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 咄嗟に、近くにあった患者が荷物を置くためのものらしい金属製の脚の籠を男に投げつける。殆ど殴りつける様な形で叩きつけたそれは、ガタイのいい男にダメージを与えるまではいかなかったが、十分怯ませることはできた。男が頭を庇って腕を上げ首を竦めている隙に、大きく開かれた扉の隙間から廊下へと飛び出す。勢いもそのまま適当な方向に向かって走り出した。
「おい、待て!」
 後ろから迫る声にも振り向かずただひたすらに走る。何度でも言おう。俺は足が速い。この場合は追跡者が追いつけない程に。病院の廊下を走るのは気が引けるが、背に腹は変えられなかった。どこかの扉や曲がり角から人が出てきてぶつからないように願いながら、廊下を全速力で駆ける。向かう方向なんて考えてない。行き当たりばったり、矢鱈滅多ら走った。
 曲がり角をいくつも曲がり、階段を2度降りたが、後ろからの怒声と追いかける足音はなくならない。どうやら追いかける男の方もデカい図体に似合わず随分足に自信があるようだ。だが、気配から察するに距離はつかず離れずと言ったところ。俺がヘマをしなければこのまま逃げ切れる。
 ところが、俺は今1番やってはならないそのヘマとやらを、俺はやらかしてしまった。もう何度目かもわからない曲がり角を曲がり、目の前に飛び込んできた光景に慌てて急ブレーキをかける。行き止まりだ。しかも、非常階段もなくて、壁一面窓のタイプの。バッとうしろを振り向くと、男はもう俺に追いついて、ハァハァと荒い息をしながらも、今度こそ逃がすまいと油断なく手を広げ俺に近寄ってきていた。
 来た道はもう戻れない。ならば、残された道は1つだけ。一かバチか、窓に駆け寄って鍵を開ける。はめ殺し式でなくてよかった。窓の外を見ると、運のいいことに願った通り足場になりそうな出っ張りがある。少し下だが問題ない。飛び降りればいいのだ。躊躇うことなく窓枠に足をかけた。
「っ!? バカ、お前何してる!」
 追い詰められた俺が地面に向けて飛び降りようとしているとでも思ったのだろうか。焦る男の声を背中に受けながら、俺は窓枠から躍り出て出っ張りへと足をかけた。直ぐさま、男に捕まらないように壁にへばりつく様にして窓から遠ざかる。数瞬遅れて慌てた様子で男が窓から顔を出し、下を見てから壁にへばりついている俺に気がつく。
「クソッ、コノヤロウ! おいっ、こっちに戻ってこい!」
 誰が戻るか! バーカ! 戻って捕まったが最後、俺は不妊手術を受けさせられるんだろ? 知ってるぞ。全部聞いてたからな! したくもないことをされるのを知った上で、誰が戻るかってんだ!
 心中威勢はいいが、声には出さない。男に怒鳴り返すことは簡単だが、腹から大声を出すには、見たところ幅10センチもない今の足場はあまりにも心ともなく思えたのだ。それよりも窓から落ちんばかりの勢いで体を乗り出し、俺を捕まえようとする男の手から逃れる方が先決だろう。ニジリ、ニジリと足を擦る様に慎重に男から遠ざかる。よし、どう足掻いても男が窓にへばりついている限り、俺に手出しできない距離まで離れられたぞ。
 だが、問題はここからだ。男の手から逃れて窓から遠ざかったということはつまり、この場所へと至った唯一の出入口からも遠ざかったということでもある。地上からは目算約10メートル程。思い切って飛び降りるには些か……いや、かなり高い。一かバチか飛び降りてそのまま逃げられたらいいが、俺の身体能力からしてどう考えても足に怪我をして1歩も進めないままそこで捕まること請け合いだ。ここまで往生際悪く足掻いておいて、そんな間抜けな終わり方は絶対にしたくない。何より今の俺は2人分の命の責任があるかもしれない身の上だ。軽率なことはできない。
 しかし、いつまでもこうしている訳にはいかないだろう。こんな根気較べしている間にも、通行人から『壁に人が張り付いている!』と警察か消防にでも電話されるかもしれないからだ。どれ程のものか庶民の俺にはいまいちピンとこないが、女性には『椎名家の権力』や俺も騙された『もっともらしい嘘をつく能力』という強大なアドバンテージがある。通報で駆けつけた人達にここから下に下ろしてもらえたとしても、あの正直そうな女性に『私の家族がお騒がせして申し訳ございません。お恥ずかしい話、この人は少し心を病んでいて、家の外聞もあってこっそり受診させようとしたら抵抗して、こんなことに。これ以上家の恥を重ねるわけにはまいりません。どうかご内密に』と涙ながらに訴えられたら、俺も丸め込まれない自信がない。
