スキルイータ

北きつね

文字の大きさ
上 下
222 / 323
第二十二章 結婚

第二百二十二話

しおりを挟む

 迎賓館を出て、ロックハンドに向かう事にした。

 ホームに戻ると、リーリアが戻ってきていた。

「どうした?何か有ったのか?」
「はい。クリスが、お話があるという事です」
「俺に?」
「はい」
「そうか・・・」

 クリスが俺に話が有るとは珍しい。
 緊急な用事も無いことだし、顔を出してくるか?

「それで、リーリア。クリスは?」
「先程まで居たのですが、行政区に戻りました」
「わかった。行ってみる」
「呼んできましょうか?」
「いや、いいよ。久しぶりに行政区にも顔だしてくる」
「かしこまりました」

 なんだか本当に久しぶりに行政区に来たような気がする。

「カズト様。考え違いではありません」
「ん?俺、声に出していた?」
「はい。”久しぶりに行政区”っと」

 独り言のつもりだったのだけど、クリスに聞かれていたのだな。
 なんか微妙に恥ずかしい・・・。気にしないでおこう。

「それで?クリス。何か話があると聞いたけど?」

 クリスは少しだけ思案してから、姿勢を正した。

「カズト様。先程、ワイバーン便で届けられた情報なのですが・・・。僕では判断出来なくて、それに、ルートは別の事で忙しいようなので・・・」
「そうか、それは別にいい。それで、どこから?」
「経由は、ゼーウ街ですが、発信はアトフィア教です」
「は?アトフィア教?ゼーウ街経由で?」
「はい」
「ローレンツ経由ではなく、ゼーウ街経由?」

 もう一度だけ確認しておく事にしたのだが、間違いないようだ。

 クリスはうなずいてから、言葉を続ける。

「内容を説明してもいいですか?」

 少し動揺してしまったが、クリスに説明を頼む事にした。

 クリスの説明だけではイマイチはっきりしない。クリスの説明が下手だというわけではない。しっかり、書簡を読み込んで、自分の考えも無闇に付け足していない。
 ただ、説明しているクリスが自分の中で消化出来ていないから当然なのだが、よくわからない状況だという事が最初にわかった事だ。ワイバーン便での続報もない事から、唯一届けられた書簡以上の情報が存在しない事も、判断を難しくしている要因に繋がっている。

 クリスの説明と届けられた書簡から判断出来たのは、アトフィア教の一部の者が教会から”何か”を盗み出して、大陸中央のダンジョンに潜ったが帰ってこない。一緒に潜ったの者なのか、それとも何らかの問題が有った時に出る救難信号を受けたのかさえも情報が添えられていない。

 ただそれだけの情報なのだが、ゼーウ街経由で来た事がこの話を難しくしている。

 ”らしい”と考えるしか出来ないのが問題だ。
 ゼーウ街からの書簡にも”想像”で書かれている部分がある。補完してくれているのだろうけど事実だけを報告してくれたほうが嬉しいが、いろいろ想像が付け加えられている。ゼーウ街はチアル大陸と友好関係にはあるが属領ではない。したがって内容が”不確かな情報だけど、何か問題がありそうだから連絡しました”的な表現になってしまっている。

 情報からは、確かに何もしないで放置する事は難しそうだが、なんにせよ情報が少ない。

 書簡の中で確定している事は少ない。その少ない情報の中で間違いないのは、”ダンジョンに潜ったと言われている中に司祭が居る”事だ。
 そして、司祭は”アンクラム”の教会に居た奴で、獣人狩りを唆した一派の1人だ。
 てっきり死んだと思っていたのだが・・・。

「カズト様。どういたしましょうか?」
「うーん。無視するには、少し引っかかるよな」
「はい」
「でも、俺たちにできる事はなさそうだよな?」
「そうですか?」

 ん?
 クリスは何か腹案があるのか?

「何かあるか?」
「いえ、そのダンジョンに潜ってみるのは?」
「・・・。うーん。辞めておこう」
「なぜですか?」
「潜っても、いい事がなさそうだからな。それに、アトフィア教の教会から盗み出された物が気になる」
「盗んだ物ですか?」
「あぁスキルカードならなんとなく今までの情報から想像ができるが・・・スキルカードではなさそうだからな・・・」
「そうですね」
「スキルカードが盗まれたのなら、スキルカードが盗まれたと書くだろうし・・・。もっと別の物のような気がしてな。そうなると、想像が出来ない」
「・・・」

 うーん。ローレンツが調べるにしても限界が有るのだろうな。

「クリス。そのゼーウ街に保護を求めてきた奴に会えないかな?」
「え?問い合わせしてみますか?」
「頼めるか?」
「はい。でも・・・」
「わかっているよ。クローンを使うから、俺が直接会う事はしないよ」
「それならば、大丈夫です。手配します」
「頼む」

