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押しかけ少女

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さあこれで最後っと。
結構かかってしまったな。
もうほぼ夜だぞ。

ここから俺の新しい生活が始まるのか。
社会人二年目にしてやっと新居に引越し。

俺がいないと生活できないって、どんだけ家事したくないんだ。俺の家族は。

そう思っているとチャイムが鳴る。
ピンポーン!ピンポーン!

引越しのトラック見ただろ。
気を使って挨拶なんてべつにいいのに。

はいはいどなたですか?

この時なぜ普通にドアを開けてしまったのか。
覗き穴やモニターフォンから応答したり、
見れば良かった。

え?.....................

困惑しすぎて俺の体内時計が止まっていた。

そこに居たのはまだ小学校6年生?いや、中学生ぐらいの女の子。

「どこから来たの?部屋間違えてない?」
「ここであってるよ」

まじか.......
とにかく何もわからんから質問攻めだ。

「親御さん達は近くにいるのかい??」
「近くにはいないよ」
「どうしてこの部屋にきたの?」
「あなたが1番良さそうだったら」
「良さそうってなにが?」
「一緒に居て1番気軽にできそうだったから」

「まさかとは思いますがこの部屋に一緒に住むなんて言いませんよね??」

「察しが早くて助かります」
「これからよろしくお願いします」

「いやいやいやいやそうはならんでしょ!」
「なってるんですよ」
「普通なりませんよ!」

「とりあえずお邪魔させていただきます」
「いや、入らせませんよ」

「普通逆ですよ。女の子、それもまだ幼い子が誰かも分からない男の家に入ってくる方がおかしいですよ!」

「入れさせてくれないんですね」
「そりゃそうだ」

「それが当たり前だ」

「それじゃあ私はこのまま野宿ですね」
「なんでだよ」

「夜は凄く寒いらしいので、すぐにでも寒さを凌げる場所が見つかればいいんですけどね......」
「このままだと死んでしまいそうです」

「1つ聞きたいんだが、自分の家は?」
「色々あって今はないです」

「「・・・・・・・」」

どんな色々があったら家が無くなるんだ。
うーん。それにしてもかなりきつい状況。
一旦家に入ってもらって、今日はもう遅いから明日の朝に警察にでも行けばなんとかなるか。

「・・うん。まぁ入れ」
「やったぁ!入りますね♪」

「切り替えはやっ!!」

「結構部屋自体は綺麗ですね」
「そりゃ引っ越してきてまだ1日もたってないからな」

「そうなんですね!」
「何を笑ってるんだ?」

「いや、なんでもないですよ」
「大変だなぁと思っただけなので」

「っふふ」
「思わずフフフ笑いをしてしまいそうです」

「うん。もうしてるよね?」

「てか主にお前が急に俺の家に来て、いきなり一緒に住むなんて言うからですよね??」

主にお前が原因だってのもあるけど、中々に疲れたな引っ越し作業。
何もしたくねぇ……

「ふふっ♪」
「ご飯とかってどうします?」
「もう夜ですけど」

こいつしれっとご飯の話に。

「当然引越ししたてだから食材は何も無いし作ることはできないぞ」

「料理とかするんですね!えぇっと…」

「名前はなんて言うんですか?」
「そういや教えてなかったな」

「俺の名前は優檜紫郎」
「先に言っておくが呼び方はなんでもいいぞ」

「お前の名前は?」

「小野町小眞恥です」
「私も呼び方はなんでも大丈夫です」

「わかった」

「じゃあとりあえずお腹も空いたしなんか買いに行くか」

「はい!」

「あっ…でも私、お金持ってないです…」
「え......まあ俺が払うから大丈夫」

「──ありがとうございます」
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