勇者断罪物語

ちば防蟲

文字の大きさ
上 下
14 / 17

#14 2話「優秀な部下ほど、メガネ属性」Part5

しおりを挟む
「さて・・・・食事も終了致しましたし、本題へと移りましょう」


クラウス博士は煮込みハンバーグタイム中に、外していた黒メガネをかけ直してから、食器を洗っているサイトに対して話しかけた。微妙に変化した表情からは「真面目にやるよな?」という、圧が感じられる。


「ハイハイ、分かったよ。でも、わざわざ場所移動するのは面倒だから、ここでいいか」と洗い物を途中で、切り上げ調理場越しにカウンターを見下ろすサイト。


ちゃんとした会議室はあるのだが、食後だからか気が緩んでるらしい。クラウス博士は「ッ!こいつめ」と微妙に表情を歪めている。そこで、いつも真面目で礼儀正しいハギから、「自覚を持て!」と注意して貰おうと左隣に顔を向けたが・・・・。


そこには、偽装が溶けたままの腑抜けがいた。尻尾がゆらゆらと揺れ、獣耳は、垂れている。表情は・・・・カウンターに突っ伏している為、見ることができないが、満足気であることは理解できた。


そんなにも、煮込みハンバーグが美味しかったのか?それとも、何か混入しているのではないか?と自分も食した作品について疑問符を打ち上げるクラウス博士であった。


ハギがこんな状態なので、期待はしていないが他の二人の方に顔を向けてみた。案の定、ハギと同様の煮込みハンバーグ中毒状態であったので、(何だ、これは。私が間違っているのか?)と自分の味覚や価値観について、追加で疑問符を打ち上げた。


付き合いは長い方だと思ってはいたのだが、少し疎外感を感じてしまって、寂しくなるクラウス博士であった。





「はい!顔を上げる。俺の神料理が美味しすぎて、気が抜けてしまうのは、仕方のないことだが!

あとで、アイスクリームを出して上げるから、食の世界に浸るのは後な」とサイトは中毒症状を発症しているハギ達を正気に戻すため甘い餌をチラつかせた。


「さぁ、会議をしましょう」

「会議好き~~」

「会議に参加しまっす!」


とサイトの一言を聞いた三人は一瞬で立ち直った。それを横で眺めているクラウス博士。ソウはともかくとして、ハギとサクラは組織の重要人員だと思うのだが・・・と呆れた。


「よし!いい返事だ。では、進行はクラウス、頼んだ!」


「はぁぁぁ~~~。本来はハギの仕事だと思うのですが。分かりました。やりましょう」とクラウス博士は反論するのも面倒という結論に至ったため、カウンターに自分専用端末を展開させた。


ちなみにクラウス専用端末は、液晶画面が空中に浮いている仕様となっており、幹部用端末の上位スペックとなっている。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スラムの悪ガキが異世界転生ソロ冒険者の物を盗んだら一緒に旅をすることに!?

和吉
ファンタジー
スラム育ちの悪ガキがいつものようにスリをしたら相手は異世界転生したソロ冒険者だった。どうやら盗んだ物は大事なものだったようでしつこく追いかけてくるが、スラムで育った俺の速さを舐めるなよ! 撒いてやると思ったけど、どれだけ逃げても先回りしてきて捕まる寸前盗んだ物を投げ返しなんとか逃げられた。だけど、それからつき纏われて何だかんだと冒険者と一緒に旅をすることに。買い物?盗めばいいだろ、計算?なんだそれ、生き残るためならなんだってやるさ!俺は一人で生きられるんだ、だから構ってくるんじゃねぇ! 本当に外の世界を見せてくれるのか?一緒に行っても良いんだな?やった!一緒に色々な場所見て周ろうぜ!綺麗な場所や見たことの無い生き物が沢山いる場所に行ってみたいな! スラムの悪ガキで盗人が冒険者と出会った事で、人として成長しベテランのシーフにまで成り上がるドタバタ成り上がり冒険譚。冒険者と旅をして、多くの人と出会い経験を積んだ彼はやがて・・・・

