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第三章 小さな神様の、探し人
24話
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いまでこそ私は、わた毛のあやかしや小さなあやかしは好きだ。
でも一時期はあやかしが見えることが、すごく嫌だったし怖いと思っていた。
けれど見えるからこそ、こうして烈央くんと星守くんとの不思議な縁になったし、悪いことだけじゃなかったって思ってる。
だから佐藤先生にも鈴葉様が見えてほしいって、声が聞こえてほしいってすごく思うのに。
モヤモヤぐるぐると、私の中で大きくなっていく感情に心が追いつかない……。
『結花、近うよれ』
「……っ、はい鈴葉様」
『隠世への門は、祠の前で出してほしいのじゃ。あそこは、妾のお家じゃからの!』
ニパッと笑う鈴葉様。
「そうそう。はやく隠世に行かないと、消えちゃうんじゃない? だってまだ、こーんなにちっこいんだからさ」
『なにをぉ!? お主たちが妾のことを考えてくれたおかげで、昨日から三センチの背が伸びたんじゃぞ! この調子で隠世に行けば、元の大人な妾に返り咲けると言うものよ。星守よりもっと、背が高くなってしまうのぉ? あーはっはっはっ!!』
「──烈央、結花。このエセ神様をはやく隠世に送っちゃおうよ」
『ぎゃ! 離せ無礼者っ! 結花、結花ー! 白い狸が妾をいじめるぅ!』
「誰が白い狸だって!? ボクは狐だ!」
言い合いを始めた二人を見て、私と烈央くんは肩をすくめる。
「まったく、騒がしいんだからあの二人は」
「……ふふ、ほんとだね! あははっ」
「──やっと笑った、結花ちゃん」
烈央くんに言われて、あっと気づく。
私、保健室に入ってから一度も笑ってないかも。
出た後も烈央くんたちの前で、暗い顔をしてたような……。
「──あやかしや神様は、人間と交わらない」
「っ!」
「って星守に言われたんじゃない?」
「ど、どうしてわかったの」
「うーん。そう言われた顔をしていたから、かな?」
……はぐらかされてしまった。
烈央くんは鈴葉様を優しげな瞳で見つめている。
「人間とあやかしじゃ、生きる年月が違う。それは、結花ちゃんもわかるだろう?」
「うん……。でも、それでもっ。少しの間でもいいから、一緒にいたいって思う人もいるんじゃないかな?」
「……置いていかれる方は、ずっと相手を想い、恋焦がれて苦しさでおかしくなる。もう会えないとわかりながらも、自分の命が消えるまで何百年も燃え続ける炎なんて、俺なら耐えられそうにないな」
目を伏せて、いまにも泣きそうな顔をする烈央くん。
ちくり、と胸が痛い。
生きる年月が違ったら……。
じゃあ二人にとって、私と一緒にいた時間はほんの一瞬だったっていつか感じるのかな。
せっかくこうやって烈央くんと星守くんと出会えて、友達になれたのに。
……そんなの嫌だ。
二人においていかれるのも、二人をおいていくのも、どっちも嫌だよ。
「……烈央くん。私、長生きする!」
「結花ちゃん?」
急にふがーと鼻息を荒くして、宣言した私を烈央くんは目をまんまるにしながら見た。
「それでね──あやかしのこともっと知りたい。鈴葉様は土地神様だったけど、人には見えない存在について、もっともっと知りたい! 詳しくなりたい。しわくちゃのおばあちゃんになっても、烈央くんと星守くんに教えてもらうからね!」
私がそう言うと、ピシリと固まってしまった烈央くん。
「おーい。烈央くん?」
「……ふふ、嬉しい」
烈央くんにしては珍しく、へにゃりと笑った。
初めて見る笑顔に、ドキリとする。
「あやかしについて、もっと知りたいんだよね? なら、あやかしを相手にしてる送り屋は君にピッタリだ。ふふ」
「うん、そうだね──へ?」
烈央くんは私の両手をギュッとにぎる。
綺麗な顔を近づけてきて、大きな瞳に私がうつっているのが見えた。
「これから先もずっと、ずーっと。一緒に送り屋として頑張ろうね結花ちゃん」
「え?」
いい話だった気がするのに……いつの間にやら、私が送り家のお手伝いをずっとすることになってない!?
