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エピローグ 私の居場所
53話
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花子さんの凶暴化による、誘拐事件……も解決して。
美琴ちゃんに渡していたお守りも返してもらい、私たちのもとにおだやかな日常が戻ってきた。
「そういえば最近、黒いモヤとか変なものが見えるようになった気がする。小さなおじさんとか」
『ええっ、そうなんですか?』
「やっぱり美琴ちゃん、花子さんと接するようになったから、本格的に見えるようになったのかな?」
「わからない。……でもそうなのかも」
『ひえっ! 私のせい……ですよね? すみませんっすみませんっ!」
「謝らないで花子さん。別に、見えたからと言って嫌なわけじゃないよ」
『みっ美琴さんはもしかして、見えるようになった方が嬉しいんですか?』
「ふふ。美琴ちゃんは、幽霊とか妖怪とかオカルト大好きだもんねー?」
「えぇ、そうね……って、なんで結花が得意げなの?」
「へっ? そ、そうかな」
「うん。私より嬉しそうにしてる」
『うふふ。お二人とも、仲がいいですね』
花子さんの言葉に、私と美琴ちゃんは顔を見合わせる。
「結花は私の友達だから」
「美琴ちゃんは私の友達だから!」
『あははっ、息ぴったりですねお二人とも!』
「もう美琴ちゃん、被せないでよ!」
「結花が被せてきたんでしょう。私じゃない」
「んなっ!」
「──ねぇ、もうツッコでいいよね? ボク、耐えたよね?」
「あぁ。いいよ、星守。充分に待ったと思う」
なにやら口の端をピクピクさせている二人……、星守くんと烈央くん。
「どうしたの? 星守くん。そんな怖い顔して」
「『どうしたの? 星守くん』──じゃないんだよっ! なんで昼休みに! 旧校舎で、トイレの花子さんと仲良くしてんのさ!?」
──そう。私、美琴ちゃん、花子さんの三人で楽しくガールズトークをしていた場所は、旧校舎の教室の一室だ。
カーテンが閉められていて、本校舎から覗かられる心配はないし、花子さんは掃除が好きで綺麗にしてたみたいだから意外と快適なのだ。
ちなみに異空間じゃなくて、ちゃんと本物の旧校舎の方。
ここ最近、昼休みに旧校舎に忍びこんで、円形に置かれた五つの机に座りながらおしゃべりタイムをするのが日課になりつつある。
と言っても、烈央くんと星守くんは今日が初参加だ。
二人はなぜか毎回、昼休みに先生に用事を言いつけられたりとタイミング悪かった。
今日、はれて旧校舎でのガールズトークに見張りとして参加!
でもこのガールズトークは、開催できなくなる危機にあったのを二人は知らない。
この間、夏目先生に「最近、昼休みに見かけませんね?」と言われた時は、それはものすごくドキリとした!
だから旧校舎にくるのは毎日じゃなくて、1日おきになっちゃったの。
『私、嬉しいですっ! こうして、みなさんとお話しできて!』
「花子さん……!」
「結花、鼻水出てる。ふいたら」
「ううっ、ありがどう美琴ちゃん……ズビビ」
──キーンコーンカーンコーン。
ティッシュで鼻をかんでいたらチャイムの音が鳴った。
『あ、もうこんな時間ですか……。さみしいです』
「花子さん、明日も来れたらくるから。無理そうな時は、廊下から手を振るから見てて」
『はいっ、美琴さん!』
「私もどうにかこっそり抜け出してくる! ……寂しいけど、じゃそろそろ教室に戻ろっか」
──ガシリ。
「へ?」
「ゆーかー。忘れてなーい?」
じろりと星守くんが怖い顔で見てくる。
「な、なにかあったっけ……?」
「はぁ。忘れてると思ったぁ!」
「結花ちゃん。俺たち、今日は結界札を貼りに来たんだよ」
「──あっ!!」
思いだした!
今日は旧校舎にお喋りにきただけじゃなくて、ちゃーんと送り屋としてのお仕事に来たんだった!
