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凍雪国編第1章
第98話 魔法陣魔法1
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ホレイは、フレイの世間知らずを危ういものと見ている。
「フレイのそういう状態は、たいへん危険なことだ」
「そうなの?」
「あぁ。大陸では、魔法は一部の人間にしか使えない。だから、魔法師には、ある種の特権意識が芽生えているが、魔法を使えないものとのトラブルも起きやすい。しかも、便利な魔法を目当てにした権力者にもつけ込まれやすい」
「なんだか……怖いね……」
フレイは、大陸での暮らしを想像して、素直な感想を漏らす。
「そうだな。大陸では、用心をした方がいい。だが、フレイは、必要以上に怖がらなくてもいい。魔法師は、もともと貴重な存在だし、大陸には、魔法師を守るギルドも存在しているからな」
「ギルド?」
フレイは、聞きなれない言葉を聞いて小首を傾げる。
「あぁ……。フレイは、ギルドについて聞いたことがなかったか?」
「うん」
「そうか……。ギルドとはな、特定の国家に所属しない団体のことで、職業団体が運営する組合のことだ」
「そうなんですね……」
それまで、ホレイとフレイのやり取りを静かに聞いていたニアが声を漏らす。
「おっ! ニアは、ちょっと興味が引かれたか?」
「はい」
「ニアは、本当に魔法が好きなんだな」
「はい」
「僕には、よく分からないよ」
フレイが、抗議の声を上げる。
「フレイ。分かりやすくいうとな、魔法師ギルドは、魔法師たちが立ち上げた団体のことで、魔法師をトラブルから守ったり、魔法師に仕事を斡旋したりしているんだ」
「ふ~ん」
フレイは、少し理解したのか軽く頷き、ニアは目を輝かせながらホレイの言葉を聞いている。
大陸にある魔法師ギルドは、国家権力とは距離を置く存在であり、独自の運営方針を貫いている。
また、それぞれの魔法師ギルドは、大陸の統一基準に従って、魔法師のランクを審査し認定している。
この魔法師ランクは、冒険者ランクと同じで、☆1の見習いから☆7の伝説級の大魔法師まで幅広くランク分けされている。
「魔法師ギルドは、所属するギルド員に貴重な魔法書の閲覧を許可したり、魔法技術の指導なんかも行ったりしている」
「魔法の勉強ができるんですね」
ニアが、羨ましそうに呟く。
「そうだな。そのほかにも、依頼途中で見つけた希少な魔法材料も買い取ってくれるし、輝石や魔法書なんかも売ってくれる」
「魔方陣魔法は扱っていないのですか?」
「大陸では、魔法陣魔法は、一部の魔法師にしか扱えない。これは、魔方陣魔法の技術が大陸で廃れてきていることが影響している。だから、今ではほとんどの魔法師ギルドが教えていない。私が聞いたところでは、魔方陣魔法を教えているのは、ルシタニア帝都にある大陸最大の魔法師ギルド『ヒドゥンベリティー』ぐらいだな」
ヒドゥンベリティーは、ルシタニア皇都アクタイオンに総本部を置く大陸最大の魔法師ギルドである。
ヒドゥンベリティーというギルド名は、『隠された真実』という意味を持つ。
このギルドは、ルシタニア帝国の建国後すぐに創立され、ロシュフォール帝国時代の魔法研究の成果を秘匿している。
「そうなんですね……」
「あぁ。そもそも、魔法師ギルドは、魔法師に特化した冒険者ギルドみたいなものだ。だから、大陸で魔方陣魔法を学ぶとしたら、宮廷魔法師になった方が早い」
「宮廷魔法師……ですか?」
「フレイのそういう状態は、たいへん危険なことだ」
「そうなの?」
「あぁ。大陸では、魔法は一部の人間にしか使えない。だから、魔法師には、ある種の特権意識が芽生えているが、魔法を使えないものとのトラブルも起きやすい。しかも、便利な魔法を目当てにした権力者にもつけ込まれやすい」
「なんだか……怖いね……」
フレイは、大陸での暮らしを想像して、素直な感想を漏らす。
「そうだな。大陸では、用心をした方がいい。だが、フレイは、必要以上に怖がらなくてもいい。魔法師は、もともと貴重な存在だし、大陸には、魔法師を守るギルドも存在しているからな」
「ギルド?」
フレイは、聞きなれない言葉を聞いて小首を傾げる。
「あぁ……。フレイは、ギルドについて聞いたことがなかったか?」
「うん」
「そうか……。ギルドとはな、特定の国家に所属しない団体のことで、職業団体が運営する組合のことだ」
「そうなんですね……」
それまで、ホレイとフレイのやり取りを静かに聞いていたニアが声を漏らす。
「おっ! ニアは、ちょっと興味が引かれたか?」
「はい」
「ニアは、本当に魔法が好きなんだな」
「はい」
「僕には、よく分からないよ」
フレイが、抗議の声を上げる。
「フレイ。分かりやすくいうとな、魔法師ギルドは、魔法師たちが立ち上げた団体のことで、魔法師をトラブルから守ったり、魔法師に仕事を斡旋したりしているんだ」
「ふ~ん」
フレイは、少し理解したのか軽く頷き、ニアは目を輝かせながらホレイの言葉を聞いている。
大陸にある魔法師ギルドは、国家権力とは距離を置く存在であり、独自の運営方針を貫いている。
また、それぞれの魔法師ギルドは、大陸の統一基準に従って、魔法師のランクを審査し認定している。
この魔法師ランクは、冒険者ランクと同じで、☆1の見習いから☆7の伝説級の大魔法師まで幅広くランク分けされている。
「魔法師ギルドは、所属するギルド員に貴重な魔法書の閲覧を許可したり、魔法技術の指導なんかも行ったりしている」
「魔法の勉強ができるんですね」
ニアが、羨ましそうに呟く。
「そうだな。そのほかにも、依頼途中で見つけた希少な魔法材料も買い取ってくれるし、輝石や魔法書なんかも売ってくれる」
「魔方陣魔法は扱っていないのですか?」
「大陸では、魔法陣魔法は、一部の魔法師にしか扱えない。これは、魔方陣魔法の技術が大陸で廃れてきていることが影響している。だから、今ではほとんどの魔法師ギルドが教えていない。私が聞いたところでは、魔方陣魔法を教えているのは、ルシタニア帝都にある大陸最大の魔法師ギルド『ヒドゥンベリティー』ぐらいだな」
ヒドゥンベリティーは、ルシタニア皇都アクタイオンに総本部を置く大陸最大の魔法師ギルドである。
ヒドゥンベリティーというギルド名は、『隠された真実』という意味を持つ。
このギルドは、ルシタニア帝国の建国後すぐに創立され、ロシュフォール帝国時代の魔法研究の成果を秘匿している。
「そうなんですね……」
「あぁ。そもそも、魔法師ギルドは、魔法師に特化した冒険者ギルドみたいなものだ。だから、大陸で魔方陣魔法を学ぶとしたら、宮廷魔法師になった方が早い」
「宮廷魔法師……ですか?」
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