◆◆◆◆◆
「今日こそ、結花の家で遊ぶ──じゃなくて作戦会議ね。ここ数日、忙しくて行けてないしー」
「いま遊ぶって言わなかった? 星守くん」
「気のせいじゃない?」
「俺は、はっきり聞こえたよ」
「烈央は黙ってて。結花なら、ワンチャン聞き逃してるかもしれないんだからっ」
下駄箱で靴を履き替えながら、私たちは今日も今日とてケンカ──じゃなくて意見交換中!
小さな神様、鈴葉様の一件が落ち着いて日常が戻ってきた。
鈴葉様は最後、笑顔で門をくぐりながら隠世の世界に行ったよ。
そして烈央くんと星守くんの二人が、密かに心配していた土地神様の不在。
二人の話を聞いた時はたしかに、封鬼小学校一帯の土地を守っていた神様がいなくなるのは心配だと私も思った。
だけど鈴葉様が隠世に行く前に『隣町の神に、ここら辺も守るよう頼んでおいたから大丈夫じゃ! たぶん!』と、言い残していったの。
そういえば昨日、杖をついて肩で息をしながら裏山の方へいく派手な着物のおじいさんを見かけたけど……。
もしかして、あの人が隣町の土地神様だったりするのかな?
「あら、結花ちゃん」
「──佐藤先生!」
ひらり、と手を振りながら佐藤先生が隣にやってくる。
佐藤先生と話すのは、保健室で会ったあの日以来……一週間ぶりくらいかな。
「気をつけて帰るのよ、三人とも」
「はい!」
「はい」
「はーい」
「ふふ、良い返事ね。……そうだ、結花ちゃん」
「はい?」
「二人で、祠の話をした日があったでしょう? なんだか昔がなつかしくなって次の日、祠に手を合わせに行ったの。でも……祠には誰もいない気がしてね。さようなら、と告げてきたわ」
「そう、ですか……」
佐藤先生が言ったように、もうあの祠には鈴葉様は居ない。
探し求めていた女の子が佐藤先生だとわかったあの日にすぐ、鈴葉様は門をくぐって隠世に行ってしまったから。
佐藤先生は、こちらの様子を伺っている二人をちらりと見て私の耳元に顔を寄せた。
「……友達と裏山に行ったって言ってたわよね? もしかして烈央くんと星守くん? 結花ちゃんったら、モテモテねぇ」
「──へぁ!? い、一緒には行きましたけど、モテてるとかじゃないですっ!」
慌てふためく私を見てころころと笑い、佐藤先生は保健室へ戻っていった。
モテモテねぇ、って……!
そんなんじゃないのに!
二人は、私が巻きこむ形で裏山にやってきたと言うか……!
