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凍雪国編第4章
第24話 斥候の失敗2
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テムは、ダイザとリックスに、ティナに受けた仕打ちを打ち明ける。
しかも、寒風が通り抜ける場所に放置されたことを強調しておく。
そして、おそらくミショウ村に行ったであろうとの推測も付け加える。
ダイザは、事情を理解したのち、村のことが心配になる。
「大丈夫でしょうか?」
「村か?」
「はい」
「敵意はなかったから、大丈夫だろう。しかも、奴は、治療薬を求めていた。奴の言う通りなら、無茶なことはしないだろうな」
テムは、ティナの話を全て信じた訳ではない。
しかし、こちらの命を取らなかったことを思えば、それほど冷酷な奴ではないと判断している。
「それに村には、村長やモール爺がいるし、何とかなるんじゃないか?」
「そうだと良いのですが……」
ダイザは、ティナという人物には出会わなかったので、一抹の不安が拭えないのである。
「心配しても仕方がない。そもそも、俺たちでは、歯が立たん」
テムは、これからティナを追いかけても、同じ結果になるだけだと、半ば諦めている。
ティナが求める英精水とやらの正体が分からなければ、交渉の余地もない。
その点、森のエキスのことを知っているモールならば、交渉するなり、森のエキスを渡すなりできるのである。
「モールさんに任せるしかありませんか……」
ダイザは、モールが☆7冒険者をしていたことを知っており、その実力も十分に理解している。
ただ、ダイザとしては、村に危難が及ぶ出来事は避けたいのである。
「紅寿様ならば、負けません。それについては、信じてみて間違いないかと思われます」
テムとダイザの会話を聞いていたオンジが、口を挟む。
オンジの見立てでは、ティナとモールはいい勝負である。
だが、モールにはしたたかさがあり、人生経験の差でモールに軍配が上がるとみている。
オンジの隣に立つリックスや、モールの弟子であるブーキも、オンジの言葉に頷いている。
「ダイザよ。今は、国都に行くことが先決だ。奴のことは、あれこれ考えても答えが出ない。村に行くと決まった訳でもないしな」
「そうですね」
ダイザは、テムの言葉に素直に頷く。
ダイザには、国都でやることがあり、これから村に帰ることはできないのである。
「では、テントまで戻ろう。居残り組が首を長くして待っているだろうからな。俺の失態でとんだ迷惑を掛けてしまった。あとで、詫びを入れんといかんな」
「私も、同罪ですよ」
テムのぼやきに、オンジは、くすりと笑う。
ティナが相手であれば、誰でも同じ結果となっていただろう。
そのため、誰もテムを責めたりはしない。
「帰り道に、その辺に生えている旨い葉っぱでも採って行くか……」
「土産ですね」
「夜の散歩のな」
テムは、オンジの軽口に合わせて、にやりと笑う。
ダイザたちも、緊張感を解いて、来た道を戻ることにする。
しかも、寒風が通り抜ける場所に放置されたことを強調しておく。
そして、おそらくミショウ村に行ったであろうとの推測も付け加える。
ダイザは、事情を理解したのち、村のことが心配になる。
「大丈夫でしょうか?」
「村か?」
「はい」
「敵意はなかったから、大丈夫だろう。しかも、奴は、治療薬を求めていた。奴の言う通りなら、無茶なことはしないだろうな」
テムは、ティナの話を全て信じた訳ではない。
しかし、こちらの命を取らなかったことを思えば、それほど冷酷な奴ではないと判断している。
「それに村には、村長やモール爺がいるし、何とかなるんじゃないか?」
「そうだと良いのですが……」
ダイザは、ティナという人物には出会わなかったので、一抹の不安が拭えないのである。
「心配しても仕方がない。そもそも、俺たちでは、歯が立たん」
テムは、これからティナを追いかけても、同じ結果になるだけだと、半ば諦めている。
ティナが求める英精水とやらの正体が分からなければ、交渉の余地もない。
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「モールさんに任せるしかありませんか……」
ダイザは、モールが☆7冒険者をしていたことを知っており、その実力も十分に理解している。
ただ、ダイザとしては、村に危難が及ぶ出来事は避けたいのである。
「紅寿様ならば、負けません。それについては、信じてみて間違いないかと思われます」
テムとダイザの会話を聞いていたオンジが、口を挟む。
オンジの見立てでは、ティナとモールはいい勝負である。
だが、モールにはしたたかさがあり、人生経験の差でモールに軍配が上がるとみている。
オンジの隣に立つリックスや、モールの弟子であるブーキも、オンジの言葉に頷いている。
「ダイザよ。今は、国都に行くことが先決だ。奴のことは、あれこれ考えても答えが出ない。村に行くと決まった訳でもないしな」
「そうですね」
ダイザは、テムの言葉に素直に頷く。
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「では、テントまで戻ろう。居残り組が首を長くして待っているだろうからな。俺の失態でとんだ迷惑を掛けてしまった。あとで、詫びを入れんといかんな」
「私も、同罪ですよ」
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ティナが相手であれば、誰でも同じ結果となっていただろう。
そのため、誰もテムを責めたりはしない。
「帰り道に、その辺に生えている旨い葉っぱでも採って行くか……」
「土産ですね」
「夜の散歩のな」
テムは、オンジの軽口に合わせて、にやりと笑う。
ダイザたちも、緊張感を解いて、来た道を戻ることにする。
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