殿方逢瀬(短編集)

九条 いち

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瀬崎さん~口下手な彼~

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彼は優しく私の頭を撫でる。大きな手に包まれて泣きそうになる。

「ああ。ありがとうな」

 どちらからともなく唇を合わせる。彼の舌はザラザラしていて、口内の上側を擦られると背中までゾクゾクと感じてしまう。

「悠衣、動けるか」

 とてもじゃないけど動ける気がしない。首をブンブンと横に振る私に彼は苦笑いをする。

「抜けるか?」

 私はゆっくり膝に力を入れて彼の怒張を抜いていく。ヌプヌプッと音を立てて出ていく彼のモノに感じてしまう。
 何とか抜けて彼の方を見るとベッドに仰向けになるように誘導される。

「痛かったらすぐ言うてくれ」

 瀬崎さんは私の足を広げて密壺に怒張を押し付ける。彼のモノがゆっくりと入ってくるが先ほどの痛みはない。むしろ、さっきのように中を押してほしい。すべて入ると彼の顔が目の前に来る。愛しい彼の顔を見ると中がキュウキュウと疼く。

「悠衣、大丈夫か」

 瀬崎さんは切羽詰まった顔をしていて、額にはうっすらと汗がにじんでいた。
そうだ、瀬崎さんは動きたいだろうに我慢してくれて、私に合わせてくれている。自分のことに精一杯で気づかなかった。

「ごめんなさい、私、瀬崎さんがつらいの気づかなくて」
「俺のことはええんや。それより、どうや、痛くないか?」

私はコクコクと頷く。自分のことを差し置いて私のことを考えてくれる瀬崎さんに申し訳なくなる。

「はあ。そうか。……よかったわ」

 瀬崎さんは私に覆いかぶさって抱きしめる。彼の熱くなった体温が私の体を温めてくれる。

「悠衣、動いてもええか」
「……はい」
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