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【第2部】17.プレゼント
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(今日はとろとろに……)
いつものように汗びっしょりだ。額から汗が滴り落ちた。
(今までいちばん、腰振った……気がする……)
トモの左腕は、今彼女の枕になっている。トモもぐったりしているが、聡子もぐったりしている。
──彼女の全身を愛撫し、聡子もトモの全身を愛撫してくれた。彼女をとろとろにするつもりが、自分のほうがされてしまった気がしている。
右腕を伸ばし、彼女の髪、頬、唇……と順に撫でてゆく。
胸や腹には無数のキスマークや歯形が残っていた。おそらく背中にも尻にもあるはずだ。自分のものだという印を体中に残したが、首筋だけはやめておいた。
(どんだけ絡んでたんだろ……?)
時計を見ると、もうすぐ日付が変わりそうな時間だった。
聡子の誕生日が終わってしまう。
(はは……やべえ……ヤりすぎたな)
やばい忘れるところだった、とトモは腕をそっと抜きベッドから降りて、ハンガーのジャケットを手にした。
「どうかしましたか?」
「ああ」
ポケットに入れていたネックレスを手に取り、横になっていた聡子の上体を起こしてやった。
「これ」
聡子の首に銀色のネックレスをかけてやった。去年は金色のネックレス、しかもそれを壊したのは自分だったので、新しいものを贈ることにした。……カズの意見を採用した完全なる「パクリ」というものだ。
「プレゼント。何もいらないって言われたけど、プレゼントだ」
「えっ、そんな……えっ、ほんとに? すっごく嬉しいです……」
「前のは俺が壊したからな……」
二年前に贈ったものは、自分が引きちぎって壊してしまった。
「そうでしたね、でも、実は大事に取ってますよ」
「みたいだな。テレビの横にあるのを見かけたよ」
「だって、好きな人からもらったものですよ。例え相手にされてなくても、わたしは大事にしたかったんです」
「……そうか」
聡子の頭を抱き寄せ、髪を撫でた。
気が強いけれど優しくて、温かい彼女が愛おしい。
「智幸さん、シャワー、浴びましょうか」
「おう、そうだな」
「せっかくつけてくださったんですけど、濡れてほしくないので、一旦外しますね」
「そうだな。俺が外すよ」
聡子の背中に回り、ネックレスを外した。
「ありがとうございます。これも……大事にします」
裸の二人は、手を取り合って浴室に向かった。
トモが帰る頃には、もう日付が変わってしまっていた。
「智幸さん」
「ん?」
「ありがとうございました」
「おう?」
「すごく嬉しい誕生日になりました」
「そうか、よかった」
蕩けたような瞳に、トモも満足だった。
「幸せすぎて、これから悪いことが起こらないか心配になります」
「起こらねえよ。寧ろ俺がもっと幸せにしてやるわ」
(とろとろで甘々になったよな……めちゃくちゃ愛し合ってイチャついたし)
「心強いですね」
「おう」
見つめ合った後、聡子の頭をぽんぽんと撫でる。
「おやすみ」
「おやすみなさい。気をつけて下さいね」
「うん、ありがとな」
キスをして、踵を返した。
小さく手を振る聡子に、片手を上げて部屋を出た。
本当は泊まっていきたいところだが、朝食を揃って食べる、会長との約束は守りたい。朝帰りでも間に合うのかもしれないが……それはしたくなかった。
(聡子ならわかってくれてれるだろうけど)
年の瀬ともなれば、外は冷える。
だが今のトモには聡子の温もりがまだ残っている。その温もりが消えないうちに、早く帰ろう、そう思った。
いつものように汗びっしょりだ。額から汗が滴り落ちた。
(今までいちばん、腰振った……気がする……)
トモの左腕は、今彼女の枕になっている。トモもぐったりしているが、聡子もぐったりしている。
──彼女の全身を愛撫し、聡子もトモの全身を愛撫してくれた。彼女をとろとろにするつもりが、自分のほうがされてしまった気がしている。
右腕を伸ばし、彼女の髪、頬、唇……と順に撫でてゆく。
胸や腹には無数のキスマークや歯形が残っていた。おそらく背中にも尻にもあるはずだ。自分のものだという印を体中に残したが、首筋だけはやめておいた。
(どんだけ絡んでたんだろ……?)
時計を見ると、もうすぐ日付が変わりそうな時間だった。
聡子の誕生日が終わってしまう。
(はは……やべえ……ヤりすぎたな)
やばい忘れるところだった、とトモは腕をそっと抜きベッドから降りて、ハンガーのジャケットを手にした。
「どうかしましたか?」
「ああ」
ポケットに入れていたネックレスを手に取り、横になっていた聡子の上体を起こしてやった。
「これ」
聡子の首に銀色のネックレスをかけてやった。去年は金色のネックレス、しかもそれを壊したのは自分だったので、新しいものを贈ることにした。……カズの意見を採用した完全なる「パクリ」というものだ。
「プレゼント。何もいらないって言われたけど、プレゼントだ」
「えっ、そんな……えっ、ほんとに? すっごく嬉しいです……」
「前のは俺が壊したからな……」
二年前に贈ったものは、自分が引きちぎって壊してしまった。
「そうでしたね、でも、実は大事に取ってますよ」
「みたいだな。テレビの横にあるのを見かけたよ」
「だって、好きな人からもらったものですよ。例え相手にされてなくても、わたしは大事にしたかったんです」
「……そうか」
聡子の頭を抱き寄せ、髪を撫でた。
気が強いけれど優しくて、温かい彼女が愛おしい。
「智幸さん、シャワー、浴びましょうか」
「おう、そうだな」
「せっかくつけてくださったんですけど、濡れてほしくないので、一旦外しますね」
「そうだな。俺が外すよ」
聡子の背中に回り、ネックレスを外した。
「ありがとうございます。これも……大事にします」
裸の二人は、手を取り合って浴室に向かった。
トモが帰る頃には、もう日付が変わってしまっていた。
「智幸さん」
「ん?」
「ありがとうございました」
「おう?」
「すごく嬉しい誕生日になりました」
「そうか、よかった」
蕩けたような瞳に、トモも満足だった。
「幸せすぎて、これから悪いことが起こらないか心配になります」
「起こらねえよ。寧ろ俺がもっと幸せにしてやるわ」
(とろとろで甘々になったよな……めちゃくちゃ愛し合ってイチャついたし)
「心強いですね」
「おう」
見つめ合った後、聡子の頭をぽんぽんと撫でる。
「おやすみ」
「おやすみなさい。気をつけて下さいね」
「うん、ありがとな」
キスをして、踵を返した。
小さく手を振る聡子に、片手を上げて部屋を出た。
本当は泊まっていきたいところだが、朝食を揃って食べる、会長との約束は守りたい。朝帰りでも間に合うのかもしれないが……それはしたくなかった。
(聡子ならわかってくれてれるだろうけど)
年の瀬ともなれば、外は冷える。
だが今のトモには聡子の温もりがまだ残っている。その温もりが消えないうちに、早く帰ろう、そう思った。
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