 そこで袖の下でも渡せば完璧だ。それと比べたら俺の『結婚できない様に無理矢理不妊手術を受けさせられそうになって逃げている』という主張なんて、あまりにも嘘くさいじゃないか。絶対に主張で押し負ける。
 通報されないまでも、俺が無為無策にこうして自ら袋小路に陥っている間に、俺を捕まえる何らかの手段を講じられるかもしれない。ここで捕まったら抵抗する手段を持たない俺はもう、即詰み。ゲームオーバー間違いなしだ。
 と、あれば早くここから逃げる手段を探さないと。まだ怒鳴り続けている男の声を聞き流し、なにか新しい手がかりを求めて窓の方に向けてばかりだった視線を背後に向ける。俺が足場にしている壁の出っ張りは細く長く続いているが、残念ながら他に足がかりは見当たらない。壁もざらついてはいるがだからといって手足を引っ掛けられる程のことはなさそうだ。なにか、なにか降りる手段はないか。そうして焦燥感に駆られる俺の目に、が飛び込んで来た。
 壁に設置された雨樋。屋上から地面まで、一直線に伸びている。壁にしっかり固定されていて、太くて強度はそこそこ有りそうだ。これだ。これしかない。直感的に俺は悟った。直ぐさま俺は壁の出っ張りを伝って雨樋に近付く。
 俺はΩとしてはかなり大柄だ。流石にα‬には負けるが身長はβの平均よりもちょっと大きいくらいある。が、身長の割に体重は軽いので、今はなんとか雨樋が俺の与える負荷に耐えてくれると信じるしかない。
「お、お前っ! 何をするつもりだ! バカ、止めろ!」
 何を止めてるんだバカめ。俺がここで失敗して死んだ方がお前にとっては手間が省けて都合がいいだろうに。そんなことを考えながら、雨樋に手をかけた。
 雨樋には勿論足掛かりなどない。ツルッツルだ。初夏とはいえ暑く、全力疾走して外に出ていた俺は少し汗をかいている。着ていた服で乱雑に手や腕の汗を拭う。少しでも滑らないよう、汗で湿った肌が摩擦を大きくしてくれることを願って、雨樋に抱きつき、1度大きく深呼吸してから足掛かりから足を離した。
 初めはユックリ、ユックリと、勢いがつかないように下りる。だが、だんだんと摩擦が効かなくなってきて、スピードが上がっていく。時々壁に雨樋を固定している金具に行きあたる度、ぶつかって痛みを覚える。雨樋の立てるミシミシという不吉な音が不安感を煽った。緊張する全身の筋肉の感覚と、自分の息遣いの音がやけに生々しい。
 そうして永遠にも思える時間雨樋を伝って降り続け、だんだんと上がっていくスピードに危機感を覚えつつ、手の痛みが耐え切れなくなった頃。トン、とあまりにも呆気なく、唐突に地面に足が着いた。
 地面に降り立った瞬間、雨樋を離してドタッと後ろの地面に倒れ込んだ。緊迫した空気が霧散し、意識の外にいっていた蝉の五月蝿い鳴き声や、午後になっても暑く降り注ぐ日差しが俺の世界に戻ってくる。緊張からか暑さからか、よく分からない変な汗が全身をぐっしょりと濡らしていた。半分惚けたまま上を見上げると、信じられない、と言った表情と男と目が合う。きっと俺も似たような顔をしているんだろう。
 興奮し過ぎてアドレナリンが大量に出ているのか頭がフワフワする。その熱が冷めやらぬままフラフラと立ち上がった。いつまでもここでボーッとしてはいられない。まだ建物の壁から降りられただけだ。俺の逃走は続いている。男が正気に戻るのも待たず、俺は病院の敷地から飛び出した。



 ハァハァと荒い息をして、両手を膝につく。病院からここまでの間で走ってきたが、もう限界だ。俺は足は速いがスタミナはないんだよ。
 さて、一旦は女性の魔の手から離れられたが、これからどうしよう。金も無ければ携帯もない。まさに着の身着のまま。連絡手段も移動手段もないのだ。そもそもそれらがあったとして、俺はどこに連絡をしてどこに行けばいいのだろう。酸欠の頭を抱え、道の真ん中で途方に暮れる。
