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第五章 共和国
第十九話 攻略中?
しおりを挟む「ナベ!」
「ΑД‡ο∝ξ∝с」
「しっかりしろよ」
「♭р∝Г∝Ё∝Φ∝Э∝σ∝ж」
「それならいい。お前を名指しで来ている。指名だぞ」
「∝О∝Φ∝О∝Φ∽≧∝χ∝к∝Ж∽′」
「それで?お前、本当に解っているのか?俺のボーナスがかかっているのだぞ!」
「∝Ч∝Ω∝χ∝и∝в∝ΣΔёΘР∝Ж∝σ∝М∽≧∝Ж∝б∽≦♭ο∝К∝О♪Ч‡○∝Й∝Φ∝Ж∝σ∝ж∽≧」
「関係ないって・・・。まぁいい。案件を奪うぞ!」
「∝О∝Φ∝О∝Φ」
---
懐かしい情景の夢を見た。
俺が話している言葉は、どこの言葉かわからないけど、篠原の旦那には、理解が出来ているようだ。
あれは、ほぼ談合で決まっていた案件をひっくり返した時だな。
視界ははっきりとしているし、頭もはっきりとしているけど、思考の方向がぼやけている。
ダンジョンの攻略をしていて、安全地帯を見つけて、仮眠をした。
壁に寄りかかって寝るのは久しぶりだな。
火付け案件の時には、会社で寝る時には、似たような体勢で仮眠をしたのを思い出した。馬車の中とは違っていたから、あんな懐かしい人が出て来る夢を見たのかもしれない。
時間の進み方が同じか解らないけど・・・。旦那も、もう引退かな?確か、実家は茅ヶ崎の方だとか言っていたな。金を貯めて、山奥の小さな池かどこかの湖がある場所に、一軒家を買って、嫁さんと二人で自給自足に近い生活をするとか言っていたな。
「兄ちゃん?」
「アル?」
「うん。兄ちゃんが、気持ちよさそうに寝ていたから、エイダと少しだけ周りを・・・。ゴメン」
「ん?あぁ気にしなくていい。それに、周りには、何か合ったのか?」
「え?あっ!うん!そう、兄ちゃん!大きな湖が!それに、安全で!水が、すごく綺麗で!」
アルバンの説明では、大きな湖がある。水が綺麗な事は解る。しかし、具体的に”何”があったのか解らない。
「アル。わかった。エイダ。説明を頼む」
「えぇ~~~」『はい』
アルを黙らすのに、少しだけ時間が必要だったが、エイダの説明で、状況が把握できた。
「エイダ。そうなると、このフロア全体が、安全なのか?」
『確実に安全なのか、判断は出来ませんが、湖に至る経路は安全でした。魔物も、スライムや草食系の魔物がいるだけで、攻撃性が強い魔物は居ません。あと、昆虫型の・・・。蜂?の魔物が巣を作っていましたが、攻撃をして来る様子はありません』
「それは、安全地帯ではなくて、通常の・・・。地上と同じだと考えてよいのか?」
『はい。植生は解りませんが、地上と同じ程度だと判断します。日照時間などは、実際にどうなっているのか解りません』
「そうか・・・」
拠点を、村に作ろうと思ったが、ダンジョンの中に作るのはダメなのか?
このダンジョン内の環境は農業には向いている。この環境の維持が可能なのか、攻略してみれば解るのか?
「エイダ。下層への道は?」
『わかりません』
「そうか、探索は必要なのか?」
『はい』
アルバンが、バタバタし始めた。口を塞いでいた手をどけると、大きく息を吸い込んだ。
「兄ちゃん!苦しいよ!」
「悪い。悪い。アル。それで、エイダの説明は聞いていたよな?」
アルバンは、エイダを見てから頷く、うまく説明できていないのが解ったのだろう。
「兄ちゃん?」
「アル。まずは、攻略が先だ」
「え?あっ。うん」
アルバンには、攻略が先だと行ってしまっている。しかし、俺が、この環境を確認したくなっている。
ダンジョン内での農場がうまくいかない。そんな定説が覆るかもしれない。
昆虫・・・。受粉か・・・。ダンジョンの中には、風が発生しない。ウーレンフートでは、風の罠を設置している箇所はあるが、確かに農業を行うのに、受粉の方法を考えなければならなかった。
この階層には、昆虫・・・。蜂型の魔物がいるようだ。それだけではない。
階段近くの安全地帯から出て解ったのだが、風が吹いている。強い風ではないが、自然な感じがする。
歩いていれば、風向きが変わる。湖に小波が立っているから、風だけではい。しっかりと循環している可能性すらある。
本当に、ダンジョンの中なのか?
