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凍雪国編第2章
第67話 体術の基本的な足運び2
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「魔力感知の訓練のために出した水球じゃ。わしの魔力を直接感知させると、フレイには強すぎるでな」
「ふ~ん……」
「じゃが、今はこれを避けてみよ」
「うん、分かった」
フレイは、ゆっくりと動く水球の間を縫って移動し、水球に当たらないように注意する。
「顔から動くでない。必ず、足から動かし、腰を移動させたあとに顔がついていくようにするんじゃ」
「む、難しい……」
フレイは、足元ばかりを気にして、俯き気味になり、水球への注意が疎かになる。
ぱしゃっぱしゃっ
「わっ!」
フレイは、顔のすぐ隣に浮かんでいた2つの水球へ頭を突っ込ませてしまう。
「ほれほれ……。今度は、足ばかりを見ておるから、そうなるんじゃ。もっと周りを見るようにせい」
「それは、分かっているけど……。上手くいかないよ」
「まぁ……、そうじゃろうな……」
モールは、フレイの抗議にあっさりと納得する。
「今日のところは、足運びの基本を覚えればよい。あとは、自主練習で何とかなるじゃろ」
「何とかなるの?」
「それは、フレイ次第じゃな。分からんようになったら、また聞きに来ればいい」
モールは、そう言って、足運びの差し込み足、差し替え足、くも足、かに足の4つの基本動作を教える。
差し込み足は、構えを崩すことなく前進する足運びで、前足を前に滑らせて移動し、後ろ足を引き寄せて前に進む歩法である。
差し替え足は、構えを入れ替えて前進する足運びで、後ろ足を前足よりも前に出し、重心を移動させて、構えを逆にとる歩法である。
くも足は、差し込み足と似ているが、動かす足の順序が逆になった歩法である。
くも足では、後ろ足を先に引き付け、前足で踏み出すため、ためを作ることができ、間合いを一気に詰めることができる。
かに足は、横移動の足運びで、前足を外や内へ半歩動かして、重心移動をし、その後、後ろ足を引き付ける歩法である。
なお、かに足で、前足を内へ動かした場合には、足が交差する十字足となり、素早くもう半歩動いて体を開くことが大切である。
「これらを運歩という。どうじゃ、分かったか?」
「一度に言われても分からない……」
フレイは、困った表情でモールに答える。
「では、親指の付け根に体重を乗せて移動することを心掛けよ。その次に、足と腰の連動じゃ」
「それだけを覚えれば、何とかなる?」
「今はの。つま先移動に慣れてくれば、足を忍ばせたり、間合いを盗んだりすることができる。ただし、顔は常にあとから動かすんじゃ。でなければ、相手に動きを悟られるでな」
「うん……。あまり自信がないけど、簡単なことから頑張るよ」
フレイは、真剣な表情をして頷く。
「ふ~ん……」
「じゃが、今はこれを避けてみよ」
「うん、分かった」
フレイは、ゆっくりと動く水球の間を縫って移動し、水球に当たらないように注意する。
「顔から動くでない。必ず、足から動かし、腰を移動させたあとに顔がついていくようにするんじゃ」
「む、難しい……」
フレイは、足元ばかりを気にして、俯き気味になり、水球への注意が疎かになる。
ぱしゃっぱしゃっ
「わっ!」
フレイは、顔のすぐ隣に浮かんでいた2つの水球へ頭を突っ込ませてしまう。
「ほれほれ……。今度は、足ばかりを見ておるから、そうなるんじゃ。もっと周りを見るようにせい」
「それは、分かっているけど……。上手くいかないよ」
「まぁ……、そうじゃろうな……」
モールは、フレイの抗議にあっさりと納得する。
「今日のところは、足運びの基本を覚えればよい。あとは、自主練習で何とかなるじゃろ」
「何とかなるの?」
「それは、フレイ次第じゃな。分からんようになったら、また聞きに来ればいい」
モールは、そう言って、足運びの差し込み足、差し替え足、くも足、かに足の4つの基本動作を教える。
差し込み足は、構えを崩すことなく前進する足運びで、前足を前に滑らせて移動し、後ろ足を引き寄せて前に進む歩法である。
差し替え足は、構えを入れ替えて前進する足運びで、後ろ足を前足よりも前に出し、重心を移動させて、構えを逆にとる歩法である。
くも足は、差し込み足と似ているが、動かす足の順序が逆になった歩法である。
くも足では、後ろ足を先に引き付け、前足で踏み出すため、ためを作ることができ、間合いを一気に詰めることができる。
かに足は、横移動の足運びで、前足を外や内へ半歩動かして、重心移動をし、その後、後ろ足を引き付ける歩法である。
なお、かに足で、前足を内へ動かした場合には、足が交差する十字足となり、素早くもう半歩動いて体を開くことが大切である。
「これらを運歩という。どうじゃ、分かったか?」
「一度に言われても分からない……」
フレイは、困った表情でモールに答える。
「では、親指の付け根に体重を乗せて移動することを心掛けよ。その次に、足と腰の連動じゃ」
「それだけを覚えれば、何とかなる?」
「今はの。つま先移動に慣れてくれば、足を忍ばせたり、間合いを盗んだりすることができる。ただし、顔は常にあとから動かすんじゃ。でなければ、相手に動きを悟られるでな」
「うん……。あまり自信がないけど、簡単なことから頑張るよ」
フレイは、真剣な表情をして頷く。
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