 それから、クリスから近況を聞いて、ローレンツの所に移動する事にした。

 街中を久しぶりに歩いてみて気がついたけど、街らしくなってきた。
 区画整理とか、規格とか、いろいろ決めてから作ったから・・・。実際にはどうなったのかわからなかったけど、しっかり区画整理の状態を活かした作りが出来ているようで、安心した。

「ツクモ様!」
「ローレンツ。今、時間いいかな?」
「はい。大丈夫です」

 忙しそうにしているのはわかるのだが、情報が集まってきているのだろう。
 書類が山積みになっている。それに、腐ってもアトフィア教は二大宗教の一つだ。信者の数も多い。穏健派で、人族至上主義でない者もそれなりの数が居るのだろう。司祭や枢機卿では少数派かもしれないけど、その少数派も一箇所に集まっていれば、かなりの数になるのだろう。

「そうか、いくつか確認したい事が出来てな」
「はい。なんでしょうか?」

 ローレンツに、クリスが持ってきた話をした。

「・・・。ツクモ様」
「なんだよ?」
「ふぅ・・・。もし、その者が盗み出したものが、スキルでは無いものだとしたら・・・」
「どうした?何か知っているのか?」
「噂の上に・・・。かなり怪しい話ですが問題ないですか?」
「あぁ勿論だ。知っている事を教えて欲しい」
「わかりました・・・。でも、本当にそんな者があったのか不明ですよ?」

 そう言って話し始めたローレンツだったのだが、確かにかなり眉唾な話だ。

「・・・。ローレンツ?」
「だから、かなり怪しいと言いましたよね?」
「いや違う。もし、それが真実ならどういう事になる?」
「え?」
「だから、お前が今言った、アトフィア教の至宝の中に、”女神の聖遺物”があり、その聖遺物が、女神の遺骸だとする説が正しければ・・・・」
「どうなるのでしょう?」

 困った。
 確かに、ローレンツの言っている事が正しいように思えてくる。

 女神の聖遺物が、遺骸だとして・・・。だからどうしたと思えてしまう。

「なぁローレンツ。スキルって・・・。ほら・・・」

 手の甲からスキルカードを取り出す。

「あっ」

 ヤツラの狙いがそこに有るのなら・・・。でも、それならなぜダンジョンに潜る必要がある?

「ツクモ様。聖遺物が存在するとして、盗み出した連中の狙いが、女神のスキルカードだと仮定しても、わざわざ盗み出す必要は無いですよね?」
「そうだよな。それに、アトフィア教がすでにスキルカードを入手していると考えるのが普通だよな。アトフィア教だからな・・・」
「え?・・・・・。そうですね。教皇派の連中なら、操作を使って、全部抜き出して・・・。あ!」
「どうした?」
「ツクモ様。一般的なスキルなら、操作で抜き出す事は出来ますよね?」
「あぁ俺が実際にやっているからな。問題ないぞ?」
「でも・・・」
「でも?」

 ローレンツが何かを考えている。
 俺が考えつかない事なのだろうか?何か見落としていないか?

「そうか・・・。固有スキルが目的か?」
「はい。それしか考えられません」

 確かに、スキルカードなら抜き出しができる。
 死体でも、動きに問題は出てしまうが、操作できる事は実験で明らかになっている。

「固有スキルか・・・。それは厄介だな」
「はい」
「ローレンツ」
「調べますが、あまりご期待に添えられないと思います」
「わかっている。教皇派も必死で隠すだろう?」
「そうなると思います」
「わかった。嗅がせる匂いは、任せる。真贋の確認を急いでくれ」
「かしこまりました」

 その場で、スーンに念話で連絡を取って、スキルカードや素材やスキル道具を大量にローレンツに渡すように指示をする。

 追加が必要な場合には、スーンに連絡をするようにしておく。
 スーンには、ローレンツからの依頼は優先的に処理するように頼んでおく。

 一連の事をローレンツに説明してから、もう一度クリスの所に戻る事にした。

 スーンとの念話をしている時に、ルートから連絡が入って、クリスからの話を聞きたいという事なので、クリスの所でローレンツから聞いた話を踏まえて、もう一度説明しながら話をする事になった。

