異世界でもプログラム

北きつね

文字の大きさ
上 下
68 / 178
第三章 ダンジョン

第六十四話 謝罪

しおりを挟む

 これから1話の文字数を5,000?前後から3,000前後にします。
---

 もう俺からは何もない。はずだ。忘れている事はあると思うが、クリスからお小言説教をもらうような事は無いはずだ・・・よな?

 皆が部屋から出ていったのを確認して、クリスは深々と頭を下げた。

 はぁ?なんでクリスが頭を下げる。俺が知らない事がまだあるのか?

「クリス。なんのつもりだ」

「アルノルト様。本当に申し訳ありませんでした」

「だから、なんのつもりだ!」

 クリスは、頭を上げてから、懐から束になった羊皮紙を取り出した。

「これは?」

「お読みください」

 一枚目を読んでみるが、大きな問題はなさそうだ。問題ではあるが、クリスが謝罪するほどの事ではない。
 クリスから渡された羊皮紙には、ルットマン子爵家と帝国の繋がりを危険視する報告が書かれていた。
 日付は書かれていないが文面や書かれている情勢から考えると、1年か2年前だろう。報告書の宛先もクリスではなくフォイルゲン辺境伯になっている。

 二枚目に目を通した時に体温が二度ほど上がった感覚になって、クリスを睨んでしまった。

「クリス!」

「アルノルト様。3枚目もお願いします。何卒。お願い致します」

 クリスはその言葉以上は何も言わないで頭を下げるだけだ。
 三枚目は二枚目に関する事だろう。

 二枚目の内容はあとでじっくりと聞くとして、三枚目を読む。

 そうか・・・。
 父が・・・。ライムバッハ辺境伯が望んだ事だったのだな。

「クリス。これを知ったのは”いつ”だ?」

「はい。葬儀の後で、父・・・。フォイルゲン辺境伯から聞かされました」

「そうか・・・。本当なのか?」

「わかりません・・・。いえ、サルラを問い詰めました。ほぼ間違いないです。それで、父・・・。ホルストが、アルノルト様に謝罪したいと・・・」

「必要ない」

「え?」

「俺は、ライムバッハ家から出た人間だ。謝罪なら、カールにしてくれ、カールが成人するまで、ホルスト殿には苦しんでもらう。謝罪して楽になろうなどの考えないで欲しい」

「わかりました。フォイルゲン辺境伯には”そう”伝えます」

「頼む、でも、この情報はありがたい。ルットマン子爵家を探っていけば、クラーラにたどり着けるかもしれない・・・、そうだな?」

「はい。フォイルゲン辺境伯も同じ考えで、それで・・・」

「わかった。それで、自分が今まで育てた部隊をクリスに預けて、俺にわたす許可までくれたのだな」

「はい」

 クリスは、沈痛な面持ちを浮かべているが、必死に笑おうとしてくれている。
 そんな表情をしなくていい・・・とは、いいたくない。クリスにも事情があるのはわかるのだが、俺がクリスの気持ちを汲み取ってなにか言ってもクリスは納得しないだろう。いや、納得したくないのだろう。
 だからこそクリスは一人で俺に向き合っているのだ。

 もう一度、二枚目の羊皮紙を見る。

 そこには、フォイルゲン辺境伯から”クラーラ”を推薦する内容が書かれていた。俺が産まれて間もない頃の話なのだろう。
 魔法と剣術に優れた人物として推薦する旨が書かれている。

 この羊皮紙は控えなのだろう。所々修正が入れられている様子が見られる。
 二枚目の最後の方に、フォイルゲン辺境伯から、ライムバッハ辺境伯への旅行のお誘いが書かれている。

”ルットマン領に、変わっているが美味しい帝国料理を出す店がある。クラーラを護衛にして、ご子息は産まれたばかりで難しいとは思うが、奥方と一緒にご子息を連れて行ってみてはどうだろう?私も娘と妻を連れて行こうと思う。お互いに忙しい身だが、帝国に行くよりはルットマン領なら近いだろう?貴殿は以前から帝国料理に興味を持っていたので、一考いただければ幸いだ”

