気まぐれホラー

黒色の猫

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本当に怖いのは… 中編

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 クローゼットを開ける。
 だけどクローゼットの中には、誰もいなかった。

「いるわけないか… 気にしす… ぎ…」

 ふと、クローゼットの中身に違和感を感じる。

「何だが、いつもと違うような…」

 あの人の荷物がないから?
 でも、何だが違うような気が…

「あれ? この段ボール…」

 そこには、見覚えのある段ボールが置いていた。

「これも… これも…」

 どの段ボールにも、見覚えがあるだけでなく、ある共通点がある。

「これって、全部、ベッドの下に置いていた筈じゃ… あ…」

 私は、すぐにベッドの方へ振り返る。
 背中に冷たい汗が流れるのを感じる。
 私は、玄関に通じる入り口の方へゆっくりと移動し、その場にしゃがみこみ、ベッドの下を覗いてみる。

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 私は、脇目も降らずに玄関へ駆け出し、靴も履かずに外へと飛び出した。
 ベッドの下には、私を見つめる顔が見えたからだ。





 気づけば、アパート近くの公園まで来ていた。
 私は、深呼吸をし気持ちを落ち着かせ、警察へと電話する。
 私は、警察にあった事を伝えると、警官が公園まで来てくれた。

「貴方が、通報された人ですね。怖いと思いますが、現場まで案内して頂いても宜しいですか?」

 パトカーから降りてきた警官は、優しい声でそう聞いてきた。

「は… はい。お願いします」

 私も、パトカーに乗り込み、私の案内でアパートへ戻る。

「こっちです」

 2人の警官を連れて、玄関の前までやってくる。

「こ… ここです」

「分かりました。私たちが、先行しますので、すみませんが後ろからついて来て貰っても宜しいですか?」

「は… はい」

 私の返事を聞いて、警官は部屋の中へと入っていく。鍵は、そのままだった。
 警官は、トイレやお風呂場など玄関に近い場所から確認してくれる。

「いませんね…」

「はい…」

「たぶん逃げたのかも知れませんが、一応部屋も確認させて貰いますね」

「はい。お願いします」

 警官の後ろから、部屋の中を確認するも、出て来た時と変わりはないようにみえる。

「あのベッドの下に、人がいたんですね」

 警官の1人がそう確認してきたので、答える。

「はい、そうです…」

「分かりました。貴方は、一応ここにいて下さい」

 警官は、ベッドに近づいてしゃがみこみ、ベッドの下を見る。

「うわっ!!」

 ベッドの下を見た警官が短い叫び声をあげる。

「どうした!!」

 私の近くに待機していた警官が尋ねる。

「ひ… 人がベッドの下にいます!!」

「嘘!!」

「何!!」

 私だけでなく、2人目の警官も驚く。
 2人目の警官は、1人目と入れ替わりに、ベッドの下を確認し、驚愕の顔を浮かべながら、

「おい、お前何してる。そこから、出てこい!!」

 ベッドの下にいる人に話しかける。
 だけど、返事は返ってこない。
 それに、不審がった警官が、勇敢にもベッドの人物にむけて、手を伸ばし少しして引っ込めた。
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