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第四章 大型連休は遊園地デートです!?

35話 遊園地にハプニングはつきもの?《side帝》 2

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 顔を赤くする神城かみしろさんを見ると、なぜか胸のあたりがザワリとする。

「ひゅー、やるじゃんマオ」
「……もう帰ろうひいらぎくん。だいたい、尾行なんてやらないほうが良い」
「え、待って! 待ってよミカド!」

 列を抜けようすると、ひいらぎくんにガシッと抱きつかれる。
 瞳をうるうるさせて、上目づかい。
 可愛らしいが、僕にやっても意味がないと思う。

「二人のことも気になるけど、フツーに遊びたいじゃん遊園地!!」
「……それが本当の目的に感じるぞ? ひいらぎくん」
「へへ、バレた? ほら、列が進んだよ」
 
 跳ねるように列を進むひいらぎくんに、ため息をつく。

 ──ポン。
 瀬尾せおくんが、僕の肩に手を置いた。

「どうした、瀬尾せおくん……?」
柚瑠ゆずるが満足するまで、付き合うしかないね。俺たち」
「あぁ、そうだね……」

◇◇◆◇◇

 ジェットコースターに乗ったあと、神城かみしろさんたちは少し休憩をしてまたアトラクションへと向かった。

 お昼頃。
 神城かみしろさんと黒羽くろばねは、屋台で買ったものを外のテーブルで食べている。
 僕たちも離れたところで昼食をとった。

「ん~、おいしいっ。ミカドもはやく食べなよ、お腹すいてないの?」
「早食いはよくないぞ、ひいらぎくん」
「ミカド、お母さんみたーい。ボクはミカドの子供じゃないんだからねー」
天内あまないくん、……それおいしい?」
「え? あぁ、おいしいよ」
「一口もらってもいい? 俺のもあげるから」
「あ! カイリずるいよ、ボクもミカドのを狙ってたのに」
「……君たちなぁ、そんなに食べたいなら同じのをたのめばよかっただろう?」

 僕がそう言うと、二人は顔を見合わせて肩をすくめる。

「そういうんじゃないよねぇ? カイリ」
「うん。俺らは、一口だけ食べたいんだよ」
「そ、そういうものなのか?」

 ため息をつきながら、僕は二人に一口ずつわける。
 僕たちはゆっくりと昼食を楽しんだ。
 ちゅー、とストローをくわえていた瀬尾くんが何かに気づく。

「あ、マオたち移動するみたいだよ」
「本当? ならボクたちも行くかー」
ひいらぎくん、ちょっと尾行にきてないか?」
 
 やや尾行に飽きているひいらぎくんをつれて、僕たちもこの場をあとにした。


 ────のだが。

「(神城かみしろさんを一人にして、黒羽くろばねはいったいどこをほっつき歩いているんだ!)」


 なんと神城かみしろさんが黒羽くろばねとはぐれてしまった。
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