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お似合いの二人
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──────────都内ビル
「お疲れ様でしたー」
「お先失礼します!」
「おう!おつかれー」
「あっ紫郎ー!後ちょっとで俺も終わるから飲みに行こうぜ」
「いやっ、今日はやめとくわー」
「なんだよー。女か?女だろ」
「部分的にそうだよ」
「なんだその、某有名なアプリのランプの魔人の選択肢に出てくる返答は」
「いつもキレッキレのツッコミをありがとう」
「また誘ってくれ。じゃあな」
「おう」
「──紫郎にもやっと春が来たか」
↑彼女持ちである
「聞こえてんぞ」
「スイマセーン」
紫郎はエレベーターの中へと入っていく
※※※
「ただいまー」
靴が二足ある──ということは。
「おかえり紫郎さん!」
「おかえりなさい。お邪魔してま~す♪」
やっぱりか。
「今朝の件は本当にすみませんでした」
「話は小眞恥ちゃんに聞きました」
「私の勝手な勘違いです....すいません」
咲雪さんは深々と頭を下げた。
「頭を上げてください!」
「元々は小眞恥が悪いんですから」
「何か私に出来ることがあったらなんでも言ってください!」
「じゃあ......小眞恥の面倒見てもらってもいいですか?」
「俺、朝から夜まで仕事だから。こいつ学校、行ってないんで昼間の間だけでもお願いしてもいいですか?」
「えっ、学校行ってないんですか?」
「突然こいつは俺の家に押しかけてきて
一緒に住もうって行ってきたんですよ」
「それから警察とかも考えたんですけど色々あって、養子として俺の家に来てるんで学校は行けてないんですよ」
「なるほどです。了解しました!」
「じゃあ私と一緒に保育園行きますか?」
「「保育園??」」
「私、保育士なんですよ」
「だから紫郎さんがいない時は私に任せてください!」
「えっでも大丈夫なんですか?」
「園長先生に連絡しとけば大丈夫よ!」
「ありがとうございます!!」
「じゃあこれからは紫郎さんがいない時は私を頼ってね!小眞恥ちゃん♪」
「はい!お願いします!」
これで小眞恥は安全だし俺も仕事に集中出来るな。
「それはそうと夜ご飯どうする?」
「咲雪さんも食べてないなら一緒に食べませんか?」
「食べま~す!」
「じゃあなんか軽く作れて美味しいものを」
そう言いながらキッチンへ向かう。
「私も手伝います!」
「小眞恥はダメだ」
「なんでー!」
「今朝のこと忘れてないか?」
「そうだった...見た目はいいのに何故か不味くなるんですよねー」
「じゃあ私が手伝います!」
「ありがとうございます!」
「まず、何を作るんですか?」
「うーん。オムライス..かな」
「オムライス!良いですね♪」
「でも俺作ったことないんだよな」
「そうなんですか~」
「じゃあ私が教えてあげますね♪」
「料理できるんですね」
「そりゃあもう立派な大人ですから!」
「それじゃあよろしくお願いします!」
「はい!お願いされました♪」
紫郎さんと咲雪さん。
一瞬で仲良くなってる......相性抜群!
小眞恥悪いことを考えていた。
「お二人さん!お似合いですね♪」
小眞恥がそう言った瞬間、二人は食材を切っていたらしく、次の食材を取ろうとした時、手と手が触れて見つめあってしまっていた。
やばい、胸がドキドキする。
どうしてこんなに鼓動が早くなってるんだろう。
もうイチャイチャしてるじゃん!
「二人ともお似合いすぎ!こんな子供の前でもイチャイチャするなんて///」
「「はっ!!」」
二人ともササッと手を離して食材を取り、
切ろうとしたその時...
あまりにも動揺していたのか指を少し切ってしまって、血が出てきた。
「っっ!!痛った!」
紫郎はすぐ包丁を離して、水で洗い流し
救急箱の中から絆創膏を取って、貼ろうと
するが片手では上手く貼れない。
「私が貼りましょうか?」
「あっ、お願いします」
「はいっこれで大丈夫!」
「ありがとうございます」
「それにしても、絆創膏を貼るまでの手順完璧です!」
「きっと、危機管理能力が元々高い方なんですね!」
「そうかもしれないな」
確かに咲雪さんに言われるまで気づかなかったな。色々思い当たる節あるし...
「よし!じゃあ気を取り直して続きを...」
「紫郎さんは休んでてください」
えっ?
「私が作ります!」
「いやっ、でもそんなの申し訳ないです」
「指、切ったので退場です」
「傷のこと心配してくれてるのは嬉しいですけど、全然大丈夫ですよ?」
退場......?