花子さんが土地から漏れでる瘴気におかされないよう、瘴気を抑えこむ結界札を旧校舎に貼ろうねっていう話になっていたのだ。
「時間もあまりないし、二日に分けようか。今日は二階に数枚貼ってから戻ろう」
「だねー。どっかの誰かさんが、話しこんじゃったからさー?」
「うぐ。ご、ごめんってば! ちゃんとやります!」
「なら、結花。私は先に戻るね」
「うん! またね美琴ちゃん!」
美琴ちゃんとはクラスが違うから、ちょっぴり……ううん、すごく寂しい。
でも花子さんは、私たちがくる休み時間しか話し相手がいないと思ったらもっと寂しいから、口には出さないでおく。
花子さんは美琴ちゃんを見送るらしく、二人で正面玄関に移動していった。
私は、烈央くんと星守くんと二階へ行く。
時間がないから、階段を走って上がるんだけど……。
「ずるいよ、二人ともぉ!」
二人はあやかしの姿になって、五段飛ばしで上っていくものだから追いつかない。
──ツルンッ。
「きゃ──」
二段飛ばしくらいで上っていたら、足を滑らせてしまい天井が見えた。
これ、頭から落ちて怪我をしちゃうやつ……!
痛みを想像して恐怖から、ぎゅっと目を固くつぶる。
──ぐいっ。
体が後ろへ倒れていく感覚がなくなり、かわりに両腕を掴まれた。
「結花ちゃん、大丈夫かい?」
「もう。結花ったら、おっちょこちょいなんだから」
両方から二人が私を支えてくれていた。
二人の顔を見て、ふぅと息をはく。
……なんだろう。
二人がいると、なんでもできちゃうんじゃないかってって思えちゃう。
いつからこんなにも、烈央くんと星守くんが頼もしい存在だって思うようになったのかな。
「ふふっありがとう、烈央くん星守くん!」
二人はやさしく笑う。
「ん、よし。ほーら、急がないと掃除の時間始まっちゃうから行くよ~」
「あ。星守、いい案があるんだけど聞く?」
「あ~待って、言わなくてもわかる」
「ふふ、さすが俺の弟だ」
二人はさっきと打って変わって、ニヤリと悪い笑みを浮かべる。
「な、なになに? なんの話──きゃあっ!?」
両サイドからガシッと肩を組まれた。
至近距離に二人の顔がある……じゃなくてっ!
なにをしようとしてるの!?
「レッツ、ゴ~!」
「ふふ。あやかしの擬似体験だよ、結花ちゃん」
心なしか、烈央くんの語尾が楽しそに弾んでいる。
嫌な予感……は的中して、二人はそのまま一気に五段飛ばしで階段を駆け上がっていった!!
「きゃぁぁぁぁぁぁ!?」
「ははっ、結花うるさーい」
「舌を噛むといけないから、口を閉じた方がいいよ結花ちゃん」
「そんなこと言われても、無理ぃぃぃぃぃぃ!」
悲鳴を上げる私に、二人はケラケラと笑う。
そんな二人を見ると……なんだか私までおかしくなって笑ってしまった。
あやかし双子の烈央くんと星守くん。
あやかしが見える人間の私。
一人ぼっちの私の元へ、ある日二人の狐さんがやってきた。
優しくてカッコよくて頼りになる、でもちょっぴり意地悪な烈央くん。
口は悪いしダラーンとしてるし意地悪だし、でもいざという時は頼り甲斐がある星守くん。
送り屋の二人のお仕事を手伝うようになって、たくさんのあやかしと接するようになった。
自分が欲しかった、のっぺらぼう。
人との縁を大切に覚えている鈴葉様。
伊織さんと乃々ちゃんに、座敷わらしの桜子ちゃん。
私と現世で生きていくことを決めた、ましろ。
ぬらりひょんのおじいさん。
そして、寂しい思いをしていた花子さん。
不思議な縁は、いつどこで誰と繋がっているかわらない。
『──ここが私の居場所なんです』
ふと思う。
私の居場所ってどこうだろう?