スライムは見かける。しかし、この階層は、状況が不思議と外の世界と同じに思えてしまう。
「兄ちゃん?どうするの?」
「この階層は、魔物は強くなさそうだ。下の階層に向かおう。アル。階段を探すぞ」
「うん!」
どうやら、この階層は、中央が湖で、周囲を草原?が存在している。そのさらに周りが林?森?になっているようだ。攻撃性がない魔物を見かけたが、俺たちを見ると逃げていく攻撃されるような状況にはなっていない。
湖の大きさは、直径で1キロくらいか?
以外と大きいかもしれない。歩いてみた感じだから、正確ではないが、ここで農場を試すのなら、その時に改めて測量を行えばいい。
何を悩んでいるのか?
アルバンが、そんな表情で俺を見ている。
「・・・。やっぱり、湖の中か・・・」
『はい。その可能性が”高い”と、考えます』
「だよな」
「兄ちゃん?」
「アル。階段を探しているけど、見つからないよな?」
「うん」
「この階層が、最下層だとは思えないよな?」
「うん」
「そうなると、どこかに階段か魔法陣があるよな?」
「うん」
「俺たちが探していない場所は?」
「湖の中!」
「そうだな。別に、水の中を探すだけなら、空気の膜を作って探せばいいけど・・・」
「ん?」
「アル。階段だった場合に、次の階層は、どうなっていると思う?」
「・・・。水没?」
「どうだろう。違う可能性もあるけど、水中の魔物との戦闘は経験がない。それに、俺たちが得意な攻撃が殆ど使えない。そして・・・」
「そして?」
「エイダは、水に濡れたら、自重で動けない可能性がある」
「あっ!」
「魔法も使えない物が多い。エイダは、空気の膜で覆ったら。俺たちが、向上系の支援が受けられない可能性がある」
『マスター。懸念はもっともだと思いますが、ダンジョンでは次の階層とは空間が違っています。連続していると考える必要はないと思います』
「そうか?まぁそうだな」
ウーレンフートのダンジョンも、階層が変わると、ガラッと雰囲気が変わる場所が多い。連続していない。どういう仕組みなのか考えていなかったが、ウーレンフートに戻ったら、調査してみようかな?何か、新しい発見があるかもしれない。
「兄ちゃん!早く、湖に潜ろう!」
なぜか、アルバンだけがテンションがマックス状態だ。
俺は、面倒に思えてしまっている。エイダは、どちらでもいいのだろう。俺が行くといえば、一緒に行く程度の気持ちなのだろう。
「わかった。わかった。でも、少しだけ待ってくれ、魔法を開発する」
「うん!わかった!兄ちゃん。おいら。探索してきていい?」
「遠くには行くなよ」
「うん!」
さて、携帯してきた端末を取り出す。
今日は、W-ZERO3を持ってきている。懐かしい機種だ。販売当初は興奮した。すぐに、WILLCOMを契約した。結局、WILLCOMの回線がメイン回線になったな。
キーボードが付いている携帯は、その後にも出たが、あの当時では開発ができる可能性を考慮に入れると、W-ZERO3一択だ。
それに、インタプリタ型の言語を使うのなら、テキストエディタが有れば十分だ。
テキストエディタでコードを書き始める。Windows Embedded CEが動いている。Windows CE .NETも実装されている。
これだけ、あれば開発ができる。コードを実行させるのには十分だ。GUIの開発は、いろいろな問題で母艦が必要になるけど、魔法が発動する状況に持っていくだけなら可能だ。
そんなに複雑なコードは必要ないだろう。
足場を作って、足場を中心にして2メートルの球体を作って、外側を結界で覆って、水を遮断する。板は、俺の魔力に反応して移動ができるようにすれば十分だろう。おっ移動は三次元だな。X軸とY軸だけじゃダメだな。酸素濃度は、さすがに測れない。
どうするか?
困った時には、魔法で解決。酸素を定期的に供給させて、排出する。
結界内から、外側には任意で空気を抜く。
これでも、20分位が限界だと考えるべきか?そうなると、10分くらいでアラームが鳴るようにするか!
テストを行って・・・。
大丈夫だな。最悪は、結界を解いて、泳げばいいかな?避けたいけど・・・。
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