大人の恋愛の始め方

文字の大きさ
上 下
131 / 222
【第2部】28.温泉

しおりを挟む
 大浴場から戻り、トモが部屋に入ると聡子はいつも以上に嬉しそうな顔をしてくれた。
(どうした?)
 いきなり抱きついてきた。
「どうした?」
「ううん。まだかなあって思ってたんで」
 甘えてるのか、とトモは彼女にキスをする。
「お風呂、どうでしたか」
「ああ、よかった。露天風呂もよかったな。寒いけど温まったし」
「よかったです」
 お水飲みますか、と聡子は買ってきたらしいペットボトルの水を持ってきてくれた。
「おう、サンキュ」
 喉を鳴らして水を飲む。
 身体に染み渡っていくのを感じた。
「うま」
 聡子はにこにこと笑っている。
「ビール飲まれますか?」
「いや、いいよ」
 甲斐甲斐しく動く聡子の手を引き、抱き寄せた。
「わっ」 
「待ってる間、何してた?」
「テレビ見てましたよ」
「そっか。じゃあ、ここからは俺に時間くれるよな?」
 抱き締めながら見下ろすと聡子と目が合う。
「はい、もちろん」
 彼女は頷いた。
 聡子は背伸びをして、立ったままトモの頬を挟んでキスをした。トモは少しかがんでそれにこたえる。
「ん……んっ……」
 いつもはされる側の聡子が、舌を絡ませトモを攻めてくることに驚いた。
「ぷはぁっ……」
「どうした? 今日は積極的だな」
「そうですか? 下手でごめんなさい」
 唇を離し、トモの瞳を至近距離で見つめる。瞳が蕩けはじめていた。
「いつも智幸さんがしてくれるから、わたしもしたいなって」
「そうか」
 笑うと、聡子も嬉しそうに笑った。
「なんだよ、俺が戻ってくるのが待ち遠しかったのか?」
「そりゃあ……だって食後の運動するって智幸さんが」
「俺が言ったな」
 額、鼻、頬と順にキスをし、閉じた瞳も交互に触れた。
 部屋に敷かれている布団の上に、トモはゆっくりと腰を下ろした。
 聡子は座るトモに跨がり、彼を抱き締めキスを繰り返す。
「……好き」
 聡子の背中に手を回し、撫でてやるとまた嬉しそうに笑う。
 トモは後ろに倒れ込み、聡子のキスの雨を受け止めた。
(実はキス魔か?)
 トモの浴衣をはだけさせると、唇で触れてきた。指で花弁のような乳首に触れたあと、
「痛くないですか?」
 と彼女は訊いた。
「痛くねえよ」
「もっと触ってもいいですか?」
「……いいよ」
 自分が彼女のものを口に含むときと違い、舌先でそっと触れて口に含んだ。聡子のものを随分と乱暴に吸うが、彼女は丁寧に触れてくれた。舌先が見え隠れするのがいやらしい。髪を撫でながらその様子をちらりと伺う。
 彼女の舌はへそと移り、もっと下へと移動していく。
 浴衣越しに、止まった真ん中のあたりを手でそっと押さえられた。
「……うっ……」
 先程からそこは蠢きはじめていたが、布越しに彼女の手が当てられ大きく反応した。
「わ……」
 反応に気付いたらしく、
「開いてもいいですか?」
 口元に笑みを浮かべて尋ねた。
「……ああ」
 浴衣の帯は外さずに、ゆっくり浴衣を広げる。下着が露わになり、主張をするように真ん中が盛り上がっているが、彼女はまたそっと手を当てたあと、もぞもぞと指先を動かした。
「う」
 布越しなのがもどかしい。
 聡子の右手は膨らみを確かめるようになぞる。
「直接触ってもいいですか?」
「……駄目だ」
 その応えに、聡子は目を丸くさせた。
「どうしてですか? こんなに外に出たがってるのに?」
 少し不満げな声を発した。
(そんなわけないだろ)
「……嘘だよ。じゃあ、早く出してくれ」
 ふふっ、と笑って聡子は下着に手をかけた。腰を浮かせ、彼女の補助をする。
 効果音でも付きそうな勢いで、それは飛び出した。
 下着を脱がせて放ると、彼女は笑みを浮かべてそれを握った。
 ぎゅ、と力を加えられ、トモは小さく呻いた。
「咥えてもいいですか?」
「ああ、早く、咥えてくれ」
 ぱくりと小さな口でそれを含み、舌先で尖端を焦がされた。
(あー……)
 じゅぷじゅぷ、と小さな口から音が洩れる。
 いやらしい音だ。
