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閑話・エルマーナ 15

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「…それで、仕事をサボっていた件と召喚の邪魔をしていた件について話を聞きたいから、私たちも行きましょうか。」

 ニコリと笑いながら、あの人の事を見る。

「あ、いや… それはだな…」

 口ごもり、視線がさまよいだす。
 しかも、今にも逃げ出しそうに見えたので、逃げないように、あの人の耳へと手を伸ばす。

「痛い痛いっ!! 離してくれ!!」

「逃げませんか?」

「逃げない逃げませんから!!」

 そこまで言うならと手を離す。
 まぁ、もし逃げたらその時は、その時だ…

「とりあえず、場所を変えますよ。」

「はい…」

 とぼとぼと歩くあの人の後に続きラウムの部屋を出る。
 出てから扉を閉める際、召喚されていったラウムがいた場所を再度見てから、心のなかで一言ラウムを応援してから、扉を閉めた。
 その後、こってりとあの人の事を絞ってから、サボっていた以上の仕事を終わらすまで、あの人が寝れる事はなかった。





 光だしてすぐに、少し疲れた様子のラウム様が召喚された。

「ラウム様!!」

 私はすぐに、召喚されたラウム様のもとへと駆け寄る。

「ごめんね、エル。待たせたでしょ?」

「あ、いえ。別にそんな事はないですけど、どうかしたんですか?」

「まぁ、むこうで色々あってね。でも、もう大丈夫よ。話は後でするとして、先に契約をしましょうか、エル。」

「はい!!」

 ナニー先生からやり方をきながら、私は、ラウム様と初の精霊契約をする。

「これで、契約じたいは完了ね。後は、身に付けれる物に簡易の陣を刻んで、それを常に身に付けておけば、すぐに召喚できるようになるわね。」

「そうなんですね、分かりました。早速やってみようと思います。」

「なら私も手伝うわ、エル。一緒にやりましょう!!」

「はい!! ぜひお願いします、ラウム様。」

 その後は、どれに簡易の陣を刻むかを話し合い、ラウム様と一緒に簡易の陣を刻んだ。





 エルと契約を済ませ、簡易の陣を刻む為用の何かを選ぶ事になり、何でもエルがここに避難する前に親から貰ったペンダントに刻む事になった。
 失敗しないように、2人で本とにらめっこしながら、簡易の陣とやらを刻んだ。

「これで、いつでもラウム様を呼ぶ事が出来るんですね。」

「そうなるのね。一応召喚に応じられない時もあると思うけど、遠慮せずに呼んでね、エル。」

「ありがとうございます、ラウム様。何かある際は頼らせて貰います。」

「任せて頂戴。まぁでも、契約した事で、エルとの繋がりが出来たから、今後はエルのもとに直接転移出来るようになったから、呼ばれなくても来る予定だけどね。」

 召喚者を助ける為という大義名分を得た私を止められる存在はいない… 訳ではないけど、それでも人界に来やすくはなると思うのでそう伝えた。
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