なんて言い訳を考えても、もう佐藤先生はこの場にいない。
はぁ、と脱力してその場にしゃがみこむ。
「──結花ちゃん、話は終わったかい?」
「なにぼさっとしてんの結花。置いてくよ~」
「あ、待ってよ二人とも!」
人とあやかし。
人と神様。
交わりそうで、絶対に交わらないその二つは本当に違う存在なのかな。
もしも佐藤先生に鈴葉様の姿が見えていたら、隠世へ行ってしまう前に鈴葉様とお話ができたのに、とか。
そんな考えがぐるぐると頭の中でめぐる。
考えたって仕方のないことだとはわかっているけど、そう思わずにはいられなかった。
人である佐藤先生と、神様の鈴葉様。
人の私と、あやかしである烈央くんと星守くん。
不思議な縁というのは、どこで絡みあって引き寄せられるのかわからないものなんだ。
人とあやかし。
人と神様。
誰かを思って涙して、笑うのはどちらも同じなんだと私は思った。
でも一時期はあやかしが見えることが、すごく嫌だったし怖いと思っていた。
けれど見えるからこそ、こうして烈央くんと星守くんとの不思議な縁になったし、悪いことだけじゃなかったって思ってる。
だから佐藤先生にも鈴葉様が見えてほしいって、声が聞こえてほしいってすごく思うのに。
モヤモヤぐるぐると、私の中で大きくなっていく感情に心が追いつかない……。
『結花、近うよれ』
「……っ、はい鈴葉様」
『隠世への門は、祠の前で出してほしいのじゃ。あそこは、妾のお家じゃからの!』
ニパッと笑う鈴葉様。
「そうそう。はやく隠世に行かないと、消えちゃうんじゃない? だってまだ、こーんなにちっこいんだからさ」
『なにをぉ!? お主たちが妾のことを考えてくれたおかげで、昨日から三センチの背が伸びたんじゃぞ! この調子で隠世に行けば、元の大人な妾に返り咲けると言うものよ。星守よりもっと、背が高くなってしまうのぉ? あーはっはっはっ!!』
「──烈央、結花。このエセ神様をはやく隠世に送っちゃおうよ」
『ぎゃ! 離せ無礼者っ! 結花、結花ー! 白い狸が妾をいじめるぅ!』
「誰が白い狸だって!? ボクは狐だ!」
言い合いを始めた二人を見て、私と烈央くんは肩をすくめる。
「まったく、騒がしいんだからあの二人は」
「……ふふ、ほんとだね! あははっ」
「──やっと笑った、結花ちゃん」
烈央くんに言われて、あっと気づく。
私、保健室に入ってから一度も笑ってないかも。
出た後も烈央くんたちの前で、暗い顔をしてたような……。
「──あやかしや神様は、人間と交わらない」
「っ!」
「って星守に言われたんじゃない?」
「ど、どうしてわかったの」
「うーん。そう言われた顔をしていたから、かな?」
……はぐらかされてしまった。
烈央くんは鈴葉様を優しげな瞳で見つめている。
「人間とあやかしじゃ、生きる年月が違う。それは、結花ちゃんもわかるだろう?」
「うん……。でも、それでもっ。少しの間でもいいから、一緒にいたいって思う人もいるんじゃないかな?」
「……置いていかれる方は、ずっと相手を想い、恋焦がれて苦しさでおかしくなる。もう会えないとわかりながらも、自分の命が消えるまで何百年も燃え続ける炎なんて、俺なら耐えられそうにないな」
目を伏せて、いまにも泣きそうな顔をする烈央くん。
ちくり、と胸が痛い。
生きる年月が違ったら……。
じゃあ二人にとって、私と一緒にいた時間はほんの一瞬だったっていつか感じるのかな。
せっかくこうやって烈央くんと星守くんと出会えて、友達になれたのに。
……そんなの嫌だ。
二人においていかれるのも、二人をおいていくのも、どっちも嫌だよ。
「……烈央くん。私、長生きする!」
「結花ちゃん?」
急にふがーと鼻息を荒くして、宣言した私を烈央くんは目をまんまるにしながら見た。
「それでね──あやかしのこともっと知りたい。鈴葉様は土地神様だったけど、人には見えない存在について、もっともっと知りたい! 詳しくなりたい。しわくちゃのおばあちゃんになっても、烈央くんと星守くんに教えてもらうからね!」
私がそう言うと、ピシリと固まってしまった烈央くん。
「おーい。烈央くん?」
「……ふふ、嬉しい」
烈央くんにしては珍しく、へにゃりと笑った。
初めて見る笑顔に、ドキリとする。
「あやかしについて、もっと知りたいんだよね? なら、あやかしを相手にしてる送り屋は君にピッタリだ。ふふ」
「うん、そうだね──へ?」
烈央くんは私の両手をギュッとにぎる。
綺麗な顔を近づけてきて、大きな瞳に私がうつっているのが見えた。
「これから先もずっと、ずーっと。一緒に送り屋として頑張ろうね結花ちゃん」
「え?」
いい話だった気がするのに……いつの間にやら、私が送り家のお手伝いをずっとすることになってない!?