 口には入りきらないからと、付け根を手を押さえ、入るだけの部分を口で出し入れを繰り返している。
(可愛いな…………)
 小さな口で咥え、一生懸命舌を使ってトモに快感をくれている。自分の口から卑猥なうめき声が洩れ、こんな声が出るとは思わなくて恥ずかしくなった。
 二つの袋の片方に触れられ、思わず身体が跳ねた。
「これ……ここで、いっぱい作られるんですよね」
 くにくにと摘ままれ、
「あんまり強く押さえるのは勘弁な……急所だから……」
 痛みを感じて正直な意見を述べた。ごめんなさい、と聡子は慌てた様子で手を離したが、トモは彼女の頭を撫でて首を振った。
「いいよ。舌で……優しくなら大丈夫だ」
「う……ん」
 ゆっくり、ゆっくりと舌で触れられ、息が荒くなっていく。
「おまえ、舌使いやばい……どこで覚えたんだよ……」
 息も絶え絶えに言う。
「さあ……」
「まさか」
 嫌な予感を覚え、聡子の顔を見やる。
(嘘だろ……誰か別の男になんか……)
「……智幸さんが教えてくれたんですよ」
 猛るものを握りながら、舌を這わせる彼女の顔は卑猥だった。
(なんだ……)
 ほっとしたのも束の間で、快感が襲ってくる。
 聡子はトモの顔まで近づくと、
「智幸さんがしてほしいこと、もっとしたいです」
 と不敵に笑った。
「してくれるのか? じゃあ、おまえも浴衣、脱げ」
 聡子の浴衣を引っ張った。
「はい……」
 聡子は身につけているものを恥じらうこともなく全て取り去り、トモに跨がった。
「次は、こうして当てちゃうんですからね」
 二人がつながる部分には、入れずに当てて動く。
「まだ入れませんよ」
 手を伸ばし、聡子ふくよかなふくらみに触れようとすると、すっと身体を退け、また顔を下半身に寄せた。
(あ……せっかく……)
 手でしごき、舌で根元から先端へと動いていく。
「う……」
 もっとしてくれ、とせがむと彼女は頷いた。
「智幸さんのは太くて長くておっきい……」
「そうか……?」
「わたしの口に入りきらないですね」
 自分のもののサイズを気にしたことはなかったが、過去に関係のあった女たちは悦んでいた。聡子は自分のものしか知らないはずだから、特に何も言われたことはなかったのだが。
 やはり誰かに手ほどきをしてもらったことがあったのだろうかと考えてしまう。自分が彼女を突き放して関係を清算したあと、そして自分と付き合うまでの空白の期間──相手がいてもおかしくはないだろう。彼女はトモしか知らないと言っていたが。
(……いや、やっぱり俺しか知らないはずだ)
「こんなの持ってて、いやらしいんだから……」
 今日は本当に大胆な言動をするなと感じた。
 温泉旅館に来て、いつもと違う環境に気が大きくなっているのか、それとも本性が現れているのか……どうであれ、嫌ではなかった。
「おまえのほうがいやらしいだろ、いいもの持ってるし」
「ふふ……」
 ぺろぺろといやらしく舌先で尖端をなめる。
 スケベな身体しやがって、とトモは勢いよく身体を起こした。
「うわっ」
 聡子は転がった。
「今度は、俺がスケベなおまえを可愛がってやるからな」
「駄目です、今日はわたしがするんです」
「俺がしたいことしてくれるんだろ? だったら俺がしたいこと、させてくれるってことでいいよな? 俺はおまえを可愛がりたいんだけどな」
「…………」
「駄目じゃないよな?」
「駄目じゃない、です、よ」
 頬を膨らませた彼女の唇を強引に奪う。
「じゃあ手始めに、乳揉ませてもらおうかな」
「……あっ……」
 下から上へと揉み上げる。
「やっぱりエロい乳だな。おまえの、すげー柔らかくていい触りごこちだ」
「……知らない」
「乳首も感じるんだろ? コリコリしてるし。ここは固くなってる。俺に吸われたいって言ってるみたいだ」
「違いま……勝手にそんな……」
 固くなった尖端を摘まんで、舌先で舐めると聡子は悶えた。
「舐められて悦んでるのは誰だ? 気持ちいいんだろ? 気持ちいいってちゃんと言えよ」
 さっきまでは自分がされてたことを、今度はトモは返してやる気でいる。
「ほーら……」
 執拗に攻めると、悶えて、その様子はトモを悦ばせた。
