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マリスの恋人たち
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僕はなぜか怒りながら、マリスの寝言を聞いていた。
「んんー、ミヒロ愛してる……」
今更僕の名前を出されても信用しないからなっ。と思っていると
「みんな、可愛いなぁ……」
みんな??どういうこと?
「アイ、いいのかな妾がこんなにいて?むにゅむにゅ」
コイツ、侍女全員お手つきにしているんじゃないか?
朝が来る。一睡もできなかった……。
「寝言で?そんなことを私が?」
マリスは微笑んでしばらくの沈黙。
「姫は私のことなどどうでも良いのかと思っておりましたが、これはなかなか」
マリスはそのあと小声で
「脈ありということなのでしょうかね?」
と続ける。
「私は姫のことを愛しております。あなたは世界を救う。世界を愛するのは当然のことです」
そうか、つまりコイツは世界を救うためだけに僕を抱くつもりだったのか。
「絶交です」
と僕はマリスに告げる。
あれ、涙がでてくる。さっきまで悩んでいた自分がバカのようだ。
なぜなのか、体が女性になったことで僕の心はかなりの影響を受けているようだった。
僕は部屋を飛び出すと宮殿の庭を歩き回った。イライラしながら。
するとあのロン毛の賢者が庵の中で本を読んでいるのが見えた。
コイツにもかかわらんようにしよう。
と思っていたのだが。
「世界の姫は勇者を産む。その役目を果たせない時、我々は死に絶え姫も死ぬ。なぜなら世界は死ぬからだ」
などブツブツ言っているのが聞こえた。
そっか、死ぬのか。僕も世界も。アイツもコイツだ。
どのぐらいの猶予があるのだろうか?
それぐらい聞いてみてもいいだろう?と思いロン毛に近づいていった。
「おい、そこのロン毛」
「私の名前は、アイ=ユニバース。世界を映す眼という意味の賢者です。何用かな?」
とロン毛は厳かに言った。
「もし、世界を救う子を私が宿さなかった時、世界は滅びるのだろ?どのぐらいで?その猶予はどのぐらいある?」
と聞くとロン毛は
「そうですな、次の吉日がラストチャンスでしょう。つまり一月」
と応えた。
「1ヶ月しかないのか。では私がそれを拒んだら?私を手篭めにするとかない?」
「真実の愛で結ばれたときのみ子を宿すことができます。あなたに強要はいたしませぬよ」
とロン毛。
「でもアイツさ、浮気しているじゃん、寝言で言ってたけど。もう無理ゲーなんじゃ」
と笑う僕。もう笑うしかないよ。なにが真実の愛だ。
「王子は一度に複数の女性を心から愛せるお方なのです」
そう来たか!それは都合よすぎないか?男の言い訳、あるあるじゃねーか!
ロン毛は
「疑っておりますね。姫。ではこう考えてはいかがでしょう。姫が子を宿した時は伝承から、それが真実の愛であったことが証明されると。どのみち、我々はそれにかけるしかない。王子は同時に何人でも真心を込めて女性を愛することができるお方なのですよ」
「狂っている!」
僕はあまりにいい加減な、この男どもの主張に怒り心頭だった。
コイツらに心から反省させるにはどうすればいい?
僕はその時、ステイシーと浮気したときの自分の気持ちを忘れていた。
自分も麻里を愛していた。ステイシーも愛していた。
そして、許しがたいことに、自分すら許せぬぐらい、その男の習性に腹を立てていた。今に女の怖さを王子とロン毛に思い知らせてやる。
そうだ侍女たちに話してみよう。みんなきっと騙されていることに気づけば協力してくれるはず!そう思って僕は侍女たちの控え室へと足を向けた。
「んんー、ミヒロ愛してる……」
今更僕の名前を出されても信用しないからなっ。と思っていると
「みんな、可愛いなぁ……」
みんな??どういうこと?
「アイ、いいのかな妾がこんなにいて?むにゅむにゅ」
コイツ、侍女全員お手つきにしているんじゃないか?
朝が来る。一睡もできなかった……。
「寝言で?そんなことを私が?」
マリスは微笑んでしばらくの沈黙。
「姫は私のことなどどうでも良いのかと思っておりましたが、これはなかなか」
マリスはそのあと小声で
「脈ありということなのでしょうかね?」
と続ける。
「私は姫のことを愛しております。あなたは世界を救う。世界を愛するのは当然のことです」
そうか、つまりコイツは世界を救うためだけに僕を抱くつもりだったのか。
「絶交です」
と僕はマリスに告げる。
あれ、涙がでてくる。さっきまで悩んでいた自分がバカのようだ。
なぜなのか、体が女性になったことで僕の心はかなりの影響を受けているようだった。
僕は部屋を飛び出すと宮殿の庭を歩き回った。イライラしながら。
するとあのロン毛の賢者が庵の中で本を読んでいるのが見えた。
コイツにもかかわらんようにしよう。
と思っていたのだが。
「世界の姫は勇者を産む。その役目を果たせない時、我々は死に絶え姫も死ぬ。なぜなら世界は死ぬからだ」
などブツブツ言っているのが聞こえた。
そっか、死ぬのか。僕も世界も。アイツもコイツだ。
どのぐらいの猶予があるのだろうか?
それぐらい聞いてみてもいいだろう?と思いロン毛に近づいていった。
「おい、そこのロン毛」
「私の名前は、アイ=ユニバース。世界を映す眼という意味の賢者です。何用かな?」
とロン毛は厳かに言った。
「もし、世界を救う子を私が宿さなかった時、世界は滅びるのだろ?どのぐらいで?その猶予はどのぐらいある?」
と聞くとロン毛は
「そうですな、次の吉日がラストチャンスでしょう。つまり一月」
と応えた。
「1ヶ月しかないのか。では私がそれを拒んだら?私を手篭めにするとかない?」
「真実の愛で結ばれたときのみ子を宿すことができます。あなたに強要はいたしませぬよ」
とロン毛。
「でもアイツさ、浮気しているじゃん、寝言で言ってたけど。もう無理ゲーなんじゃ」
と笑う僕。もう笑うしかないよ。なにが真実の愛だ。
「王子は一度に複数の女性を心から愛せるお方なのです」
そう来たか!それは都合よすぎないか?男の言い訳、あるあるじゃねーか!
ロン毛は
「疑っておりますね。姫。ではこう考えてはいかがでしょう。姫が子を宿した時は伝承から、それが真実の愛であったことが証明されると。どのみち、我々はそれにかけるしかない。王子は同時に何人でも真心を込めて女性を愛することができるお方なのですよ」
「狂っている!」
僕はあまりにいい加減な、この男どもの主張に怒り心頭だった。
コイツらに心から反省させるにはどうすればいい?
僕はその時、ステイシーと浮気したときの自分の気持ちを忘れていた。
自分も麻里を愛していた。ステイシーも愛していた。
そして、許しがたいことに、自分すら許せぬぐらい、その男の習性に腹を立てていた。今に女の怖さを王子とロン毛に思い知らせてやる。
そうだ侍女たちに話してみよう。みんなきっと騙されていることに気づけば協力してくれるはず!そう思って僕は侍女たちの控え室へと足を向けた。
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