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凍雪国編第2章
第59話 モールの大陸名2
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モールは、手に小さな麻袋を持って戻ってくる。
「それ、何?」
「これが身分証じゃよ。いい機会じゃから、フレイに見せてやろうと思ってな。皆には内緒じゃぞ」
モールは、袋の中から、3枚の金属板を取り出して、机の上に置く。
フレイは、まだ立ち上がるには体が重いのか、四つん這いになって机まで行き、座椅子に座って覗き見る。
「きれいな板だね。全部、モールさんの?」
「そうじゃよ。わしの身分証は、国民証、ギルド証、役人証の3つじゃな」
「へぇ~」
フレイは、机に置かれた3枚の金属板をしげしげと眺める。
国民証はくすんだ鉄色をしており、ギルド証は薄い碧色、役人証は薄い黄色である。
「フレイは、文字が読めるか?」
「うん。古代魔法語や神聖文字は、ちんぷんかんぷんだけど、この文字は読めるし、書けるよ」
現在、大陸で使用されているのは、ロシュフォール帝国時代から使われてきた墨書文字である。
この墨書文字というのは、板や布、紙などに墨で筆記しやすいように考案された文字で、今では大陸での共通文字となっている。
「そうか。では、これらの文字が読めるじゃろ?」
「うん」
フレイは、3枚の金属板を持ち上げ、その表面に名前や出身地、性別、瞳や髪の色などが刻み込まれているのを確認する。
―――――――――――――――
【国民証】
名前:イリヤス・ベイ
出身地:ディスガルド国カーム
性別:男
瞳:深碧
髪:白銀
認定者:ディスガルド国国主
登録番号:0053296
―――――――――――――――
―――――――――――――――
【ギルド証】
名前:イリヤス・ベイ
出身地:ディスガルド国カーム
性別:男
瞳:深碧
髪:白銀
所属ギルド:ラッシュビート
ギルド本部所在地:ルシタニア帝国アクタイオン
ギルドランク:☆☆☆☆☆☆☆
認定者:オレグル・フィマス
発行番号:002984
―――――――――――――――
―――――――――――――――
【役人証】
名前:イリヤス・ベイ
出身地:ディスガルド国カーム
性別:男
瞳:深碧
髪:白銀
所属国:ゼルスト国
役職:守護者
任命者:ゼルスト国女王
発行番号:00631
―――――――――――――――
フレイは、3枚の金属板をよく見たあと、裏には何も書かれていないことを確認する。
そして、幾つか疑問に思ったことをモールへ聞く。
「ねぇ……、モールさん?」
「なんじゃ?」
「モールさんが守護者なのは前に聞いたけど、このギルドランクって何なの? 星が7個もあるよ?」
フレイは、薄い碧色をした金属板をモールへ示し、そこに刻まれている☆の数を指差す。
「あぁ……。それは、どれぐらい難しい依頼を受けることができるかということを示すランクじゃよ」
「ふ~ん」
フレイは、よく分かっていないのか曖昧な返事を返す。
それを見たモールは、ギルドランクについて少し説明を加える。
「ギルドランクは、全部で7つのランクに分けられておる。星が1個から7個までじゃな。このランクは、己の力量や技量に合わせた個数が与えられるんじゃ」
「モールさんの場合は、星が7個なんだね?」
「そうじゃよ。わしは、どの依頼でも自由に受けることができるランクじゃな。じゃから、受けたいものだけを選んで依頼を受けることができるんじゃよ」
モールは、にやりと笑うが、☆7ランクが如何に凄いことなのかは語らない。
「分かったか?」
「何となくね……」
フレイは、冒険者への憧れが募っているようで、薄い碧色の金属板だけをいつまでも眺めている。
「それ、何?」
「これが身分証じゃよ。いい機会じゃから、フレイに見せてやろうと思ってな。皆には内緒じゃぞ」
モールは、袋の中から、3枚の金属板を取り出して、机の上に置く。
フレイは、まだ立ち上がるには体が重いのか、四つん這いになって机まで行き、座椅子に座って覗き見る。
「きれいな板だね。全部、モールさんの?」
「そうじゃよ。わしの身分証は、国民証、ギルド証、役人証の3つじゃな」
「へぇ~」
フレイは、机に置かれた3枚の金属板をしげしげと眺める。
国民証はくすんだ鉄色をしており、ギルド証は薄い碧色、役人証は薄い黄色である。
「フレイは、文字が読めるか?」
「うん。古代魔法語や神聖文字は、ちんぷんかんぷんだけど、この文字は読めるし、書けるよ」
現在、大陸で使用されているのは、ロシュフォール帝国時代から使われてきた墨書文字である。
この墨書文字というのは、板や布、紙などに墨で筆記しやすいように考案された文字で、今では大陸での共通文字となっている。
「そうか。では、これらの文字が読めるじゃろ?」
「うん」
フレイは、3枚の金属板を持ち上げ、その表面に名前や出身地、性別、瞳や髪の色などが刻み込まれているのを確認する。
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【国民証】
名前:イリヤス・ベイ
出身地:ディスガルド国カーム
性別:男
瞳:深碧
髪:白銀
認定者:ディスガルド国国主
登録番号:0053296
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【ギルド証】
名前:イリヤス・ベイ
出身地:ディスガルド国カーム
性別:男
瞳:深碧
髪:白銀
所属ギルド:ラッシュビート
ギルド本部所在地:ルシタニア帝国アクタイオン
ギルドランク:☆☆☆☆☆☆☆
認定者:オレグル・フィマス
発行番号:002984
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【役人証】
名前:イリヤス・ベイ
出身地:ディスガルド国カーム
性別:男
瞳:深碧
髪:白銀
所属国:ゼルスト国
役職:守護者
任命者:ゼルスト国女王
発行番号:00631
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フレイは、3枚の金属板をよく見たあと、裏には何も書かれていないことを確認する。
そして、幾つか疑問に思ったことをモールへ聞く。
「ねぇ……、モールさん?」
「なんじゃ?」
「モールさんが守護者なのは前に聞いたけど、このギルドランクって何なの? 星が7個もあるよ?」
フレイは、薄い碧色をした金属板をモールへ示し、そこに刻まれている☆の数を指差す。
「あぁ……。それは、どれぐらい難しい依頼を受けることができるかということを示すランクじゃよ」
「ふ~ん」
フレイは、よく分かっていないのか曖昧な返事を返す。
それを見たモールは、ギルドランクについて少し説明を加える。
「ギルドランクは、全部で7つのランクに分けられておる。星が1個から7個までじゃな。このランクは、己の力量や技量に合わせた個数が与えられるんじゃ」
「モールさんの場合は、星が7個なんだね?」
「そうじゃよ。わしは、どの依頼でも自由に受けることができるランクじゃな。じゃから、受けたいものだけを選んで依頼を受けることができるんじゃよ」
モールは、にやりと笑うが、☆7ランクが如何に凄いことなのかは語らない。
「分かったか?」
「何となくね……」
フレイは、冒険者への憧れが募っているようで、薄い碧色の金属板だけをいつまでも眺めている。
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