──私の居場所。
いまは烈央くんと星守くんの隣だと、私は思った。
美琴ちゃんに渡していたお守りも返してもらい、私たちのもとにおだやかな日常が戻ってきた。
「そういえば最近、黒いモヤとか変なものが見えるようになった気がする。小さなおじさんとか」
『ええっ、そうなんですか?』
「やっぱり美琴ちゃん、花子さんと接するようになったから、本格的に見えるようになったのかな?」
「わからない。……でもそうなのかも」
『ひえっ! 私のせい……ですよね? すみませんっすみませんっ!」
「謝らないで花子さん。別に、見えたからと言って嫌なわけじゃないよ」
『みっ美琴さんはもしかして、見えるようになった方が嬉しいんですか?』
「ふふ。美琴ちゃんは、幽霊とか妖怪とかオカルト大好きだもんねー?」
「えぇ、そうね……って、なんで結花が得意げなの?」
「へっ? そ、そうかな」
「うん。私より嬉しそうにしてる」
『うふふ。お二人とも、仲がいいですね』
花子さんの言葉に、私と美琴ちゃんは顔を見合わせる。
「結花は私の友達だから」
「美琴ちゃんは私の友達だから!」
『あははっ、息ぴったりですねお二人とも!』
「もう美琴ちゃん、被せないでよ!」
「結花が被せてきたんでしょう。私じゃない」
「んなっ!」
「──ねぇ、もうツッコでいいよね? ボク、耐えたよね?」
「あぁ。いいよ、星守。充分に待ったと思う」
なにやら口の端をピクピクさせている二人……、星守くんと烈央くん。
「どうしたの? 星守くん。そんな怖い顔して」
「『どうしたの? 星守くん』──じゃないんだよっ! なんで昼休みに! 旧校舎で、トイレの花子さんと仲良くしてんのさ!?」
──そう。私、美琴ちゃん、花子さんの三人で楽しくガールズトークをしていた場所は、旧校舎の教室の一室だ。
カーテンが閉められていて、本校舎から覗かられる心配はないし、花子さんは掃除が好きで綺麗にしてたみたいだから意外と快適なのだ。
ちなみに異空間じゃなくて、ちゃんと本物の旧校舎の方。
ここ最近、昼休みに旧校舎に忍びこんで、円形に置かれた五つの机に座りながらおしゃべりタイムをするのが日課になりつつある。
と言っても、烈央くんと星守くんは今日が初参加だ。
二人はなぜか毎回、昼休みに先生に用事を言いつけられたりとタイミング悪かった。
今日、はれて旧校舎でのガールズトークに見張りとして参加!
でもこのガールズトークは、開催できなくなる危機にあったのを二人は知らない。
この間、夏目先生に「最近、昼休みに見かけませんね?」と言われた時は、それはものすごくドキリとした!
だから旧校舎にくるのは毎日じゃなくて、1日おきになっちゃったの。
『私、嬉しいですっ! こうして、みなさんとお話しできて!』
「花子さん……!」
「結花、鼻水出てる。ふいたら」
「ううっ、ありがどう美琴ちゃん……ズビビ」
──キーンコーンカーンコーン。
ティッシュで鼻をかんでいたらチャイムの音が鳴った。
『あ、もうこんな時間ですか……。さみしいです』
「花子さん、明日も来れたらくるから。無理そうな時は、廊下から手を振るから見てて」
『はいっ、美琴さん!』
「私もどうにかこっそり抜け出してくる! ……寂しいけど、じゃそろそろ教室に戻ろっか」
──ガシリ。
「へ?」
「ゆーかー。忘れてなーい?」
じろりと星守くんが怖い顔で見てくる。
「な、なにかあったっけ……?」
「はぁ。忘れてると思ったぁ!」
「結花ちゃん。俺たち、今日は結界札を貼りに来たんだよ」
「──あっ!!」
思いだした!
今日は旧校舎にお喋りにきただけじゃなくて、ちゃーんと送り屋としてのお仕事に来たんだった!
