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プロローグ
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何かに夢中になっている人物はそれだけで魅力的に見える。
それが更に可愛い女の子だったら尚更だ。
そんな可愛い女の子が夢中になっていたのは将棋。
俺は七歳の頃からいつも将棋盤を挟んで将棋を指しながら対面に座る彼女のことを見ていた。
そして十年後。その想いが押さえきれなくなって俺は彼女に告白した。
「姉さん。いや、歌子さん」
彼女の名前を呼び、大きく深呼吸をした。
「俺と付き合って下さい」
「せめてプロになってから言いなさいよ。三段リーグをいつまでの抜けない半人前が生意気!」
即答で、しかももの凄く酷い事を言われて振られた。
「バカな事言ってないで、早く指すわよ」
「……………はい」
そう促されていつも通りとは程遠い心境で、いつも通り二人で将棋盤を挟んで座る。
「お願いします」
「お願いします」
互いに礼をして対局が始まる。
特に会話はなく、駒を指す音だけが響いて行く。
将棋指しの悲しい習慣であるが、例え失恋した瞬間だとしても、将棋盤の前に座ると将棋の事だけ考えるようになるのだ。
それが更に可愛い女の子だったら尚更だ。
そんな可愛い女の子が夢中になっていたのは将棋。
俺は七歳の頃からいつも将棋盤を挟んで将棋を指しながら対面に座る彼女のことを見ていた。
そして十年後。その想いが押さえきれなくなって俺は彼女に告白した。
「姉さん。いや、歌子さん」
彼女の名前を呼び、大きく深呼吸をした。
「俺と付き合って下さい」
「せめてプロになってから言いなさいよ。三段リーグをいつまでの抜けない半人前が生意気!」
即答で、しかももの凄く酷い事を言われて振られた。
「バカな事言ってないで、早く指すわよ」
「……………はい」
そう促されていつも通りとは程遠い心境で、いつも通り二人で将棋盤を挟んで座る。
「お願いします」
「お願いします」
互いに礼をして対局が始まる。
特に会話はなく、駒を指す音だけが響いて行く。
将棋指しの悲しい習慣であるが、例え失恋した瞬間だとしても、将棋盤の前に座ると将棋の事だけ考えるようになるのだ。
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