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第四章 大型連休は遊園地デートです!?

27話 秘密の男子会《side魔央》 1

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 週末の一華いちかとのデートをひかえた、金曜日の夜。
 俺は本を読みながら、部屋でゆっくりしていた。 

 ──コンコン。
 窓から音がする。

「(……嫌な予感しかしないんだけど?)」

 めていたカーテンをあけると、外には人影が。

柚瑠ゆずる?」

 柚瑠ゆずるが「マオー、窓あけて?」と、窓の外に浮かんでいた。
 窓を開ければ、ベランダに靴を脱いで部屋に入ってくる。
 続けて界李かいりも入ってきた。
   
「やっほー、マオ! 遊びに来た……じゃなくて! 作戦会議にきたよ!」
「わざわざ俺の部屋で、なんの作戦会議?」
「なんのって、そりゃ『一華いちかとの遊園地デート』だよ。ね、カイリ!」
「俺はただ、柚瑠ゆずるにつれてこられた……だけ」 
「……帰ってもらっていい?」
「ちょ、そんなこと言わないでよっマオ!」

 界李かいりを盾にして、一歩も動かない柚瑠ゆずる
 この二人はいいとして……。
 まだ窓の外には、一人分の気配があった。

「遊びに来るのはいいんだけど。──なんで天内あまないもいるわけ?」
「っ!!」
「入ってきなよ。ずっと外にいられると、俺も嫌なんだけど?」
  
 そろりと部屋に入ってきた天内あまない
 どこか表情が硬い。

「……嫌なら、来なきゃよかったのに」
「僕はっ、ひいらぎくんに連れられてきただけで!」
「意見を聞くなら、人が多い方がいいと思って。まぁ、いいじゃん! ほら、座ってミカド」
「ここ、俺の家なんだけど? ……って聞いてないか」

 柚瑠ゆずる界李かいり天内あまないは座ってくつろぎ始めた。
 俺はため息を一つついて、読んでいた本を棚に戻す。

「なにか飲み物持ってくるよ。希望は?」
「ボク、炭酸!」
「俺、コーヒー牛乳」
「……僕は、できればお茶で」
了解りょうかい


 炭酸、コーヒー牛乳、お茶……。
 頭の中で復唱ふくしょうしながら扉をあけると、父さんが立っていた。

「うわっ、びっくりした……。帰ってたの? 父さん」
「あぁ」
「…………」
「…………」
「(なんで動かないんだ?)」

 父さんはなぜか、俺の部屋の前から動かない。
 いま、会話は終わったと思ったんだけどな。

「ねぇ、父さ……」
「あー! タツマさん!!」

 俺が扉の前から動かないことに気づいた柚瑠ゆずるが、タタッとこっちに走って来た。
 柚瑠ゆずるは俺の父さんを尊敬そんけいしているらしい。
 髪型だって父さんが左側を耳にかけていると、同じように左側をヘアピンでとめて真似まねしている。
 父さんは、ヘアピンなんて可愛いモノはつけていないけどね。

「来ていたのか柚瑠。……小さくなったか?」
「ええっ!?」

 ──ガーン。
 空いた口が塞がらない様子の柚瑠ゆずる
 とてつもないショックを受けたようだ。
 身長を気にしている柚瑠ゆずるに、その言葉のチョイスはないよ父さん……。
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