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【第一章】 乙女ホラーゲームの悪役なんて願ってない!

第1話

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「何をしてでも、私は彼らを救ってみせる!」

 そう宣言する私を、目の前の相手は同情した瞳で見つめている。
 対立しているというのに、彼が私に向けているのは敵意ではなく、あくまでも同情。

「その道を進むと、君は悪になってしまう。多くの人間は君のことを支持しないよ」

「悪で結構! たとえ悪だとしても、私は私の信じる道を進むわ!」

「……何も茨の道を進まなくても。ただ見て見ぬ振りをすればいい。そうすれば王国は繫栄し、君だって幸せに生きられる」

「いいえ。目を閉じたまま生きても、幸せになんかなれないわ!」

「その道を進んだ結果、君は死に、さらに悪として人々に恨まれる。それのどこが幸せだと言うんだい?」

「少なくとも、私は自分の正義のために戦える。それが“生きる”ということよ!」

 彼は私を説得することが出来ないと悟ると、肩を落とした。

「後ろにいる君たちも、同じ気持ちかい?」

 私の後ろに控える仲間たちが、各々剣や杖を握る手に力を込めた。

「……彼らは戦う気らしいよ、ウェンディ」

「やっぱり、あなたと私は同時には幸せになれない運命のようですね。ローズ!」

 ウェンディが両手を前に出し、私に向けた。

「あなたも敵対するのね。あなたとは友好的な関係を築きたかったのだけれど」

「友好的な関係? 自分の胸に手を当てて、それが可能だったのか考えてみたらどうですか!?」

「……アハッ、無理ね。私、あなたには悪いことをいっぱいしたもの。悪役令嬢らしくね!」

 私はウェンディに対する自身の言動を思い出し、高らかに笑った。
 きっと今の私の姿は、ゲームの悪役令嬢であるローズ・ナミュリーそのものだろう。

「どうやら遠慮をする必要はないようですね」

「遠慮をして勝てる相手だと思われていたなんて。失礼ではなくて?」

 私も他のみんなと同じように、相手に向かって杖を向けた。
 これが最後の戦いだ。
 私が“目を開けて生きる”ための、“人生を賭けた戦い”!

「私はもう逃げない! 誰が相手でも戦うわ。己が正義のために!」



――――――ガチャリ。





***********





 知らない天井、知らないベッド、知らない部屋。

 まず思い浮かんだのは病院。すぐに死に損なったことに舌打ちをしそうになった。
 しかし、舌打ちは出て来なかった。その前にこの部屋の違和感に気付いたからだ。
 病院にしては、どうにもおかしい。色鮮やかな部屋の装飾がとても病院とは思えない。

 加えて身体のどこも痛くない。
 麻酔が効いているのかとも思ったが、腕も脚も頭も包帯を巻かれている様子はない。

 あの高さから落下して無傷などあり得るだろうか。いや、あり得ない。
 確実に死ねるだろうからあそこを選んだのだし、そもそも私は運動神経の良い方ではない。

 それなら、この状況は何だ。

 わけの分からないまま、とりあえず身体を起こしてみると、パサッと黒い髪が落ちてきた。

「……え?」

 ショートカットのはずの私の頭からなぜ長い黒髪が生えているのだろう。

 まさかそれほど長い間治療を受けていた?

 それなら傷が完治していることにも、ここが病院ではないことにも説明がつく。

「やっぱり死に損なったのね」

 何をやっても上手くいかない私は、自殺ですら上手く出来ない。
 自分に嫌気がさす。

 ため息をつきながら鏡を探した。
 そうして見つけた鏡に映っていたのは……。

「は? なに、これ」

 鏡に映る長い黒髪に紫色の目をした少女は、私の声に合わせて口を動かしている。
 慌てて自身の顔を触ると、鏡の前の少女も自分の顔を触った。鏡なのだから当然だ。
 だからおかしいのは鏡ではなく。

「……私、美少女になってる」

 パニックになった人間は意味不明の行動をとるということを、私は今日、身をもって知ることになった。
 それから数十分、私は鏡の前で色々なポーズをとっていたのだ。
 可愛いポーズにセクシーなポーズ、笑った顔にすまし顔。どんな表情どんなポーズをしても様になる。
 可愛いというよりは目元の冷ややかな美人系の顔立ちだが、顔面が整っていることには違いない。
 こんなに鏡を見たのは生まれて初めてかもしれない。

「すごい。何をやっても美しい。神に祝福されし顔だわ」

 ぼそりと呟くと、目の前の少女も呟いた。
 どういうわけか私がこの美少女になっていることは、もはや疑いようのない事実だろう。

「でもこの顔、どこかで見たような」

 この顔の人物のことを、美少女なのに無表情でもったいない、と思っていた気がする。
 でも悪役だから仕方ないか、とも。
 …………ん? 悪役?

