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聖女と聖獣と神官 17
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はい。マーガレットさんに大泣きされました。
現在トリーさんが全力でよしよし中。
あっれー?
良い事言ったドヤァで、笑いが取れるかと思ったんだけどなー。
「いや、あれで笑いは取れない。」
「そうよね、悲しいお話だったもの。」
ルーナさんとジェニファーさんが、鼻をすすりながら駄目出し。
あーお茶がうまい。
「新茶? 美味しいわー。淹れるの上手いわ。」
「ありがとうございます。」
「お砂糖無しが一番いいわー。」
お茶を淹れてくれたのは、流石のソフィアさんでした。
ティーカップってのが、馴染めないけど。
湯呑はないんだろうなぁ。
マグカップはありそうだけど、どうかなぁ。
「マグカップ、ですか。」
「そうそう。こう大きくて厚みがあってストーンした形でね、持ち手も大きくて重いのよ。」
「……酒場で使っている、ものでしょうか?」
「あらっ、あるの?」
「はい。エールを入れる、大きなカップに似ているかと。」
「もしかして湯呑、取っ手無しのカップもあったりする?」
「いえ、見た事はございません。」
「うーん。残念。」
マナー違反だけど、ずずっとお茶を飲む。
あー落ち着くわー。
懐かしいわー。
もう飲めないと思ってたから、幸せー。
「新茶も前世にあった?(意外)」
「そうね、向こうでは緑茶って名前よ。その緑茶の中でも、お茶の季節の一番初めに採れた物を指してる名前だったわ。」
「ほー。」
「へー。」
「二人とも。」
「「はいっ。」」
ぴきぴきしてるソフィアさんに、今日何度目かの雷を落とされそうな二人。
すまん、私が原因だねっ。
(あーお茶がうまい。)
「ベロニカ、ごめんね。」
顔中真っ赤なマーガレットが復活してきた。
(あらー『キッカー』様みたいな目になって、もー。)
立ったままなのを、無理やり隣に座らせる。
「わたしこそごめんね。」
「ううん。友達って、言ってくれたの、うれしかった。ごめんなさい。」
「ううん。友達ならもっと言葉を選べばよかった、ごめんね。」
またもや謝罪合戦になりかけた。
平和か。
「そうそう、マーガレットを待ってる間に、荷ほどきしてたんだけどね。」
「あっ、ごめんなさい。(ずいぶん待たせちゃったから、ごめ)」
「いいの、それはいいのよ。それでね、持ってきたドレスを処分する事にしたんだけど、そこで凄い話を聞いたの。」
長くなりそうなので、ブチ切った。
反省はしない。
それでも気にしていないようなので、続ける事に。
「すごい話?」
「(もしやマーガレット様も?)」
「いや、違うと思うよ。ジェニ腐ァー。」
「(くっ。それじゃ仲間に……。)」
「退場。」
「はい、部屋の外で宜しいですか?」
ジェニ腐ァーの真後ろに待機していたソフィアとルーナが、がっしりと両サイドから腕を抱き込む。
こくりと頷き、あとは任せる。
「ああっ仲間がっ仲間にっ。お許しをー!(せっかくの機会がぁぁぁ)」
悲壮な声をあげて部屋の外に連行される。
訳が分からないマーガレットはオロオロしている。
まっ、そのうちね。
「さて、話を戻しましょう。」
「えっ。いいんですか。あの、何が。」
「いいからいいから。でね、ドレスを処分するとこまでは話したわね。」
「え、ええ。でも、大丈夫なんですか?」
「大丈夫なのよ! 神殿でね、ドレスを貸して貰えるんですって。」
「まぁ! ドレスを? 借りる? できるんですか?」
驚いてる精霊さんに先ほど聞いた話を、やや伏せて話す。
後ろでトリーが警戒してる。余計な事を言いそうなら、止めてくれるはずよね。心強いわ。
「すごいですね、ドレス作りの名人ですか。三十着もあるなんて。」
「そっ! だから一着くらいは、好みの物があるかもしれないわ。だから、古いドレスとはさよならよ。」
「ふわぁぁぁ。わたし、が、借りても?」
「大丈夫に決まってるじゃない! 綺麗に返せば良いだけよ。」
「そっか、借りるだけなら……。また誰かが着る事ができますね。」
ほう。”借りる”のは、敷居が低いのね。
うんうん言いながら、考えてる精霊さん。可愛い。
チラリとトリーを見ると、目がきらりと光った気がした。
(使える、わね。)
「(はい、使いましょう)」
そこでトリーにも、伝える事があったのを思い出した。
「そうそう、夕食は部屋で食べる事にしたわ。マーガレットもそれでいいわよね?(さすがにその目はマズいわ。)」
「あっ。そうですね。そうします。(泣いた事、わかりますよね。)」
「どちらのお部屋で召し上がりますか?」
「あ、あのっ。わ、たしの部屋でっ。(わたしの部屋!)」
「そうね、マーガレットの部屋で頂きましょうか。」
現在トリーさんが全力でよしよし中。
あっれー?