花子さんが土地から漏れでる瘴気におかされないよう、瘴気を抑えこむ結界札を旧校舎に貼ろうねっていう話になっていたのだ。
「時間もあまりないし、二日に分けようか。今日は二階に数枚貼ってから戻ろう」
「だねー。どっかの誰かさんが、話しこんじゃったからさー?」
「うぐ。ご、ごめんってば! ちゃんとやります!」
「なら、結花。私は先に戻るね」
「うん! またね美琴ちゃん!」
美琴ちゃんとはクラスが違うから、ちょっぴり……ううん、すごく寂しい。
でも花子さんは、私たちがくる休み時間しか話し相手がいないと思ったらもっと寂しいから、口には出さないでおく。
花子さんは美琴ちゃんを見送るらしく、二人で正面玄関に移動していった。
私は、烈央くんと星守くんと二階へ行く。
時間がないから、階段を走って上がるんだけど……。
「ずるいよ、二人ともぉ!」
二人はあやかしの姿になって、五段飛ばしで上っていくものだから追いつかない。
──ツルンッ。
「きゃ──」
二段飛ばしくらいで上っていたら、足を滑らせてしまい天井が見えた。
これ、頭から落ちて怪我をしちゃうやつ……!
痛みを想像して恐怖から、ぎゅっと目を固くつぶる。
──ぐいっ。
体が後ろへ倒れていく感覚がなくなり、かわりに両腕を掴まれた。
「結花ちゃん、大丈夫かい?」
「もう。結花ったら、おっちょこちょいなんだから」
両方から二人が私を支えてくれていた。
二人の顔を見て、ふぅと息をはく。
……なんだろう。
二人がいると、なんでもできちゃうんじゃないかってって思えちゃう。
いつからこんなにも、烈央くんと星守くんが頼もしい存在だって思うようになったのかな。
「ふふっありがとう、烈央くん星守くん!」
二人はやさしく笑う。
「ん、よし。ほーら、急がないと掃除の時間始まっちゃうから行くよ~」
「あ。星守、いい案があるんだけど聞く?」
「あ~待って、言わなくてもわかる」
「ふふ、さすが俺の弟だ」
二人はさっきと打って変わって、ニヤリと悪い笑みを浮かべる。
「な、なになに? なんの話──きゃあっ!?」
両サイドからガシッと肩を組まれた。
至近距離に二人の顔がある……じゃなくてっ!
なにをしようとしてるの!?
「レッツ、ゴ~!」
「ふふ。あやかしの擬似体験だよ、結花ちゃん」
心なしか、烈央くんの語尾が楽しそに弾んでいる。
嫌な予感……は的中して、二人はそのまま一気に五段飛ばしで階段を駆け上がっていった!!
「きゃぁぁぁぁぁぁ!?」
「ははっ、結花うるさーい」
「舌を噛むといけないから、口を閉じた方がいいよ結花ちゃん」
「そんなこと言われても、無理ぃぃぃぃぃぃ!」
悲鳴を上げる私に、二人はケラケラと笑う。
そんな二人を見ると……なんだか私までおかしくなって笑ってしまった。
あやかし双子の烈央くんと星守くん。
あやかしが見える人間の私。
一人ぼっちの私の元へ、ある日二人の狐さんがやってきた。
優しくてカッコよくて頼りになる、でもちょっぴり意地悪な烈央くん。
口は悪いしダラーンとしてるし意地悪だし、でもいざという時は頼り甲斐がある星守くん。
送り屋の二人のお仕事を手伝うようになって、たくさんのあやかしと接するようになった。
自分が欲しかった、のっぺらぼう。
人との縁を大切に覚えている鈴葉様。
伊織さんと乃々ちゃんに、座敷わらしの桜子ちゃん。
私と現世で生きていくことを決めた、ましろ。
ぬらりひょんのおじいさん。
そして、寂しい思いをしていた花子さん。
不思議な縁は、いつどこで誰と繋がっているかわらない。
『──ここが私の居場所なんです』
ふと思う。
私の居場所ってどこうだろう?
──私の居場所。
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