◆◆◆◆◆
「今日こそ、結花の家で遊ぶ──じゃなくて作戦会議ね。ここ数日、忙しくて行けてないしー」
「いま遊ぶって言わなかった? 星守くん」
「気のせいじゃない?」
「俺は、はっきり聞こえたよ」
「烈央は黙ってて。結花なら、ワンチャン聞き逃してるかもしれないんだからっ」
下駄箱で靴を履き替えながら、私たちは今日も今日とてケンカ──じゃなくて意見交換中!
小さな神様、鈴葉様の一件が落ち着いて日常が戻ってきた。
鈴葉様は最後、笑顔で門をくぐりながら隠世の世界に行ったよ。
そして烈央くんと星守くんの二人が、密かに心配していた土地神様の不在。
二人の話を聞いた時はたしかに、封鬼小学校一帯の土地を守っていた神様がいなくなるのは心配だと私も思った。
だけど鈴葉様が隠世に行く前に『隣町の神に、ここら辺も守るよう頼んでおいたから大丈夫じゃ! たぶん!』と、言い残していったの。
そういえば昨日、杖をついて肩で息をしながら裏山の方へいく派手な着物のおじいさんを見かけたけど……。
もしかして、あの人が隣町の土地神様だったりするのかな?
「あら、結花ちゃん」
「──佐藤先生!」
ひらり、と手を振りながら佐藤先生が隣にやってくる。
佐藤先生と話すのは、保健室で会ったあの日以来……一週間ぶりくらいかな。
「気をつけて帰るのよ、三人とも」
「はい!」
「はい」
「はーい」
「ふふ、良い返事ね。……そうだ、結花ちゃん」
「はい?」
「二人で、祠の話をした日があったでしょう? なんだか昔がなつかしくなって次の日、祠に手を合わせに行ったの。でも……祠には誰もいない気がしてね。さようなら、と告げてきたわ」
「そう、ですか……」
佐藤先生が言ったように、もうあの祠には鈴葉様は居ない。
探し求めていた女の子が佐藤先生だとわかったあの日にすぐ、鈴葉様は門をくぐって隠世に行ってしまったから。
佐藤先生は、こちらの様子を伺っている二人をちらりと見て私の耳元に顔を寄せた。
「……友達と裏山に行ったって言ってたわよね? もしかして烈央くんと星守くん? 結花ちゃんったら、モテモテねぇ」
「──へぁ!? い、一緒には行きましたけど、モテてるとかじゃないですっ!」
慌てふためく私を見てころころと笑い、佐藤先生は保健室へ戻っていった。
モテモテねぇ、って……!
そんなんじゃないのに!
二人は、私が巻きこむ形で裏山にやってきたと言うか……!
なんて言い訳を考えても、もう佐藤先生はこの場にいない。
はぁ、と脱力してその場にしゃがみこむ。
「──結花ちゃん、話は終わったかい?」
「なにぼさっとしてんの結花。置いてくよ~」
「あ、待ってよ二人とも!」
人とあやかし。
人と神様。
交わりそうで、絶対に交わらないその二つは本当に違う存在なのかな。
もしも佐藤先生に鈴葉様の姿が見えていたら、隠世へ行ってしまう前に鈴葉様とお話ができたのに、とか。
そんな考えがぐるぐると頭の中でめぐる。
考えたって仕方のないことだとはわかっているけど、そう思わずにはいられなかった。
人である佐藤先生と、神様の鈴葉様。
人の私と、あやかしである烈央くんと星守くん。
不思議な縁というのは、どこで絡みあって引き寄せられるのかわからないものなんだ。
人とあやかし。
人と神様。
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