良い事言ったドヤァで、笑いが取れるかと思ったんだけどなー。
「いや、あれで笑いは取れない。」
「そうよね、悲しいお話だったもの。」
ルーナさんとジェニファーさんが、鼻をすすりながら駄目出し。
あーお茶がうまい。
「新茶? 美味しいわー。淹れるの上手いわ。」
「ありがとうございます。」
「お砂糖無しが一番いいわー。」
お茶を淹れてくれたのは、流石のソフィアさんでした。
ティーカップってのが、馴染めないけど。
湯呑はないんだろうなぁ。
マグカップはありそうだけど、どうかなぁ。
「マグカップ、ですか。」
「そうそう。こう大きくて厚みがあってストーンした形でね、持ち手も大きくて重いのよ。」
「……酒場で使っている、ものでしょうか?」
「あらっ、あるの?」
「はい。エールを入れる、大きなカップに似ているかと。」
「もしかして湯呑、取っ手無しのカップもあったりする?」
「いえ、見た事はございません。」
「うーん。残念。」
マナー違反だけど、ずずっとお茶を飲む。
あー落ち着くわー。
懐かしいわー。
もう飲めないと思ってたから、幸せー。
「新茶も前世にあった?(意外)」
「そうね、向こうでは緑茶って名前よ。その緑茶の中でも、お茶の季節の一番初めに採れた物を指してる名前だったわ。」
「ほー。」
「へー。」
「二人とも。」
「「はいっ。」」
ぴきぴきしてるソフィアさんに、今日何度目かの雷を落とされそうな二人。
すまん、私が原因だねっ。
(あーお茶がうまい。)
「ベロニカ、ごめんね。」
顔中真っ赤なマーガレットが復活してきた。
(あらー『キッカー』様みたいな目になって、もー。)
立ったままなのを、無理やり隣に座らせる。
「わたしこそごめんね。」
「ううん。友達って、言ってくれたの、うれしかった。ごめんなさい。」
「ううん。友達ならもっと言葉を選べばよかった、ごめんね。」
またもや謝罪合戦になりかけた。
平和か。
「そうそう、マーガレットを待ってる間に、荷ほどきしてたんだけどね。」
「あっ、ごめんなさい。(ずいぶん待たせちゃったから、ごめ)」
「いいの、それはいいのよ。それでね、持ってきたドレスを処分する事にしたんだけど、そこで凄い話を聞いたの。」
長くなりそうなので、ブチ切った。
反省はしない。
それでも気にしていないようなので、続ける事に。
「すごい話?」
「(もしやマーガレット様も?)」
「いや、違うと思うよ。ジェニ腐ァー。」
「(くっ。それじゃ仲間に……。)」
「退場。」
「はい、部屋の外で宜しいですか?」
ジェニ腐ァーの真後ろに待機していたソフィアとルーナが、がっしりと両サイドから腕を抱き込む。
こくりと頷き、あとは任せる。
「ああっ仲間がっ仲間にっ。お許しをー!(せっかくの機会がぁぁぁ)」
悲壮な声をあげて部屋の外に連行される。
訳が分からないマーガレットはオロオロしている。
まっ、そのうちね。
「さて、話を戻しましょう。」
「えっ。いいんですか。あの、何が。」
「いいからいいから。でね、ドレスを処分するとこまでは話したわね。」
「え、ええ。でも、大丈夫なんですか?」
「大丈夫なのよ! 神殿でね、ドレスを貸して貰えるんですって。」
「まぁ! ドレスを? 借りる? できるんですか?」
驚いてる精霊さんに先ほど聞いた話を、やや伏せて話す。
後ろでトリーが警戒してる。余計な事を言いそうなら、止めてくれるはずよね。心強いわ。
「すごいですね、ドレス作りの名人ですか。三十着もあるなんて。」
「そっ! だから一着くらいは、好みの物があるかもしれないわ。だから、古いドレスとはさよならよ。」
「ふわぁぁぁ。わたし、が、借りても?」
「大丈夫に決まってるじゃない! 綺麗に返せば良いだけよ。」
「そっか、借りるだけなら……。また誰かが着る事ができますね。」
ほう。”借りる”のは、敷居が低いのね。
うんうん言いながら、考えてる精霊さん。可愛い。
チラリとトリーを見ると、目がきらりと光った気がした。
(使える、わね。)
「(はい、使いましょう)」
そこでトリーにも、伝える事があったのを思い出した。
「そうそう、夕食は部屋で食べる事にしたわ。マーガレットもそれでいいわよね?(さすがにその目はマズいわ。)」
「あっ。そうですね。そうします。(泣いた事、わかりますよね。)」
「どちらのお部屋で召し上がりますか?」
「あ、あのっ。わ、たしの部屋でっ。(わたしの部屋!)」
「そうね、マーガレットの部屋で頂きましょうか。」
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