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凍雪国編第1章
第110話 国都への出立2
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ドルマは、若者たちと1人ずつ握手をしながら、旅の安全を祈願する。
「アロンたちも、バージやジョティルの指示を守り、無事に国都まで辿り着くのじゃぞ」
「「「はい」」」
アロンたちは、幾分緊張しながらも、元気良く答える。
どの顔にも、国都への期待がにじみ出ている。
「うむ。良い返事じゃ。その調子で、国都でも羽目を外すでないぞ」
「えぇ。しっかりと師範役を務めてまいります」
アロンが、ジルとキントをちらりと見て、年長者らしく、二人を代表して答える。
「頼んだぞ」
「「「はい」」」
ドルマは、眼差しに強さを宿した3人を頼もしく思う。
そして、彼らの両脇に並ぶダイザとテムに向かって言う。
「ダイザとテムは、バージたちを海岸線まで送ってきてくれ」
「分かった」
テムは、ドルマに頷き、一行を先導すべく先に村を出ていく。
それを見て、バージは、もう一度ドルマや村の皆に別れを伝える。
そして、ジョティルたちを促し、何度も皆へ手を振りながらテムに追いつく。
最後になったダイザは、ロナリアたちとの別れを惜しんだあと、フレイの前にしゃがみ、優しく言う。
「フレイ。2週間ほど留守にするから、母さんたちを頼むな」
「うん」
「では、行ってくる」
ダイザは、フレイの頭をくしゃくしゃとなでて、ドルマに一礼する。
そして、きびすを返し、一行の後を追い始める。
フレイは、一行が見えなくなるまで手を振り続けようとするが、抑え付けていた感情が限界を迎え、堰を切ったように泣き出す。
「フレイ。3年後に、また会える」
ドルマは、フレイの背中を擦りながら、穏やかに話しかける。
「うん……」
フレイは、目を真っ赤にして、鼻をすすりながら答える。
「それまでには、フレイも鍛えて、島の外へ行けるぐらいにはなっていないとな」
「うん……」
「では、泣くのはそれぐらいにして、少し頼まれてくれるか?」
ドルマは、フレイの気持ちを切り替えてやろうと気を遣って言う。
「何を?」
フレイは、涙をごしごしと袖で拭きながら、ドルマを見上げる。
「なに、ボーのところまでひとっ走りして、呼んできて欲しいのじゃ」
「うん、いいよ」
素直に頷いたフレイは、凍土林の中に入り、すでに見えなくなった一行を名残惜しそうにもう一度見つめる。
「そうか。悪いな、フレイ」
ドルマは、フレイの気持ちを察して、穏やかにしゃべる。
「ううん。今から、呼びにいけばいい?」
「頼む。わしは、家におるでな」
「うん。じゃぁ、行ってくるね」
フレイは、寂しさを紛らわすために、無理に笑顔を作り、ボーの棲み処があるセキガ山の麓へ駆けていく。
「アロンたちも、バージやジョティルの指示を守り、無事に国都まで辿り着くのじゃぞ」
「「「はい」」」
アロンたちは、幾分緊張しながらも、元気良く答える。
どの顔にも、国都への期待がにじみ出ている。
「うむ。良い返事じゃ。その調子で、国都でも羽目を外すでないぞ」
「えぇ。しっかりと師範役を務めてまいります」
アロンが、ジルとキントをちらりと見て、年長者らしく、二人を代表して答える。
「頼んだぞ」
「「「はい」」」
ドルマは、眼差しに強さを宿した3人を頼もしく思う。
そして、彼らの両脇に並ぶダイザとテムに向かって言う。
「ダイザとテムは、バージたちを海岸線まで送ってきてくれ」
「分かった」
テムは、ドルマに頷き、一行を先導すべく先に村を出ていく。
それを見て、バージは、もう一度ドルマや村の皆に別れを伝える。
そして、ジョティルたちを促し、何度も皆へ手を振りながらテムに追いつく。
最後になったダイザは、ロナリアたちとの別れを惜しんだあと、フレイの前にしゃがみ、優しく言う。
「フレイ。2週間ほど留守にするから、母さんたちを頼むな」
「うん」
「では、行ってくる」
ダイザは、フレイの頭をくしゃくしゃとなでて、ドルマに一礼する。
そして、きびすを返し、一行の後を追い始める。
フレイは、一行が見えなくなるまで手を振り続けようとするが、抑え付けていた感情が限界を迎え、堰を切ったように泣き出す。
「フレイ。3年後に、また会える」
ドルマは、フレイの背中を擦りながら、穏やかに話しかける。
「うん……」
フレイは、目を真っ赤にして、鼻をすすりながら答える。
「それまでには、フレイも鍛えて、島の外へ行けるぐらいにはなっていないとな」
「うん……」
「では、泣くのはそれぐらいにして、少し頼まれてくれるか?」
ドルマは、フレイの気持ちを切り替えてやろうと気を遣って言う。
「何を?」
フレイは、涙をごしごしと袖で拭きながら、ドルマを見上げる。
「なに、ボーのところまでひとっ走りして、呼んできて欲しいのじゃ」
「うん、いいよ」
素直に頷いたフレイは、凍土林の中に入り、すでに見えなくなった一行を名残惜しそうにもう一度見つめる。
「そうか。悪いな、フレイ」
ドルマは、フレイの気持ちを察して、穏やかにしゃべる。
「ううん。今から、呼びにいけばいい?」
「頼む。わしは、家におるでな」
「うん。じゃぁ、行ってくるね」
フレイは、寂しさを紛らわすために、無理に笑顔を作り、ボーの棲み処があるセキガ山の麓へ駆けていく。
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