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凍雪国編第1章
第68話 減魔症の発生原因
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「減魔症はな、大地のエネルギーを枯渇させると引き起こされるんだ」
ダイザは、アロンとジルの欠けた食卓に座り、フレイの質問に答える。
「大地のエネルギーって何?」
フレイは、また新たに生まれた疑問を、そのままダイザにぶつける。
「大地のエネルギーか? 大地のエネルギーは、魔素という形をとっていて龍脈の中を絶えず循環している力だな。これって確か……、昨日説明しなかったか?」
ダイザは、昨日の夜の集会でのことを思い起こす。
フレイは、「よく分からなかったよ」と、細かいことは気にせず、さらりと答える。
「そうか……。では、もう一度おさらいだ。龍脈とは、地面の下を流れる力の奔流で、この力を大地のエネルギーと呼んでいるんだ。まぁ、龍脈が水筒で、中の水が大地のエネルギーだな」
「うん」
「龍脈は、ところどころで地上とつながり、その穴から魔素を噴き出している」
「へぇ~」
「また、龍脈は、魔素を地表付近へ放出し、地下の流れを調整してもいる」
「そうなんだ……」
フレイがダイザの説明を聞いて、目を輝かせる。
「あぁ。だから、ほとんどの生き物は、気が付かないうちに、その漏れ出た魔素を吸い込んだり、食べたりして、生命活動を営んでいる。ただ、魔法実験などで大地の魔素を急激に消費させると、龍脈は魔素枯れを起こしてしまう」
「それでどうなるの?」
「単に魔素枯れが起きただけでは、特に問題はないんだがな……。龍脈は、魔素の量も調整するんだ」
「よく分からないよ」
フレイは、難しそうな顔をして呟く。
「つまりだ。龍脈は、不足した分の魔素を地上から奪い取り、エネルギーの均衡を保とうとするんだ。だから、龍脈の魔素を使い過ぎる魔法実験を繰り返すと、龍脈の魔素が大きく失われ、地上では減魔症が流行してしまう」
「へぇ~」
「そして、魔力減少は、魔力量の多いものから現れ、進行すると、魔力切れを起こして命を落としてしまう」
フレイと一緒に聞いていたリリアとニアは、「よく分かったわ」と言って、うんうんと頷いている。
フレイも、少しずつ理解が追いついてきたのか、分かったような顔をする。
「じゃぁ、ベルテオーム族が龍脈の魔素枯れを引き起こしたの?」
「厳密には、ベルテオーム族の一部だな。彼らは、もともと魔力量が多いものの短命族の種族なんだ。そこで、昔から、長命で有名な森の民エルフの血を混ぜて、寿命を延ばす魔法実験を繰り返し行っていたんだ」
ダイザは、大陸ではすでに失われてしまった古代時代の知識について語る。
「ふ~ん」
フレイは、また理解が追いつかなくなり、曖昧な返事をする。
「その結果、始祖さまのように長命なものが次第に生まれるようになって、長命な一族へと変わっていったんだ」
「じゃぁ、僕たちはベルテオーム族に造り出された子孫なの?」
「そうだな。もっとも、ベルテオーム族は、それを進化と呼んでいたがな」
それを聞いたフレイは、少し悲しそうな顔をして押し黙る。
よく分からないものの、何となく命を弄んでいる気がしたからだ。
しかし、好奇心をくすぐられたリリアは、わくわくして父親に質問する。
「竜種も造られたの?」
「いや、竜種や亜人種族、フェンリルなどは、もともと古くからいた種族だ。彼らは、種の滅亡を招いた人族を憎み、滅多に人族の前には姿を現さなくなった。もっとも、竜種は別で、頻繁に人里に現れては、人族を食らい、その数を減らそうと攻撃してくるがな」
「龍のおじさんも?」
フレイは、小さな頃からよく遊んでくれているトウジンも人を食べるのかと心配する。
