クズ

クズ

　チョロい女だった。俺がちょっと優しい言葉をかけただけで、顔を真っ赤にして動揺していた。少し遊んでやろう、そう思った。ここ最近女とセックスしてなかったし、初心な後輩もたまには悪くない。
　それから俺は、女をいいように利用した。好きなときに呼びだし、好きなだけハメた。行為中、罪悪感を感じないわけではなかったが、俺みたいなクズ相手に簡単に股を開くなんてロクな女じゃないと思ったら、罪悪感はどこかに消え去った。
　女が段々重くなってきたので、捨てることにした。女は泣きながら何かをわめいていたが、内容は聞き取れなかった。捨てた捨てられたなんて、よくあることだ。何も珍しい話じゃない。むしろ、バカな女に男女のルールを教えてあげたのだから、感謝してほしいくらいだ。
　その後、彼女は自ら手首を切って死んだ。遺書には「貴方を愛しています」とだけ書かれていたらしい。
　それ以来、俺は若い女を見ると彼女のことを思い出してしまい、震えが止まらなくなるのだった。彼女の元へ会いに行く日は、そう遠くないだろう。