「……気持ち、いい……」
「よく出来ました。ほらよっ」
 揉みしだきながら、乳首を転がすと彼女も悦んだ。
「次はどこだ? こっちか」
 彼女の脚を無理矢理開いて花弁に顔を寄せ、もう溢れているその部分に舌を這わせる。
「ひゃっ……」
「とろっとろだな」
 舌を侵入させると、ぴくりぴくりと反応している。
「やだあ……」
「嫌なのか? だったらやめるか?」
「や、やめないで……」
「おいおい、どっちなんだ?」
 楽しそうな声を上げた。
「やめないで……」
 聡子はびくびくと身体を震わせる。
「ああ、やめねえよ。こんなにぷっくり膨れてるしな」
 卑猥な音を立て、密壺を刺激すれば、どんどん溢れていく。
(止まらねえな……)
 溢してなるものかというように、トモはそれを丁寧に掬った。
 舌を抜き、両手の指でその花弁を開いてみると、きれいな色をしたその場所がひくひくとしている。ゆっくりと中指を入れて抜き差しを繰り返せば、離したくないとでもいうように吸い付いてきた。
(やべえな……)
 指で敏感な場所をかき回すと、聡子の腰が浮いた。
「どうした?」
「き……気持ち……」
「気持ちいいか?」
 彼女が頷くのが見えた。
 そっと指を抜いて、聡子の顔に自分の顔を近づける。
「なあ、俺がしてほしいこと、してもらってもいいか?」
「はい……」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

完結【R―18】様々な情事 短編集

秋刀魚妹子
恋愛
 本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。  タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。  好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。  基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。  同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。  ※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。  ※ 更新は不定期です。  それでは、楽しんで頂けたら幸いです。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

ずっと君のこと ──妻の不倫

家紋武範
大衆娯楽
鷹也は妻の彩を愛していた。彼女と一人娘を守るために休日すら出勤して働いた。 余りにも働き過ぎたために会社より長期休暇をもらえることになり、久しぶりの家族団らんを味わおうとするが、そこは非常に味気ないものとなっていた。 しかし、奮起して彩や娘の鈴の歓心を買い、ようやくもとの居場所を確保したと思った束の間。 医師からの検査の結果が「性感染症」。 鷹也には全く身に覚えがなかった。 ※1話は約1000文字と少なめです。 ※111話、約10万文字で完結します。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生

花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。 女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感! イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡

秘密 〜官能短編集〜

槙璃人
恋愛
不定期に更新していく官能小説です。 まだまだ下手なので優しい目で見てくれればうれしいです。 小さなことでもいいので感想くれたら喜びます。 こここうしたらいいんじゃない?などもお願いします。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

処理中です...