「いや、トウジンは違う。トウジンは、竜種ではなく、龍種だ」
ダイザは、フレイの気持ちを察して、きっぱりと言い放つ。
「どう違うの?」
フレイは、顔に疑問符を浮かべ、竜と龍の違いを想像する。
それを聞いたダイザは、これも以前に話したことがなかったかなと思いつつ、フレイの質問に答えてやる。
ダイザは、アロンとジルの欠けた食卓に座り、フレイの質問に答える。
「大地のエネルギーって何?」
フレイは、また新たに生まれた疑問を、そのままダイザにぶつける。
「大地のエネルギーか? 大地のエネルギーは、魔素という形をとっていて龍脈の中を絶えず循環している力だな。これって確か……、昨日説明しなかったか?」
ダイザは、昨日の夜の集会でのことを思い起こす。
フレイは、「よく分からなかったよ」と、細かいことは気にせず、さらりと答える。
「そうか……。では、もう一度おさらいだ。龍脈とは、地面の下を流れる力の奔流で、この力を大地のエネルギーと呼んでいるんだ。まぁ、龍脈が水筒で、中の水が大地のエネルギーだな」
「うん」
「龍脈は、ところどころで地上とつながり、その穴から魔素を噴き出している」
「へぇ~」
「また、龍脈は、魔素を地表付近へ放出し、地下の流れを調整してもいる」
「そうなんだ……」
フレイがダイザの説明を聞いて、目を輝かせる。
「あぁ。だから、ほとんどの生き物は、気が付かないうちに、その漏れ出た魔素を吸い込んだり、食べたりして、生命活動を営んでいる。ただ、魔法実験などで大地の魔素を急激に消費させると、龍脈は魔素枯れを起こしてしまう」
「それでどうなるの?」
「単に魔素枯れが起きただけでは、特に問題はないんだがな……。龍脈は、魔素の量も調整するんだ」
「よく分からないよ」
フレイは、難しそうな顔をして呟く。
「つまりだ。龍脈は、不足した分の魔素を地上から奪い取り、エネルギーの均衡を保とうとするんだ。だから、龍脈の魔素を使い過ぎる魔法実験を繰り返すと、龍脈の魔素が大きく失われ、地上では減魔症が流行してしまう」
「へぇ~」
「そして、魔力減少は、魔力量の多いものから現れ、進行すると、魔力切れを起こして命を落としてしまう」
フレイと一緒に聞いていたリリアとニアは、「よく分かったわ」と言って、うんうんと頷いている。
フレイも、少しずつ理解が追いついてきたのか、分かったような顔をする。
「じゃぁ、ベルテオーム族が龍脈の魔素枯れを引き起こしたの?」
「厳密には、ベルテオーム族の一部だな。彼らは、もともと魔力量が多いものの短命族の種族なんだ。そこで、昔から、長命で有名な森の民エルフの血を混ぜて、寿命を延ばす魔法実験を繰り返し行っていたんだ」
ダイザは、大陸ではすでに失われてしまった古代時代の知識について語る。
「ふ~ん」
フレイは、また理解が追いつかなくなり、曖昧な返事をする。
「その結果、始祖さまのように長命なものが次第に生まれるようになって、長命な一族へと変わっていったんだ」
「じゃぁ、僕たちはベルテオーム族に造り出された子孫なの?」
「そうだな。もっとも、ベルテオーム族は、それを進化と呼んでいたがな」
それを聞いたフレイは、少し悲しそうな顔をして押し黙る。
よく分からないものの、何となく命を弄んでいる気がしたからだ。
しかし、好奇心をくすぐられたリリアは、わくわくして父親に質問する。
「竜種も造られたの?」
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「どう違うの?」
フレイは、顔に疑問符を浮かべ、竜と龍の違いを想像する。
それを聞いたダイザは、これも以前に話したことがなかったかなと思いつつ、フレイの質問に答えてやる。
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