 バレても問題ないと思われる符号だろう。

 ルットマンと帝国の繋がりを疑っている事が見えてくる。
 そこにクラーラが絡んでいる可能性があると言っているのだ。

「なぁクリス」

「はい。なんでしょう?」

「二枚目の最後だけど、どう考える?」

「それは、父を問い詰めました。父の言い分なので、全てが正しいとは限りませんが構いませんか?」

「問題ない。是非教えてくれ」

 クリスが語ったのは、やはりというか・・・、そんな前から・・・と、呆れればいいのか・・・、感心すればいいのか・・・、わからない内容だ。

 やはり、父エルマールはルットマンが帝国と繋がって居て、情報や物資を流していると思っていたようだ。
 その尻尾を掴むために、二重スパイの可能性もあるのだが”クラーラ”を食客として招き入れたのだ。実際のところはわからないが、クラーラは二重スパイではなく、帝国の裏組織の人間だったのが・・・。クラーラの目的はわからないが、ルットマンの手先では無いのだろう。

 三枚目には、父からフォイルゲン辺境伯に向けた羊皮紙だったのだ。そこには、クラーラは”ルットマン家”とは繋がっていないという結論が書かれていた。あやしい振る舞いはあるが、ルットマンや帝国との繋がりは無いと結論付けられている。三枚目が書かれた時期は不明だが、父は”クラーラ”を監視対象として懐に入れて、監視しながら帝国やルットマン子爵家を探っていたようだ。
 クラーラの様子も書かれていて、年に1-2度ほどウーレンフートのダンジョンにアタックしていると書かれていた。
 それで、フォイルゲン辺境伯は確認するために、諜報活動を専門としている者をウーレンフートに常駐させたようだ。

 フォイルゲン辺境伯と父は帝国がルットマン子爵家を使って、王国内に不協和音の芽を植え付けようとしていると考えたようだ。
 俺とクリスを連れての下りに関しては、俺とクリスが成人するまでには”かた”をつけようと考えていたということらしい。

 ライムバッハ辺境伯領は、帝国とは接していない。共和国との境界を有しているのだが、共和国よりも帝国の動きのほうが不利益になると考えていたようだ。共和国は、融和派と強硬派の権力が拮抗していたので、どちらかに肩入れする事なく見守っていれば大きな問題にはならないと考えていたようだ。
 実際、共和国は俺が産まれてから今日まで小競り合いはあるが大きく動く事は無い。帝国と共和国には火種が満載なので、定期的な戦争を行っている。多分、帝国としては共和国との戦争の”かた”がつくまで王国に手出しをしてほしくないのだろう。

「クリス。事情はわかった。これからの事も聞いておきたい」

「はい。私にわかる事でしたら?」

「わからなければ、わからないでいい。戯言だと思ってくれ」

「はい」

「なぁ父や母やユリアンネはなんで殺されたと思う?これから、どう動くと思う?」

「え?」

「ライムバッハ家の力を削ぎ落としたいと思っている勢力があった・・・。それは間違いない」

「そうですね。特に・・・」

「どの勢力なのかは、今は必要ない」

「はい・・・」

「力を削ぎ落とすのなら、殺害は悪手だと思わないか?それも、暗殺ではなく、強襲して殺害だ。実行犯もわかっている。後ろでタクトを振ったであろう者の名前も出てきてしまっている。強襲する事で誰が得した?」

「アルノルト様・・・それは・・・」

「俺が生き残った。カールは、ユリアンネの手柄だが生き残った。ライムバッハ家を支えていた家臣もほぼ全員残った。力が削ぎ落ちたと言えるか?」

「・・・」

「王国の戦力が落ちたかというと、違うだろう。変わっていない。確かに、ライムバッハ家は一時的に力を落としただろう。しかし、今はユリウスが後見人となった事や、クリス。お前達も居る。もともと、父は王宮での発言をする方ではなかった。王や宰相に意見を求められる時に、答える程度だったと聞いている」