 一応移動するだけならタクシーを使う手がある。が、これは行き先で誰かに代金を肩代わりして払ってもらうということ前提なので知り合いのところにしか行けない。1番頼りになる五十嵐に至っては住所どこか知らないし。俺の立ち回り先は既に手を回されている可能性が高いし、そもそも頼れる先がそんなに思いつかない始末。
 チラッと目の端に交番が映ったが、頼るのは躊躇われた。交番に行くと電話やお金を貸してくれるというのは知っているが、女性が『これこれこういう格好のひったくりにあった』とでも言って俺の服装を伝え通報すれば、俺はたちまちお尋ね者だ。コロッと簡単に女性に騙されてしまった後で警戒心が過敏になっている気がしないでもないが、今はどれだけ用心してもし足りない。
 交番の近くを離れ、人通りの少なそうな路地に入る。テクテク、トボトボと、今度は闇雲に歩かず病院から離れていく様な方向を目指す。途中、すれ違った人がチラッと俺のことを気にした風に視線を向けてきた。それにつられて自分で自分を見てみると、雨樋をつい降りた時に擦りむいたのか、両腕がソコソコ血塗れだ。成程、これは気になるな。服で拭おうとして、そしたら今度は服が汚れるだけだと気がついたのと、普通に痛かったのとでそのままにしておくことにした。
 水飲み場のある公園でもあれば水で洗い落とせるんだが。取り敢えず血と傷があまり目立たない様にコソコソと歩いた。
 暫くすると、行く先に自販機が見えてきた。近付くと水が売っている。お金さえあれば買うんだけどなぁ。どうにもならないことを思いつつふと、目線を横にずらすと、俺はそこであるものを見つけた。最近どんどん数を減らして、めっきり見かけなくなった公衆電話だ。これもお金さえあれば、それも、たった10円さえあれば、かけられるのに。何も持たない今の俺はあまりにも無力だ。
 ハァーッと溜息をつき、項垂れて肩を落とす。と、そこで、奇跡が起きた。なんと、俺が視線を落とした道の真ん中に、10円玉が1枚だけ、ポツンと落ちているではないか!
 俺は思わず顔を上げて、キョロキョロと辺りを見回す。落としたお金を探している風に下をみている人はいない。これからする俺の行為を見咎めるであろう人も。
 ゴクリ、と唾を飲み込んだ。この10円玉は、自販機で飲み物を買った人が落としてそのまま気が付かずそのままにして行った物だろう。おそらく、この10円玉をどうしても取り戻そうとしてはいない筈だ。そうでなくても10円玉の1枚くらい、余っ程の倹約家で家計簿でもつけていない限り、気がつくことも執着することもないだろう。
 なら、この10円玉、俺が貰ってもいいんじゃないだろうか? この10円玉さえあれば、俺は電話をかけることができる。追跡者に追われている今、助けを求めるための手段はとても大事だ。ネコババは良くない事だが、今だけは許して欲しい。後で落ち着いたら募金箱にでも100倍にして返すから。そんな言い訳を心の中でしてから、俺は落ちていた10円玉を拾い上げた。
 漸くつかんだ、この細い救いの糸を切らさない様に、直ぐさま公衆電話に飛びついて10円玉を投入する。10円玉はこの1枚だけ。手違いは許されない。緊張からか指が震えた。電話をかける先は決まっている。会いたいと思う度、繰り返し何度も見たので番号は体が勝手に覚えていた。相手が今電話に出られる状態なのか、公衆電話からの見知らぬ着信に出てくれるかは賭けだったが、その時は留守番電話にでもメッセージを吹込めばいい。ドキドキしながら最後のボタンをプッシュする。果たして、俺が電話をかけた相手は、1回目の着信音が鳴り終わる前に電話に出た。
『もしもし、織部だな?』
 電話の声は迷うことなく俺の正体を断言する。慣れ親しんだその声に、俺は堪らなく安心させられた。
「ごめん、やらかした。超特急で迎えにきてもらっていい?」
『分かった。場所を教えてくれ』
 横にあった自販機の住所表示ステッカーを読み上げて伝える。間違いのないよう、電話の向こうで五十嵐がそれを復唱した。
『よし、そこからなら俺の知り合いが10分くらいで行けると思う。待てるか?』
「大丈夫だけど、できるだけ早く迎えにきて欲しい。あと、今は知らない人はちょっと怖いかも」
