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247・感謝
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「それで、ラウムさんと呼ばせて貰いますけど、ラウムさんは、どうして、僕を起こしに来たんですか?」
目の前の女の子が誰なのか分かったので、次に気になった事を尋ねてみる。
「理由はいくつかあるけど、1番の目的は、貴方にお礼を言いに来たのよ。」
「…!?」
一瞬、何の事かと思ったが、ラウムさんが、エルマーナ様の契約している精霊だと言う事を思いだし、ドキッとしてしまう。
「ぼ… 僕に、お礼ですか? ラウムさんとは初対面ですし、ラウムさんに対して、何かした覚えもないのですが?」
だけど、ラウムさんみたいに思考がしっかりしている精霊は、確か上位精霊と呼ばれ、精霊界に棲んでいると本で見た覚えがある。そして、精霊界にいる精霊は、契約者が呼ばない限り、こっちの世界に来れない筈だったと思うので、僕がエルマーナ様を助けた事は分からないのではと思い、そう言ってみる。
「まぁ、確かに直接私に何かした訳ではないわね。」
直接と言う言葉が少し気になったが、そのまま会話を続ける。
「…そうですよね。なら、どうして僕にお礼を言うんですか?」
「それは、言わなくても分かるでしょ? ノーリがエルを助けてくれたからよ。」
「!?」
ばれていないと思っていたのだが、躊躇う事なくラウムさんはそう言ってきた。
その瞬間、鼓動が早まるのを感じながらも、ここでそれを認めてしまう訳にはいかない為、
「な… 何の事ですか? エルマーナ様は、確かまだ眠りから覚めていない筈では?」
平然を装いながら、そう答えた。
だけど、次のラウムさんの言葉で、それが意味のない事だったと思い知らされた。
「ノーリがどうしてエルを助けた事を隠したいのか分からないけど、上位精霊クラスになると、普通の人から姿を見られないようにする事も出来るのよ。こういう風にね。」
そう言いながら、ラウムさんの姿が突然消える。
それを見せられ、ジワリと嫌な汗が流れる。
「だから私は、貴方がエルの部屋に来た時に部屋にいたから、貴方がしてくれた事は全部見てたわ。」
姿を現したラウムさんから、衝撃の事実を明かされる。
「それに、ノーリが1度この部屋に戻って来た時、私もそれについてこの部屋に来てたから、ノーリがエリクサーを持ってるのも確認したしね。」
「そうなんですね…」
何もかも見られていたみたいで、もう言い訳すら思いつかなかった。
「だから、改めて私からも、お礼を言わせて頂戴。エルを救ってくれて、本当にありがとう。」
ラウムさんは、深々と頭を下げながら、お礼を言ってきた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)
精霊に対しての補足説明に、姿を見えなくする事が出来ない個体もいる的な文を追加。
ラウムが、エルの部屋で姿を消していた件について
ほぼないとは思っているのだが、エルに呪詛をかけた相手からの奇襲対応の為に、常に姿を見えなくしている。
目の前の女の子が誰なのか分かったので、次に気になった事を尋ねてみる。
「理由はいくつかあるけど、1番の目的は、貴方にお礼を言いに来たのよ。」
「…!?」
一瞬、何の事かと思ったが、ラウムさんが、エルマーナ様の契約している精霊だと言う事を思いだし、ドキッとしてしまう。
「ぼ… 僕に、お礼ですか? ラウムさんとは初対面ですし、ラウムさんに対して、何かした覚えもないのですが?」
だけど、ラウムさんみたいに思考がしっかりしている精霊は、確か上位精霊と呼ばれ、精霊界に棲んでいると本で見た覚えがある。そして、精霊界にいる精霊は、契約者が呼ばない限り、こっちの世界に来れない筈だったと思うので、僕がエルマーナ様を助けた事は分からないのではと思い、そう言ってみる。
「まぁ、確かに直接私に何かした訳ではないわね。」
直接と言う言葉が少し気になったが、そのまま会話を続ける。
「…そうですよね。なら、どうして僕にお礼を言うんですか?」
「それは、言わなくても分かるでしょ? ノーリがエルを助けてくれたからよ。」
「!?」
ばれていないと思っていたのだが、躊躇う事なくラウムさんはそう言ってきた。
その瞬間、鼓動が早まるのを感じながらも、ここでそれを認めてしまう訳にはいかない為、
「な… 何の事ですか? エルマーナ様は、確かまだ眠りから覚めていない筈では?」
平然を装いながら、そう答えた。
だけど、次のラウムさんの言葉で、それが意味のない事だったと思い知らされた。
「ノーリがどうしてエルを助けた事を隠したいのか分からないけど、上位精霊クラスになると、普通の人から姿を見られないようにする事も出来るのよ。こういう風にね。」
そう言いながら、ラウムさんの姿が突然消える。
それを見せられ、ジワリと嫌な汗が流れる。
「だから私は、貴方がエルの部屋に来た時に部屋にいたから、貴方がしてくれた事は全部見てたわ。」
姿を現したラウムさんから、衝撃の事実を明かされる。
「それに、ノーリが1度この部屋に戻って来た時、私もそれについてこの部屋に来てたから、ノーリがエリクサーを持ってるのも確認したしね。」
「そうなんですね…」
何もかも見られていたみたいで、もう言い訳すら思いつかなかった。
「だから、改めて私からも、お礼を言わせて頂戴。エルを救ってくれて、本当にありがとう。」
ラウムさんは、深々と頭を下げながら、お礼を言ってきた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)
精霊に対しての補足説明に、姿を見えなくする事が出来ない個体もいる的な文を追加。
ラウムが、エルの部屋で姿を消していた件について
ほぼないとは思っているのだが、エルに呪詛をかけた相手からの奇襲対応の為に、常に姿を見えなくしている。
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