「ツクモ様」「カズト様」

 二人が恐縮している。
 別にヒマじゃないけど、時間があるから別に問題は無い。

「いいよ。それで?ルートが話を聞きたいって事で間違いない?」
「・・・。はい」「申し訳ありません。カズト様」

「いいよ。別に時間が無いわけじゃないからな」
「・・・」
「それで?ルートは、何に納得が出来ていない?」
「え?」
「クリスからの話と、ゼーウ街からの書簡を見たのだろう?それに、ルートだけが持っている情報も有るだろう?それらを併せても納得できない事が出たのだろう?それとも、情報が多すぎて混乱したか?」
「あっ」

「まぁいいよ・・・。そうだ。ルート。紙が出来ているよな?」
「はい。”和紙”でしたか?作れていますよ?」
「この位のサイズにカットして10枚程度持ってきてくれ」

 5cm×10cm位の小さめのメモ用紙サイズにした物を用意させる。
 メモ用紙に、クリスとルートが認識している情報を書き出していく。

 俺がローレンツから聞いた話も加えていく。

「ツクモ様・・・。これは?」
「一つ一つは知っている事だな?」
「はい。そうですね。ツクモ様から聞いた事は、初めての事も有りましたが、情報としてはわかります」
「うん。なぁルート。これを時系列に並べるとどうなる?」
「時系列ですか?」
「あぁ間は少し広めにして並べてみてくれ」
「わかりました」

 ルートが時系列で事象を並べていく。
 クリスが横から口を出して修正を施している。

 俺は、今出ている物以外の副次的な事象を追加していく。
 新種の魔物の出現が目撃情報を含めて場所や内容や被害を書き加えていく。

「こんな感じでしょうか?」

 ルートが並べた物を見た。
  アトフィア教がアンクラムの(一部)住民と獣人狩りに出る
  返り討ちにあって、司祭の1人が逃げ帰る(らしい)

  アトフィア教から、聖遺物と思われる物が盗まれる。

  強硬派と教皇派の確執ができる。

  ミュルダ街をターゲットとした軍事行動が行われる。

  ゼーウ街がアトフィア教の強行派に襲われる。

  新種の魔物が現れる。

  ゼーウ街にアトフィア教の一部が救援を求めてくる。

 大まかだがこれで問題は無いだろう。
 これに、ルートの情報を付与していく。

「ルート」
「はい。そうですね」
「間違いなさそうだな」
「はい。そちらを調べますか?」
「うーん。ローレンツの結果が出てからでいい。何より、罠だろう?」
「どうでしょう。考えすぎかもしれませんが、罠である事も考えなければならないでしょう」
「そうだな」
「・・・。何か、引っかかりますか?」
「あぁ聖遺物がどうしても気になってしまう」
「それこそ考えてもしょうがないのでは?」
「そうだけどな・・・」

 ルートと二人で、メモの並びを見ながら話している。

「なんだ。クリス!」

 クリスが、ほっぺたを膨らめながらすねている。そういうのは、旦那にだけやっておけよ。

「クリス!そういうのは、旦那にだけやっておけ、俺に向けても何も出てこないぞ?」
「だって、ルートもカズト様も二人だけでわかって、説明してくれないので・・・。酷いです!」

 面倒だな。
 ルートを見ると、拝むように俺を見ている。

 大きく息を吐きだして
「しょうがないな」

 クリスに順序立てて説明した。

 決定的なのは、アトフィア教の強行派の連中が、ゼーウ街を襲撃した時に、聖騎士が居なかった。このときには主要なメンバーはダンジョンに潜っているだろうと考えられる。
 そこから、ゼーウ街に救援に来るまでの時間がかなりかかっている事を考えると、ある程度の準備が整った事が考えられる。
 その上で、新種の被害がここに来て落ち着いてきている事から、何かしらの理由を欲しているように思える。
 そう、攻勢に出るきっかけを待っているようにさえ思える。

 クリスが納得出来ているかわからないが、簡単に説明した。
 俺の思考も整理されたし、ルートも細くが無いようなので、考えは同じなのだろう。

 気になる事は、コルッカ教が絡んできているという噂がある事だ。盗み出した物が聖遺物で、女神の遺骸だとしたら、コルッカ教を巻き込んでも不思議ではない。
 スキルカードの研究は、アトフィア教も行っているだろうが、コルッカ教にしかないスキルの研究も有るだろう。

「カズト様」

「ん?あぁ考えても仕方がないからな。今の所は、出方を見るだけにしようかと思う」
「わかりました。クリスもいいよな?」
「はい」

 ルートとクリスも納得してくれたようだ。
 基本方針にした”何もしない”が正しいのか判断は出来ないが、正しいと思って行動するしか無い。

「ルート。後の説明は任せていいか?」
「はい。お任せください」

 後の事は、ルートにまかせて、俺は一旦ホームに戻る事にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます

ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。 何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。 何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。 それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。 そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。 見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。 「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」 にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。 「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。 「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

処理中です...