「そうですね。派閥争いにも関心がありませんでしたし、辺境伯領を大きくしようとはお考えになっていなかったのでしょう」

「そうだ。クリス。ライムバッハ家の資料は調べたよな?」

「はい。一通り、ザシャとクヌート先生と一緒に整理しました」

「そうか、二枚目の羊皮紙は有ったか?」

「え?」

「この二枚目は、写しだろう?それが、お前の・・。フォイルゲン辺境伯の手元に残っているのはわかる。それなら、ライムバッハ家に届けられた書類はどこに行った?」

「あっ早急に戻って調べます」

「うん。クラーラが処分したのかもしれないし、違うのなら・・・」

「違うのなら?」

「ライムバッハ家の中に”どこかに”繋がっている者が居るのだろうな」

「・・・。わかりました、徹底的に調べます」

「悪いな。汚れ役を・・・」

「いえ、構いません。ユリウス様にはできない事ですし、やってはダメな事です」

「そうだな。それで、クリスはどう考える?」

「誰が得したのか・・・。ですか?」

「そうだ!」

 クリスは、目を閉じて状況を整理しているのだ。
 たっぷりと2分程度考えてから目を開けた。

「わかりません」

 クリスの答えだ。

「そうだよな。”誰も”得していないが正解なのだろう・・・。だから、おかしいと思わないか?」

「え?」

「このウーレンフートで行われた事や、ルットマンを簡単に切った事を考慮しても・・・。ライムバッハ家への襲撃は目的じゃなかったのではないか?」

「え?」

「ライムバッハ家の襲撃をして、辺境伯と関係者を殺害する。これは、襲撃者たちの目的であっただけで、本当の目的はもっと違う事じゃないのか?」

「それは・・・」

「考えすぎかもしれないけど・・・」

 冷めてしまった紅茶を口に含んだ。
 苦味が増していて不快を感じてしまった。喉を通る時に、なにかが引っかかっているように感じているのだが、それが”なに”なのかわからない不気味さを感じている。クリスは困惑した表情を浮かべるだけで、俺を見つめるだけだ。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれたおっさんはウォッシュの魔法(必須:ウィッシュのポーズ)しか使えません。~大川大地と女子高校生と行く気ままな放浪生活~

北きつね
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれた”おっさん”は、すぐにステータスを偽装した。  ろくでもない目的で、勇者召喚をしたのだと考えたからだ。  一緒に召喚された、女子高校生と城を抜け出して、王都を脱出する方法を考える。  ダメだ大人と、理不尽ないじめを受けていた女子高校生は、巻き込まれた勇者召喚で知り合った。二人と名字と名前を持つ猫(聖獣)とのスローライフは、いろいろな人を巻き込んでにぎやかになっていく。  おっさんは、日本に居た時と同じ仕事を行い始める。  女子高校生は、隠したスキルを使って、おっさんの仕事を手伝う(手伝っているつもり)。 注)作者が楽しむ為に書いています。   誤字脱字が多いです。誤字脱字は、見つけ次第直していきますが、更新はまとめて行います。

黒き叛竜の輪廻戦乱《リベンジマッチ》

Siranui
ファンタジー
 そこは現代であり、剣や魔法が存在する――歪みきった世界。  遥か昔、恋人のエレイナ諸共神々が住む天界を焼き尽くし、厄災竜と呼ばれたヤマタノオロチは死後天罰として記憶を持ったまま現代の人間に転生した。そこで英雄と称えられるものの、ある日突如現れた少女二人によってその命の灯火を消された。  二度の死と英雄としての屈辱を味わい、宿命に弄ばれている事の絶望を悟ったオロチは、死後の世界で謎の少女アカネとの出会いをきっかけに再び人間として生まれ変わる事を決意する。  しかしそこは本来存在しないはずの未来……英雄と呼ばれた時代に誰もオロチに殺されていない世界線、即ち『歪みきった世界』であった。  そんな嘘偽りの世界で、オロチは今度こそエレイナを……大切な存在が生き続ける未来を取り戻すため、『死の宿命』との戦いに足を踏み入れる。    全ては過去の現実を変えるために――

伯爵家の三男は冒険者を目指す!

おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました! 佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。 彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった... (...伶奈、ごめん...) 異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。 初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。 誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。 1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。

帰還した召喚勇者の憂鬱 ~ 復讐を嗜むには、俺は幼すぎるのか? ~

北きつね
ファンタジー
 世界各国から、孤児ばかり300名が消えた。異世界に召喚されたのだ。  異世界召喚。  無事、魔物の王を討伐したのは、29名の召喚された勇者たちだった。  そして、召喚された勇者たちは、それぞれの思い、目的を持って地球に帰還した。  帰還した勇者たちを待っていたのは、29名の勇者たちが想像していたよりもひどい現実だった。  そんな現実を受け止めて、7年の月日を戦い抜いた召喚勇者たちは、自分たちの目的を果たすために動き出すのだった。  異世界で得た仲間たちと、異世界で学んだ戦い方と、異世界で会得したスキルを使って、召喚勇者たちは、復讐を開始する。

魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~

月見酒
ファンタジー
 俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。  そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。  しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。 「ここはどこだよ!」  夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。  あげくにステータスを見ると魔力は皆無。  仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。 「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」  それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?  それから五年後。  どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。  魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!  見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる! 「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」 ================================  月見酒です。  正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

兎人ちゃんと異世界スローライフを送りたいだけなんだが

アイリスラーメン
ファンタジー
黒髪黒瞳の青年は人間不信が原因で仕事を退職。ヒキニート生活が半年以上続いたある日のこと、自宅で寝ていたはずの青年が目を覚ますと、異世界の森に転移していた。 右も左もわからない青年を助けたのは、垂れたウサ耳が愛くるしい白銀色の髪をした兎人族の美少女。 青年と兎人族の美少女は、すぐに意気投合し共同生活を始めることとなる。その後、青年の突飛な発想から無人販売所を経営することに。 そんな二人に夢ができる。それは『三食昼寝付きのスローライフ』を送ることだ。 青年と兎人ちゃんたちは苦難を乗り越えて、夢の『三食昼寝付きのスローライフ』を実現するために日々奮闘するのである。 三百六十五日目に大戦争が待ち受けていることも知らずに。 【登場人物紹介】 マサキ:本作の主人公。人間不信な性格。 ネージュ:白銀の髪と垂れたウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。恥ずかしがり屋。 クレール:薄桃色の髪と左右非対称なウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。人見知り。 ダール:オレンジ色の髪と短いウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。お腹が空くと動けない。 デール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。 ドール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。 ルナ:イングリッシュロップイヤー。大きなウサ耳で空を飛ぶ。実は幻獣と呼ばれる存在。 ビエルネス:子ウサギサイズの妖精族の美少女。マサキのことが大好きな変態妖精。 ブランシュ:外伝主人公。白髪が特徴的な兎人族の女性。世界を守るために戦う。 【お知らせ】 ◆2021/12/09:第10回ネット小説大賞の読者ピックアップに掲載。 ◆2022/05/12:第10回ネット小説大賞の一次選考通過。 ◆2022/08/02:ガトラジで作品が紹介されました。 ◆2022/08/10:第2回一二三書房WEB小説大賞の一次選考通過。 ◆2023/04/15:ノベルアッププラス総合ランキング年間1位獲得。 ◆2023/11/23:アルファポリスHOTランキング5位獲得。 ◆自費出版しました。メルカリとヤフオクで販売してます。 ※アイリスラーメンの作品です。小説の内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

ある化学者転生 記憶を駆使した錬成品は、規格外の良品です

黄舞
ファンタジー
祝書籍化ヾ(●´∇`●)ノ 3月25日発売日です!! 「嫌なら辞めろ。ただし、お前みたいな無能を使ってくれるところなんて他にない」  何回聞いたか分からないその言葉を聞いた俺の心は、ある日ポッキリ折れてしまった。 「分かりました。辞めます」  そう言って文字通り育ててもらった最大手ギルドを辞めた俺に、突然前世の記憶が襲う。  前世の俺は異世界で化学者《ケミスト》と呼ばれていた。 「なるほど。俺の独自の錬成方法は、無意識に前世の記憶を使っていたのか」  通常とは異なる手法で、普通の錬金術師《アルケミスト》では到底及ばぬ技能を身に付けていた俺。  さらに鮮明となった知識を駆使して様々な規格外の良品を作り上げていく。  ついでに『ホワイト』なギルドの経営者となり、これまで虐げられた鬱憤を晴らすことを決めた。  これはある化学者が錬金術師に転生して、前世の知識を使い絶品を作り出し、その高待遇から様々な優秀なメンバーが集うギルドを成り上がらせるお話。 お気に入り5000です!! ありがとうございますヾ(●´∇`●)ノ よろしければお気に入り登録お願いします!! 他のサイトでも掲載しています ※2月末にアルファポリスオンリーになります 2章まで完結済みです 3章からは不定期更新になります。 引き続きよろしくお願いします。

処理中です...