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凍雪国編第2章
第19話 フレイとニアの属性探査3
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モールは、生活必需品の塩がどれだけ大切なものなのかを、フレイとニアに説明する。
「しかし、ニアがおれば、海水に手間暇を加えんでも、すぐに塩が手に入る。じゃから、皇帝や国王にしたら、そんな便利な者が近くにおれば、喉から手が出るほど欲しいじゃろう」
「それって、ニア姉さんが狙われるってこと?」
モールは、重々しく頷く。
「誰かに知られればな。じゃから、わしは、フレイとニアだけを呼んだんじゃ」
「へぇ~、そうだったんだ」
フレイは、ちょっと意外な感じがして、モールを見る。
「なんじゃ?」
「ううん。僕はまた、モールさんがホレイさんたちを相手にするのが面倒臭いと思って、追い返したんだと思ってた」
「フレイは、わしのことをなんじゃと思っておるんじゃ?」
「気難しい人。あと、片付けができない人……」
フレイは、隣の部屋に通じる扉から僅かに見えている箱や荷物を指差す。
モールは、はははっと、豪快に笑い飛ばす。
「フレイは、正直者じゃな。そんなことを言っても、ちっとも嫌な気分にさせんのは、寵獣の力のお陰かも知れんな」
「そうなの?」
「分からんが、フレイは、そのままでええ。それよりも、寵獣についてじゃったな」
「うん」
「寵獣というのは、魔獣や動物に好かれる力のことじゃ。この寵獣は、属性というよりも生まれ持った能力に近い。何か思い当たることはないか?」
「う~ん……。あっ、ボーや龍のおじさんは、いつも仲良くしてくれるよ」
フレイは、ボーやトウジンが出会ったときから長年の友達のように接してくれていることを話す。
「ふむ……。それは、寵獣の力かもしれんし、フレイの愛嬌のなせる業かもしれんの……」
「でも、この間の氷嵐鳥は、襲ってきたよ」
「寵獣は、全てのものに効果があるわけではない。使役魔法とは違って、あくまでも好意を持たせる程度のものじゃからな。ただし、珍しい属性であることは間違いがない」
使役魔法は、魔獣や動物の意思に関係なく、魔力で支配する魔法である。
「そうなの?」
「あぁ……。その属性を持っていた者は、わしはこれまでに1人しか知らん」
「誰なの?」
「始祖さまじゃ。はるか遠い昔にいた偉大なる我らがご先祖様じゃ」
「へぇ~」
フレイは、それを聞いて、少し誇らしくなる。
「モールさん」
それまで静かに聞いていたニアが、声を上げる。
「うん?」
「私の氷銀って、どういうものですか?」
「氷銀か……。これもまた珍しい属性で、氷属性の最上級属性に当たる力じゃ」
「僕の蒼炎と同じもの?」
「あぁ、そうじゃな。そう説明すると早いな。フレイの蒼炎属性は、火属性の上級である炎属性のさらに上の属性じゃ。じゃから、蒼炎は、火属性の最上級属性に当たる。これに対して、水属性の上級属性が氷属性じゃ。氷銀属性は、この氷属性の上級で、水属性の最上級属性じゃな」
火・水・風・土がある基本属性の最上級属性は、それぞれ蒼炎・氷銀・金雷・鋼岩である。
フレイの魔調石が示した金雷も、風属性の最上級属性である。
「それって、すごいことですか?」
「すごいことじゃよ。わしも、蒼炎や氷銀は使えんし、おそらく、この村の誰も使うことのできない属性じゃ」
「すごい、すごい。ニア姉さん、戦う力がないって言っていたけど、これなら十分に戦えるよ」
「そ、そうかな……」
ニアは、フレイの励ましと賞賛の声を聞いて、少し照れて恥ずかしくなる。
「しかし、ニアがおれば、海水に手間暇を加えんでも、すぐに塩が手に入る。じゃから、皇帝や国王にしたら、そんな便利な者が近くにおれば、喉から手が出るほど欲しいじゃろう」
「それって、ニア姉さんが狙われるってこと?」
モールは、重々しく頷く。
「誰かに知られればな。じゃから、わしは、フレイとニアだけを呼んだんじゃ」
「へぇ~、そうだったんだ」
フレイは、ちょっと意外な感じがして、モールを見る。
「なんじゃ?」
「ううん。僕はまた、モールさんがホレイさんたちを相手にするのが面倒臭いと思って、追い返したんだと思ってた」
「フレイは、わしのことをなんじゃと思っておるんじゃ?」
「気難しい人。あと、片付けができない人……」
フレイは、隣の部屋に通じる扉から僅かに見えている箱や荷物を指差す。
モールは、はははっと、豪快に笑い飛ばす。
「フレイは、正直者じゃな。そんなことを言っても、ちっとも嫌な気分にさせんのは、寵獣の力のお陰かも知れんな」
「そうなの?」
「分からんが、フレイは、そのままでええ。それよりも、寵獣についてじゃったな」
「うん」
「寵獣というのは、魔獣や動物に好かれる力のことじゃ。この寵獣は、属性というよりも生まれ持った能力に近い。何か思い当たることはないか?」
「う~ん……。あっ、ボーや龍のおじさんは、いつも仲良くしてくれるよ」
フレイは、ボーやトウジンが出会ったときから長年の友達のように接してくれていることを話す。
「ふむ……。それは、寵獣の力かもしれんし、フレイの愛嬌のなせる業かもしれんの……」
「でも、この間の氷嵐鳥は、襲ってきたよ」
「寵獣は、全てのものに効果があるわけではない。使役魔法とは違って、あくまでも好意を持たせる程度のものじゃからな。ただし、珍しい属性であることは間違いがない」
使役魔法は、魔獣や動物の意思に関係なく、魔力で支配する魔法である。
「そうなの?」
「あぁ……。その属性を持っていた者は、わしはこれまでに1人しか知らん」
「誰なの?」
「始祖さまじゃ。はるか遠い昔にいた偉大なる我らがご先祖様じゃ」
「へぇ~」
フレイは、それを聞いて、少し誇らしくなる。
「モールさん」
それまで静かに聞いていたニアが、声を上げる。
「うん?」
「私の氷銀って、どういうものですか?」
「氷銀か……。これもまた珍しい属性で、氷属性の最上級属性に当たる力じゃ」
「僕の蒼炎と同じもの?」
「あぁ、そうじゃな。そう説明すると早いな。フレイの蒼炎属性は、火属性の上級である炎属性のさらに上の属性じゃ。じゃから、蒼炎は、火属性の最上級属性に当たる。これに対して、水属性の上級属性が氷属性じゃ。氷銀属性は、この氷属性の上級で、水属性の最上級属性じゃな」
火・水・風・土がある基本属性の最上級属性は、それぞれ蒼炎・氷銀・金雷・鋼岩である。
フレイの魔調石が示した金雷も、風属性の最上級属性である。
「それって、すごいことですか?」
「すごいことじゃよ。わしも、蒼炎や氷銀は使えんし、おそらく、この村の誰も使うことのできない属性じゃ」
「すごい、すごい。ニア姉さん、戦う力がないって言っていたけど、これなら十分に戦えるよ」
「そ、そうかな……」
ニアは、フレイの励ましと賞賛の声を聞いて、少し照れて恥ずかしくなる。
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