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凍雪国編第2章
第39話 フレイの祖父テセン2
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テセンは、冒険者ギルドの依頼を受けて遺跡発掘の調査を行ったり、金銀財宝や魔道具などを発見したりしていた。
大陸では、遺跡に関わる依頼を専門に行う者をトレジャーハンターと呼び、テセンは一流のトレジャーハンターであった。
「そうなの!?」
フレイは、テセンの職業について、今まで聞いたことがない。
お宝好きのフレイにとって、夢のような職業があることを知り、興奮してロナリアに聞き返す。
「あら? フレイやニアには、まだ話していなかったかしら?」
「うん。そんなことは、一度も聞いたことがないよ」
フレイは、勢い込んで答え、ニアも興味深そうにして首を縦に振っている。
「そうだったかしら……」
「そうだよ!」
フレイは、首を縦に大きくぶんぶんと振り、テセンの話を聞きたそうにする。
「そう。じゃぁ、簡単に話してあげるわ。私のお父さんはね……、若い時に大陸中の遺跡を巡って、魔導具とか魔石とか、いろいろなものを発見していたのよ。フレイが今嵌めている指輪も、お父さんが見つけたものよ」
「へぇ~」
フレイは、中指に嵌められたオセイアの指輪を目の前に持ってきて、祖父との縁を感じる。
「お父さんはね、それ以外にも、たくさんのものを遺跡で見つけているわ」
「例えば、どんなもの?」
「そうね……。魔道具のほかには、魔剣や魔道書なんかが多かったわね」
クック王の書、賢人デュバイの警世の書。
ベアトリス八名剣である火のクレシュニアと闇のバキュリデス。
魔石の一種であるゴルト鉱石。
ロナリアは、テセンが発見したもので、代表的なものを次々と列挙していく。
「魔法に関するものばかりのような……」
ニアは、それらの名前から気がついたことを小さな声でぼそりと呟く。
「それはそうよ。お父さんは、旧時代専門のトレジャーハンターだったから……」
テセンは、旧時代と呼ばれるベルテオーム族が残した遺跡調査を専門に扱っていた。
それらの遺跡は、今では国宝級とされる魔道具や魔剣などが眠っており、トレジャーハンターの中でも腕利きの者しか探索することができない場所である。
「すごいね……」
フレイは、ロナリアが教えてくれたお宝の価値はよく分からないものの、テセンが凄腕のハンターであったことは何となく理解できた。
「これも、その1つなんだね」
フレイは、オセイアの指輪を頭より上に掲げ、祖父の偉業を誇らしげに思う。
「そうよ。だから、大事にしなさい。その指輪をそこら辺に置いて、失くさないようにしてね」
「うん」
フレイは、素直に頷き、大事そうに指輪を手で包み込んで答える。
「ニアも、お父さんが見つけてきた練魔石を大切に扱ってね」
「うん。ありがとう、お母さん」
ニアも、ぎゅっと練魔石が入った麻袋を抱きしめ、嬉しそうに微笑んで答える。
「二人とも、良い子ね。じゃぁ、お夕飯にするから、手を洗ってらっしゃい」
「は~い」
「はい」
フレイとニアは、笑いながら返事をして、井戸の方へ駆けていく。
大陸では、遺跡に関わる依頼を専門に行う者をトレジャーハンターと呼び、テセンは一流のトレジャーハンターであった。
「そうなの!?」
フレイは、テセンの職業について、今まで聞いたことがない。
お宝好きのフレイにとって、夢のような職業があることを知り、興奮してロナリアに聞き返す。
「あら? フレイやニアには、まだ話していなかったかしら?」
「うん。そんなことは、一度も聞いたことがないよ」
フレイは、勢い込んで答え、ニアも興味深そうにして首を縦に振っている。
「そうだったかしら……」
「そうだよ!」
フレイは、首を縦に大きくぶんぶんと振り、テセンの話を聞きたそうにする。
「そう。じゃぁ、簡単に話してあげるわ。私のお父さんはね……、若い時に大陸中の遺跡を巡って、魔導具とか魔石とか、いろいろなものを発見していたのよ。フレイが今嵌めている指輪も、お父さんが見つけたものよ」
「へぇ~」
フレイは、中指に嵌められたオセイアの指輪を目の前に持ってきて、祖父との縁を感じる。
「お父さんはね、それ以外にも、たくさんのものを遺跡で見つけているわ」
「例えば、どんなもの?」
「そうね……。魔道具のほかには、魔剣や魔道書なんかが多かったわね」
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ベアトリス八名剣である火のクレシュニアと闇のバキュリデス。
魔石の一種であるゴルト鉱石。
ロナリアは、テセンが発見したもので、代表的なものを次々と列挙していく。
「魔法に関するものばかりのような……」
ニアは、それらの名前から気がついたことを小さな声でぼそりと呟く。
「それはそうよ。お父さんは、旧時代専門のトレジャーハンターだったから……」
テセンは、旧時代と呼ばれるベルテオーム族が残した遺跡調査を専門に扱っていた。
それらの遺跡は、今では国宝級とされる魔道具や魔剣などが眠っており、トレジャーハンターの中でも腕利きの者しか探索することができない場所である。
「すごいね……」
フレイは、ロナリアが教えてくれたお宝の価値はよく分からないものの、テセンが凄腕のハンターであったことは何となく理解できた。
「これも、その1つなんだね」
フレイは、オセイアの指輪を頭より上に掲げ、祖父の偉業を誇らしげに思う。
「そうよ。だから、大事にしなさい。その指輪をそこら辺に置いて、失くさないようにしてね」
「うん」
フレイは、素直に頷き、大事そうに指輪を手で包み込んで答える。
「ニアも、お父さんが見つけてきた練魔石を大切に扱ってね」
「うん。ありがとう、お母さん」
ニアも、ぎゅっと練魔石が入った麻袋を抱きしめ、嬉しそうに微笑んで答える。
「二人とも、良い子ね。じゃぁ、お夕飯にするから、手を洗ってらっしゃい」
「は~い」
「はい」
フレイとニアは、笑いながら返事をして、井戸の方へ駆けていく。
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