「ここで腕を見せることによって、
小眞恥ちゃんの料理を教えてあげれる事を証明するっていうのでどうですか?」
「どうしても手伝わせてくれないじゃないですか......」
「──もうそれで大丈夫ですよ」
「やったー!じゃあ見ててくださいね!」
「分かりましたよ」
※※※
「はい!出来ました~」
そう言いながらテーブルの上に、
出来上がったオムライスを置いてくれる。
「おおー!凄いな」
めちゃくちゃ綺麗なオムライスだ。
卵がぐちゃっとしてることもなく、綺麗なオムライス。
「調味料はお好みでどうぞ~」
「ありがとうございます!」
「いえいえ~♪」
「それじゃあ食べよっか」
「うん!」
「「いただきます!!」」
「どうぞ召し上がれ~」
はむっ、うん!うん!
「どうですか?」
「美味しいよ!咲雪さん!」
「美味しい!」
「良かった~♪」
「紫郎さんも小眞恥ちゃんも美味しいって言ってくれて♪」
「じゃあ私も!」
「いただきます!」
「うーん、美味しいですね!」
「でもぉー、こうすればもっと良かったみたいなとこが、自分の料理だといっぱい出てくるんですよね~」
「なんというか、素直に褒めれない感じ?」
「自分に厳しいですね」
「そうしないと、ずっとダラけてしまいそうで......。──でも!二人が美味しいって言ってくれて少しは自分を褒めてもいいかなって思ってます!」
咲雪さんはニコッと笑った。
まだ自分の料理に不満を抱いてそうだが、
それはもう!周りの皆を一瞬で笑顔に出来そうなぐらい可愛すぎる笑顔。
オムライスは一瞬で無くなった、優檜紫郎の口の中に。
※※※
「おーい、小眞恥ー。起きろー」
「咲雪さん帰っちゃうぞー!」
「んっ!はい!どこ?」
「玄関だ。明日お世話になるんだから、よろしく伝えてこい」
「分かったー!」
「咲雪さん!」
「はい!なんでしょう?」
「明日、よろしくお願いします!」
「俺からも、お願いします」
「こちらこそよろしくお願いします♪」
「じゃあまた明日!」
「二人ともおやすみなさい♪」
「よし!じゃあお風呂入って寝るか!」
「うん!歯磨きも忘れずにね!」
「お疲れ様でしたー」
「お先失礼します!」
「おう!おつかれー」
「あっ紫郎ー!後ちょっとで俺も終わるから飲みに行こうぜ」
「いやっ、今日はやめとくわー」
「なんだよー。女か?女だろ」
「部分的にそうだよ」
「なんだその、某有名なアプリのランプの魔人の選択肢に出てくる返答は」
「いつもキレッキレのツッコミをありがとう」
「また誘ってくれ。じゃあな」
「おう」
「──紫郎にもやっと春が来たか」
↑彼女持ちである
「聞こえてんぞ」
「スイマセーン」
紫郎はエレベーターの中へと入っていく
※※※
「ただいまー」
靴が二足ある──ということは。
「おかえり紫郎さん!」
「おかえりなさい。お邪魔してま~す♪」
やっぱりか。
「今朝の件は本当にすみませんでした」
「話は小眞恥ちゃんに聞きました」
「私の勝手な勘違いです....すいません」
咲雪さんは深々と頭を下げた。
「頭を上げてください!」
「元々は小眞恥が悪いんですから」
「何か私に出来ることがあったらなんでも言ってください!」
「じゃあ......小眞恥の面倒見てもらってもいいですか?」
「俺、朝から夜まで仕事だから。こいつ学校、行ってないんで昼間の間だけでもお願いしてもいいですか?」
「えっ、学校行ってないんですか?」
「突然こいつは俺の家に押しかけてきて
一緒に住もうって行ってきたんですよ」
「それから警察とかも考えたんですけど色々あって、養子として俺の家に来てるんで学校は行けてないんですよ」
「なるほどです。了解しました!」
「じゃあ私と一緒に保育園行きますか?」
「「保育園??」」
「私、保育士なんですよ」
「だから紫郎さんがいない時は私に任せてください!」
「えっでも大丈夫なんですか?」
「園長先生に連絡しとけば大丈夫よ!」
「ありがとうございます!!」
「じゃあこれからは紫郎さんがいない時は私を頼ってね!小眞恥ちゃん♪」
「はい!お願いします!」
これで小眞恥は安全だし俺も仕事に集中出来るな。
「それはそうと夜ご飯どうする?」
「咲雪さんも食べてないなら一緒に食べませんか?」
「食べま~す!」
「じゃあなんか軽く作れて美味しいものを」
そう言いながらキッチンへ向かう。
「私も手伝います!」
「小眞恥はダメだ」
「なんでー!」
「今朝のこと忘れてないか?」
「そうだった...見た目はいいのに何故か不味くなるんですよねー」
「じゃあ私が手伝います!」
「ありがとうございます!」
「まず、何を作るんですか?」
「うーん。オムライス..かな」
「オムライス!良いですね♪」
「でも俺作ったことないんだよな」
「そうなんですか~」
「じゃあ私が教えてあげますね♪」
「料理できるんですね」
「そりゃあもう立派な大人ですから!」
「それじゃあよろしくお願いします!」
「はい!お願いされました♪」
紫郎さんと咲雪さん。
一瞬で仲良くなってる......相性抜群!
