ。私も一時期欲しかったんだよなあ。

「お待たせしました」

「っ!……!」

この人は物音を立てない人なんだろうか、それとも私が夢中になっていたのか、どちらにしても恥ずかしい。

「あっ、こちらの商品人気ですよ。小さめですし、使い方も簡単ですから。ちょっとコツがあるので説明しますね」

 彼はまったく気にしていない様だった。慣れているか。そう思うと恥ずかしがっている方が恥ずかしいのではと思えてきた。
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