ダンジョン・クライシス〜底辺をさまよっていた攻略者の少年。ダンジョン攻略中に覚醒した力《アオギリ》で世界を覆します!〜

ハヤサカツカサ
ファンタジー
「神に抗え、攻略者たちよ。非日常が日常に取って代わるダンジョンで」 魔術とダンジョンが存在する世界。魔術が使えない少年ナインはダンジョンへ挑む者たちが攻略者と呼ばれる世界で生きていた。生活のため、貧民街で暮らしながら攻略者としてダンジョンに潜り続けて結晶を集める日々を送る中、野盗に追われていた国の皇女殿下を偶然にも助けてしまう。皇帝の娘であるはずの皇女がどうして貧民街などに来たのだろう…… 理由を尋ねる少年。彼女の口から紡がれたのは、 殺害された彼女の母親、つまり皇后がこれまで密かに帝国各地のダンジョンに潜っていたことがあったため、そこに殺された理由があるのではないかと考え、その手がかりを探しに彼女自身もダンジョンに挑むためにやってきたというのだった。ダンジョンに一人で挑もうなど無謀すぎる。皇女が目指していたのは潜り慣れていたダンジョンということもあり、少年は仕方なく皇女をダンジョンに案内することになる。だが潜り慣れていたはずのダンジョンで目にしたのは皇后が遺した、ダンジョンにまつわる秘密の一端だった。 これはかつて神に挑み、仲間を全てを失った少年が魔術の才能を持つ皇女と出会った日を境に世界の常識を覆していく物語。

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

名前を書くとお漏らしさせることが出来るノートを拾ったのでイジメてくる女子に復讐します。ついでにアイドルとかも漏らさせてやりたい放題します

カルラ アンジェリ
ファンタジー
平凡な高校生暁 大地は陰キャな性格も手伝って女子からイジメられていた。 そんな毎日に鬱憤が溜まっていたが相手が女子では暴力でやり返すことも出来ず苦しんでいた大地はある日一冊のノートを拾う。 それはお漏らしノートという物でこれに名前を書くと対象を自在にお漏らしさせることが出来るというのだ。 これを使い主人公はいじめっ子女子たちに復讐を開始する。 更にそれがきっかけで元からあったお漏らしフェチの素養は高まりアイドルも漏らさせていきやりたい放題することに。 ネット上ではこの怪事件が何らかの超常現象の力と話題になりそれを失禁王から略してシンと呼び一部から奉られることになる。 しかしその変態行為を許さない美少女名探偵が現れシンの正体を暴くことを誓い…… これはそんな一人の変態男と美少女名探偵の頭脳戦とお漏らしを楽しむ物語。

七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん
ファンタジー
異世界に勇者として召喚されたコテツ。 しかし本人も知らない所で女神の不興を買い、勇者を剥奪されS級ダンジョンに放り込まれる。 説明も何もない状態からのダンジョンスタート。 いきなり強敵に囲まれた状態から、とりあえずダンジョン脱出を目指すコテツであった。                  ―――これは、のちに白と黒と呼ばれ恐れられる二人の物語。                     小学生+暴走族という異色のコンビが大活躍する正統派ファンタジー小説、ここに爆誕!        (※ガチャを引く回の熱い盛り上がりは必見です!ガチャは話の流れで比較的序盤に登場します。自信を持ってお届け出来る設定だと思いますので、どうかそれまでコテツにお付き合い下さい。)

婚約破棄される悪役令嬢ですが実はワタクシ…男なんだわ

秋空花林
BL
「ヴィラトリア嬢、僕はこの場で君との婚約破棄を宣言する!」  ワタクシ、フラれてしまいました。  でも、これで良かったのです。  どのみち、結婚は無理でしたもの。  だってー。  実はワタクシ…男なんだわ。  だからオレは逃げ出した。  貴族令嬢の名を捨てて、1人の平民の男として生きると決めた。  なのにー。 「ずっと、君の事が好きだったんだ」  数年後。何故かオレは元婚約者に執着され、溺愛されていた…!?  この物語は、乙女ゲームの不憫な悪役令嬢(男)が元婚約者(もちろん男)に一途に追いかけられ、最後に幸せになる物語です。  幼少期からスタートするので、R 18まで長めです。

異世界で魔法使いとなった俺はネットでお買い物して世界を救う

馬宿
ファンタジー
30歳働き盛り、独身、そろそろ身を固めたいものだが相手もいない そんな俺が電車の中で疲れすぎて死んじゃった!? そしてらとある世界の守護者になる為に第2の人生を歩まなくてはいけなくなった!? 農家育ちの素人童貞の俺が世界を守る為に選ばれた!? 10個も願いがかなえられるらしい! だったら異世界でもネットサーフィンして、お買い物して、農業やって、のんびり暮らしたいものだ 異世界なら何でもありでしょ? ならのんびり生きたいな 小説家になろう!にも掲載しています 何分、書きなれていないので、ご指摘あれば是非ご意見お願いいたします

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

処理中です...