小眞恥悪いことを考えていた。
「お二人さん!お似合いですね♪」
小眞恥がそう言った瞬間、二人は食材を切っていたらしく、次の食材を取ろうとした時、手と手が触れて見つめあってしまっていた。
やばい、胸がドキドキする。
どうしてこんなに鼓動が早くなってるんだろう。
もうイチャイチャしてるじゃん!
「二人ともお似合いすぎ!こんな子供の前でもイチャイチャするなんて///」
「「はっ!!」」
二人ともササッと手を離して食材を取り、
切ろうとしたその時...
あまりにも動揺していたのか指を少し切ってしまって、血が出てきた。
「っっ!!痛った!」
紫郎はすぐ包丁を離して、水で洗い流し
救急箱の中から絆創膏を取って、貼ろうと
するが片手では上手く貼れない。
「私が貼りましょうか?」
「あっ、お願いします」
「はいっこれで大丈夫!」
「ありがとうございます」
「それにしても、絆創膏を貼るまでの手順完璧です!」
「きっと、危機管理能力が元々高い方なんですね!」
「そうかもしれないな」
確かに咲雪さんに言われるまで気づかなかったな。色々思い当たる節あるし...
「よし!じゃあ気を取り直して続きを...」
「紫郎さんは休んでてください」
えっ?
「私が作ります!」
「いやっ、でもそんなの申し訳ないです」
「指、切ったので退場です」
「傷のこと心配してくれてるのは嬉しいですけど、全然大丈夫ですよ?」
退場......?
「ここで腕を見せることによって、
小眞恥ちゃんの料理を教えてあげれる事を証明するっていうのでどうですか?」
「どうしても手伝わせてくれないじゃないですか......」
「──もうそれで大丈夫ですよ」
「やったー!じゃあ見ててくださいね!」
「分かりましたよ」
※※※
「はい!出来ました~」
そう言いながらテーブルの上に、
出来上がったオムライスを置いてくれる。
「おおー!凄いな」
めちゃくちゃ綺麗なオムライスだ。
卵がぐちゃっとしてることもなく、綺麗なオムライス。
「調味料はお好みでどうぞ~」
「ありがとうございます!」
「いえいえ~♪」
「それじゃあ食べよっか」
「うん!」
「「いただきます!!」」
「どうぞ召し上がれ~」
はむっ、うん!うん!
「どうですか?」
「美味しいよ!咲雪さん!」
「美味しい!」
「良かった~♪」
「紫郎さんも小眞恥ちゃんも美味しいって言ってくれて♪」
「じゃあ私も!」
「いただきます!」
「うーん、美味しいですね!」
「でもぉー、こうすればもっと良かったみたいなとこが、自分の料理だといっぱい出てくるんですよね~」
「なんというか、素直に褒めれない感じ?」
「自分に厳しいですね」
「そうしないと、ずっとダラけてしまいそうで......。──でも!二人が美味しいって言ってくれて少しは自分を褒めてもいいかなって思ってます!」
咲雪さんはニコッと笑った。
まだ自分の料理に不満を抱いてそうだが、
それはもう!周りの皆を一瞬で笑顔に出来そうなぐらい可愛すぎる笑顔。
オムライスは一瞬で無くなった、優檜紫郎の口の中に。
※※※
「おーい、小眞恥ー。起きろー」
「咲雪さん帰っちゃうぞー!」
「んっ!はい!どこ?」
「玄関だ。明日お世話になるんだから、よろしく伝えてこい」
「分かったー!」
「咲雪さん!」
「はい!なんでしょう?」
「明日、よろしくお願いします!」
「俺からも、お願いします」
「こちらこそよろしくお願いします♪」
「じゃあまた明日!」
「二人ともおやすみなさい♪」
「よし!じゃあお風呂入って寝るか!」
「うん!歯磨きも忘れずにね!」
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