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閑話・待ったをかけた理由

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 レジーナより待ったがかかった。

「レジーナ。急にどうしたんだ?」

「グラディウスの話は、私1人で聞きに言ってくるわ。」

 待ったをかけた理由を尋ねると、レジーナはそう言ってきた。

「ん? どうしてだ? 一緒に聞きに行ったらいいんじゃないのか?」

「まぁ、特に予定がないのならそれでもいいんだけど、今は、フーリッシュの件の報告を待っている状況でしょ? なら、あなたはここでそれを待って方がいいんじゃない?」

「…一理あるな。」

「でしょ。グラディウスから聞いた話は、後で教えるから、あなたは仕事の続きでもしながら待ってて。」

「そうだな、分かった。なら、君の目からも、グラディウスがこの件に関わっていないかどうかを確認してみてくれ。」

「分かったわ。任せて頂戴。なら、行ってくるわね。」

「あぁ。」

 レジーナとリリーを見送り、残っていた紅茶を飲み干してから、仕事に取りかかる。
 だけど、グラディウスからの報告が何なのか気になり、結局仕事は進まなかった。





 お母さんが手紙を書く間、リリーが持ってきた軽食でお腹を満たす。

「じゃあ、これお願いね。」

「うん。必ず渡すわ。」

 書き終えた手紙を預かる。
 伝えたい事が色々あるようで、手紙は結構な量だった。
 向こうに戻ったら、すぐに渡そうと手紙をマジックバックに入れた所で、

「あ!!」

 ある事を思い出す。

「急に大きな声を出してどうしたの?」

 お母さんだけでなく、リリーも不思議そうな顔で私を見てくる。

「あ、いや、そのね。ここ来ている事は、ナニーさん以外には言ってないって言ったじゃない…」

 それだけ聞くと、

「あぁ、私が書いた手紙を渡したら、ここに来ていた事がバレるって事ね。」

 お母さんは、私の言いたかった事を察してくれた。
 
「そうなの。どうしようか?」

「どうもなにも、ちゃんと説明すればいいんじゃない? あの子なら、説明すれば分かってくれると思うわよ。」

「うーん… それもそうね。エルマーナにも、しばらくはここに戻れない事も説明しないといけないし、帰ったら今日の事を含めて話してみる。」

「うん。それが言いと思うわよ。」

「じゃあ、私はそろそろ戻るわね。」

「えぇ、気をつけて戻るのよ。」

「うん。と言っても、これを使うから、安心して。」

 私は、転移結晶を取り出しながら、心配しないよう伝える。

「そう言えばそうだったわね。それでも、心配なものは心配なのよ。」

 お母さんは、ギュッと私を抱き締めてくれる。

「…ありがとう、お母さん。」

 私もお母さんを抱き締め返す。
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