「そうよ! この顔は『死花の二重奏』に出てくる悪役令嬢のローズ・ナミュリーだわ!」

 ということは、私は話題の異世界転生をしてしまったということだ。

「一体どうして……というか、なぜよりにもよってこのゲームに転生しちゃったの!?」


   *   *   *


 『死花の二重奏』は、私が一時期ハマっていた乙女ゲームだ。
 乙女ゲーム戦国時代の中で、普通の乙女ゲームでは売れないと判断したとある会社が作ったホラー系の乙女ゲーム。
 その試みが成功したかと言うと、微妙な売り上げに終わったらしい。
 乙女ゲームにハマる層はホラーゲームを求めてはいないというのが大きな要因だろう。

 『死花の二重奏』はハーマナス学園に通う主人公ウェンディが学園内外で起こる事件を解決しながら攻略対象たちと距離を縮めるというストーリーだ。
 そのため結構な人数の人間が死ぬ。特にバッドエンドでは、学園が『死よりの者』に占拠されて滅茶苦茶になる。
 乙女ゲームなのに。

 攻略対象たちとハッピーな学園生活を満喫したいと思っていたプレイヤーには、この展開は大変に不評だった。
 私もあまり好みのストーリー展開ではないが、しかしそれでもゲームをプレイしたくなる魅力がこのゲームの攻略対象にはあったのだ。

 具体的には、攻略対象のキャラビジュアルと人気声優の起用!

 ちなみに私はウェンディルートで攻略対象全員の攻略ボイスと攻略スチルイラストをゲットした。あまりに目と耳が幸せすぎて溶けるかと思った。

 そういえばこのゲームは乙女ゲームでホラーゲームということばかり押し出していたが、もう一点変わっていることがある。

 このゲームでは二周目から、悪役令嬢であるローズ・ナミュリーでプレイするルートが開放されるのだ。

 「ローズルートをプレイすることでこのゲームの背景が分かる」「ローズルートからがこのゲームの本番だ」などと言われていたが、私はやっていない。
 ひたすらウェンディルートだけを周回した。理由は簡単。悪役令嬢のローズが嫌いだからだ。

 ウェンディルートでは、攻略対象がウェンディに優しくしようとすると、必ずと言っていいほどローズが邪魔をしてくる。
 それだけではなく、夜中にウェンディの部屋を訪ねてワガママを言ってきたり、休日に町でウェンディを追い回したりと、やりたい放題だ。

 極めつけにローズは学園で起こる一連の事件の犯人でもある。
 『死よりの者』と呼ばれる魔物を召喚して人間たちを襲わせていたのだ。
 その報いとして、婚約者のエドワルド王子から婚約破棄と死刑を言い渡される場面では胸がスカッとした。
 こんな人物でプレイするなんて、選択肢にすら上がらなかった。

 それなのに。

「私、ローズになっちゃったのよね」

 なおウェンディがどの攻略対象を選んでも、ローズは事件の犯人として死刑を言い渡される。
 ちなみにゲームの中で死刑は執行されない。
 その前にローズが自室で息を引き取った状態で見つかるからだ。
 遺書には『もう終わる』とのみ書かれていた。
 その言葉通り、学園で起こっていた事件はローズの死と同時にぴたりと止んだ。
 動機については、死人に口無し状態で明かされない。

 ローズルートをプレイするとゲームの背景が分かると言われているのは、このあたりのことが判明するからだろう。

「どうせ転生するならウェンディがよかったな」

 ……いや、元の世界で自殺を図った私には同じく自殺をするローズがお似合いか。

 普通なら、いきなり死に直面したときに別世界に転生したら喜ぶのだろう。
 どのような形であれ死から逃れられたのだから。

 しかし、私は自殺だ。
 死にたかったのだ。

 転生したこの世界には、暴力的な父親も、私をいじめてくる上司もいない。
 それでも完全に死ぬつもりでいたから、父親も上司もいない世界だからよし生きよう!とはなかなか切り替えられない。

「死ぬにはまた飛び降りなきゃいけないってことよね。あれ、すごく勇気がいるのに」

 私は自室のドアを開けると廊下を歩いた。
 予想した通りここは『死花の二重奏』の舞台であるハーマナス学園の女子寮だ。
 それなら屋上への道はよく知っている。

 私はスムーズな歩みで女子寮の屋上へと辿り着いた。
 早朝なせいか廊下には誰もおらず、屋上に辿り着くまで誰ともすれ違うことはなかった。
 ドアノブに手をかけると、鍵は施錠されておらず、ドアは簡単に開いた。

「…………いい風ね」

 勢いよく吹いた風が長い黒髪をなびかせる。
 私は髪をかき分けながらまっすぐに歩を進めた。
 屋上から見る空は、雲一つなくどこまでも続く青空だった。

「たしかあの日もこんな青空だったっけ」

 あの日。私が元いた世界で見た最後の景色。

「誰か一人でも、私の死を悲しんでくれたかな」

 想像をしてみたが、誰一人として私の死を悲しんでいる様子は思い浮かばなかった。
 私の死を気にも留めない父親、仕事が増えると文句を言う上司、悪態をつきながら道路の掃除をする清掃員。
 そんな様子ばかりが思い浮かんでしまう。

「……まあいっか」

 どうせもう私には関係ない。
 それにしても。こっちの世界で見る最後の景色も青空だなんて、少し皮肉だ。
 私は肺いっぱいに澄んだ空気を吸い込んでから屋上の柵に手をかけた。
 そのときだった。

「だめーーー!!」

 女子寮中に響き渡るような大声とともに、ものすごい勢いで後ろに引っ張られた。







――――――――――――――――――――

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30万字程度で完結する物語にする予定です。これからよろしくお願いします^^
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