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凍雪国編第1章
第6話 反撃開始
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「わっ!」
魔力の高まりを感じたフレイは、慌てて後ろを見上げる。
すると、氷嵐鳥が上空で静止し、氷の礫をいくつも生み出している。
『fire wall』
フレイは、とっさに叫び、薄い炎の膜を張る。
その瞬間、上空から氷の礫が降り注ぐ。
「痛っ! 痛っ!」
何個かは防ぎきれずに、頭を庇ったフレイの右腕や太腿に当たる。
「大丈夫か!?」
「何とか!」
ボーは、獣道を必死に駆け抜けながら、戦いに適した場所を探す。
「あそこの窪地に飛び込むぞ!」
「いいよ!」
フレイは、衝撃に備え、ボーの首にしがみつく。
ドシャッ、ザザッーと、盛大な音を立てて、1匹と1人は泥を巻き上げながら窪地に転がる。
「ぺっ、ぺっ、ぺっ」
口から泥を吐き出したフレイは、魔力を練り上げる。
その隣では、態勢を立て直したボーが大きく息を吸い込み、魔力を高める。
「この~! お返しだよ!」
『fire rubble』
フレイは、両手を前に突き出し、手のひらに火の礫を生み出す。
上空で滑空していた氷嵐鳥は、それを察知して距離を取ろうと逃げ出す。
フレイの手のひらから撃ち出された火礫は弾幕となり、氷嵐鳥が作り出した突風に反らされながらも、幾つかは突き抜け、左右の翼を撃ち抜く。
「当たり~!」
フレイは、軽くガッツポーズをして、次の攻撃に備える。
ボーは、練り上げた魔力を脚に込め、『身体強化』を施したあと、ふらついて降りてきた氷嵐鳥へ飛び掛かり、爪を振るう。
ザシュッと、氷嵐鳥の胸の辺りで肉が裂ける音がし、血が舞い上がる。
キィャァァァー
氷嵐鳥が怒りのこもった鳴き声を発し、再び上空へと舞い戻る。
(浅い!)
ボーは着地とともに、舌打ちをし、上空から降り注ぐ氷の礫を後ろに飛び退いて避ける。
だが、幾つかは、フレイの頭に当たる。
「も~! 痛いぞ! 焼き鳥にしてやる!」
フレイは、両拳を振り上げて敵に抗議する。
「なら、特大の火をお見舞いしてやれ!」
「うん! ボーは、時間を稼いで!」
フレイは、両手を胸の前で組んで意識を集中する。
ボーは、新たに脚に魔力を込め、すぐそばにあった木々を交互に蹴りつけ、氷嵐鳥のそばまで昇って行く。
「我も、空を飛べるぞ!」
ボーは、木のしなりを利用して空中へ飛び出し、氷嵐鳥の喉元へ牙を突き立てようと噛みつく。
だが、ボーの牙が届く寸前、氷嵐鳥はひらりと身をひるがえし、ボーから離れる。
ギィァァァー
氷嵐鳥は威嚇する声を発し、再び氷の礫を生み出して、ボーの着地点へと飛ばす。
「そんなものが我に効くか!」
ボーは、空中で一回転しながら、襲いかかる氷の礫を尻尾で叩き落とす。
ボーが無事に着地を果たすと同時に、『hell fire』と叫ぶ声が聞こえ、爆裂音とともに氷嵐鳥の下から業火の炎が立ち上る。
ジュッ、ジュッと氷嵐鳥の下で、いくつかの氷の礫が蒸発する音がしたものの、勢いよく立ち上る炎はあっという間に氷嵐鳥を飲み込み、天高く焦がす。
5秒、10秒・・・と、炎は舞い上がり続け、ドサッと地面で大きな音が聞こえたあと、30秒が経過する頃にようやく消え去る。
魔力の高まりを感じたフレイは、慌てて後ろを見上げる。
すると、氷嵐鳥が上空で静止し、氷の礫をいくつも生み出している。
『fire wall』
フレイは、とっさに叫び、薄い炎の膜を張る。
その瞬間、上空から氷の礫が降り注ぐ。
「痛っ! 痛っ!」
何個かは防ぎきれずに、頭を庇ったフレイの右腕や太腿に当たる。
「大丈夫か!?」
「何とか!」
ボーは、獣道を必死に駆け抜けながら、戦いに適した場所を探す。
「あそこの窪地に飛び込むぞ!」
「いいよ!」
フレイは、衝撃に備え、ボーの首にしがみつく。
ドシャッ、ザザッーと、盛大な音を立てて、1匹と1人は泥を巻き上げながら窪地に転がる。
「ぺっ、ぺっ、ぺっ」
口から泥を吐き出したフレイは、魔力を練り上げる。
その隣では、態勢を立て直したボーが大きく息を吸い込み、魔力を高める。
「この~! お返しだよ!」
『fire rubble』
フレイは、両手を前に突き出し、手のひらに火の礫を生み出す。
上空で滑空していた氷嵐鳥は、それを察知して距離を取ろうと逃げ出す。
フレイの手のひらから撃ち出された火礫は弾幕となり、氷嵐鳥が作り出した突風に反らされながらも、幾つかは突き抜け、左右の翼を撃ち抜く。
「当たり~!」
フレイは、軽くガッツポーズをして、次の攻撃に備える。
ボーは、練り上げた魔力を脚に込め、『身体強化』を施したあと、ふらついて降りてきた氷嵐鳥へ飛び掛かり、爪を振るう。
ザシュッと、氷嵐鳥の胸の辺りで肉が裂ける音がし、血が舞い上がる。
キィャァァァー
氷嵐鳥が怒りのこもった鳴き声を発し、再び上空へと舞い戻る。
(浅い!)
ボーは着地とともに、舌打ちをし、上空から降り注ぐ氷の礫を後ろに飛び退いて避ける。
だが、幾つかは、フレイの頭に当たる。
「も~! 痛いぞ! 焼き鳥にしてやる!」
フレイは、両拳を振り上げて敵に抗議する。
「なら、特大の火をお見舞いしてやれ!」
「うん! ボーは、時間を稼いで!」
フレイは、両手を胸の前で組んで意識を集中する。
ボーは、新たに脚に魔力を込め、すぐそばにあった木々を交互に蹴りつけ、氷嵐鳥のそばまで昇って行く。
「我も、空を飛べるぞ!」
ボーは、木のしなりを利用して空中へ飛び出し、氷嵐鳥の喉元へ牙を突き立てようと噛みつく。
だが、ボーの牙が届く寸前、氷嵐鳥はひらりと身をひるがえし、ボーから離れる。
ギィァァァー
氷嵐鳥は威嚇する声を発し、再び氷の礫を生み出して、ボーの着地点へと飛ばす。
「そんなものが我に効くか!」
ボーは、空中で一回転しながら、襲いかかる氷の礫を尻尾で叩き落とす。
ボーが無事に着地を果たすと同時に、『hell fire』と叫ぶ声が聞こえ、爆裂音とともに氷嵐鳥の下から業火の炎が立ち上る。
ジュッ、ジュッと氷嵐鳥の下で、いくつかの氷の礫が蒸発する音がしたものの、勢いよく立ち上る炎はあっという間に氷嵐鳥を飲み込み、天高く焦がす。
5秒、10秒・・・と、炎は舞い上がり続け、ドサッと地面で大きな音が聞こえたあと、30秒が経過する頃にようやく消え去る。
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