『そうか、じゃあ車のカラー、車種とナンバーを予め伝えておくから、その車が来るまでどこか道路を監視できる場所に隠れていろ。俺もなるだけ早く合流できるようにする』
 少し間を置いて、五十嵐がカラー、車種とナンバーを言う。そこでビーッと音が鳴り、通話は切れてしまった。受話器を本体に戻す。これで状況は変わった。五十嵐は頼りになる男だ。きっと助けてくれる。まだまだ油断はできないが、先ずは一安心、と胸を撫で下ろし、五十嵐の言いつけを守るべく隠れられそうな場所を探し辺りを見渡した。
 そうして目立たない様ビルとビルの隙間、猫か鼠くらいしか通らなさそうな狭い隙間に無理矢理入り込んで迎えを待つ。勿論、辺りを警戒するのも忘れない。すると、電話から5分経つか経たないかのうちに、路地の入口の方からプッと軽くクラクションを鳴らす音が聞こえてきた。恐る恐る隙間から出てそちらを見ると、五十嵐に予め伝えられていたカラーと車種の車がエンジンをふかしたまま停まっているのが見える。
 なんでもない風を装って路地から歩き出て、1度車の前を通り過ぎて車とのすれ違いざまにナンバーの確認をした。間違いない、五十嵐の言っていたナンバーだ。俺は来た道を取って返し、車の前まで戻ると、運転席のリヤドアガラスをノックした。直ぐにパワーウィンドウが下りて、精悍そうな目鼻立ちの男性が顔を出す。
「織部さんですね? 話は五十嵐さんから聞いています。後ろに乗ってください」
 言われた通り車のドアを開け、後部座席へ乗り込む。すると、運転席の男から携帯を手渡された。俺が携帯を受け取ったのを確認すると、男は前を向き、車を発進させた。どこへ向かうのだろう。窓の外を見たが、サンシェードを上げられていてよく分からない。俺の顔が外から見えにくくする気遣いであろうから、勝手に弄ることはできなかった。大人しく渡された携帯を見ると、画面に五十嵐の名前が表示されている。俺は安心して携帯を耳に当てた。
「もしもし?」
『もしもし。無事拾ってもらえたみたいだな』
「お陰様で」
『取り敢えず、今車を運転している奴は腕利きの人間だから安心していい。その車は部外者の入れない場所に向かわせてるから、そこで落ち合おう』
 そうか、腕利きなのか、この人。前を向いて車を運転する男の後ろ姿を見る。うん、見るからにそうだもんな。五十嵐のお墨付きがあるなら確かだろう。
『織部』
「ん、何?」
『本当に、無事なんだな?』
「……ちょっと怪我してるけど、いたってピンピンしてるよ」
 言ってから気がついた。いや、無事じゃないかも。妊娠してるかもしれないし、長い間監禁された後に病院に行ってそこで色々あって脱走して、かなり疲弊している。無事とはちょっと言い難いかもなぁ。五十嵐は聡い人間だ。何も言わずとも電話越しの雰囲気だけで、そんな俺の心の機微を察した様だった。
『まあ、詳しい話は直接会ってからにしよう。お前には聞かなきゃならんことが沢山あって、電話じゃ話きらん』
「ん、そだね。俺も、五十嵐に話したいことがいっぱいあるよ」
『じゃあ、待ってるから。俺もお前を出迎える準備とかあるから切るぞ。また後で』
「バイバイ」
 ツーッ、ツーッ、と鳴る音を聞いて携帯を耳から離す。フゥ、と小さく息を吐いてポスン、とシートに頭を預けた。
 一先ずはこれで何とかなりそうだ。まだ問題は山積みだが、これからの事は五十嵐と話し合えばいい。そこでふと、今まで考える暇もなかった椎名の顔が頭に浮かんだ。椎名、俺が居なくなってどうするだろう。それとも、もう母親である女性に何か言われてるかな。次いつ会えるだろう。いや、もしかしたら、もう会うことはないのだろうか。
 最後に椎名と会った時、俺は椎名を無視して顔を見ようともしなかった。椎名は俺に行ってきますって、ちゃんと挨拶してくれてたのに。こんなことになるなら、あの1度だけでも、チラッとても顔を見ればよかった。今になってそんな事をとてつもなく後悔し始めている自分がいる。何故か息が苦しいのは、きっと疲れが溜まっているからだ。そう自分に言い聞かせ、迷いを振り払う様に俺は目を閉じた。
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