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236話・話 2

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 何を注意されるのか分からないので、その理由を聞いてみる。

「そうよ。さっきも言ったけど、あれは持ち主を殺してでも奪い取ろうとする人が出て来てもおかしくない程高価な物よ。だから、そんな貴重な物を知っている人だからといって簡単に貸すノーリ君に、その事について注意しておこうと思ってね。」

「そうなんですね…」

 確かにグラディウスさんが言うような人が出てこないとは限らない。
 だけど、ただ知っている人だからといって貸している訳じゃない。だって、グラディウスさんの事は信頼しているし、その信頼しているグラディウスさんの信頼しているナニーさんだから貸したのだ。

「…納得してなさそうな顔をしているわね、ノーリ君。」

「あ、いえ別にそう言う訳では… ただ、グラディウスさんたちの事を信頼しているから貸しただけなのになぁと思っていただけで…」

「そう思って貰えているのは嬉しいけど、そう言う事じゃないわ。」

「?」

「確かに、信頼できる相手に貸すのは問題ないわ。だけど、もしそんな貴重な物を貸している所を誰かに見られたら? そして、それを見た者が、その事を別の誰かに教えたりした場合ノーリ君はどうするつもりなのか考えてる? それに、今は色々な方法で相手を見る事も出来るのよ。」

「!?」

「そう言う事よ、ノーリ君。貸す相手の事だけじゃなくて、周りの目にも気を付けないといけないのよ。だから、その事に気づいていないノーリ君に、何か大変な事が起こる前に注意しておこうと思ったのよ。」

「そうだったんですね。教えてくれてありがとうございます、グラディウスさん。今後は、周りの目などにも気を付けようと思います。」

 僕は、グラディウスさんの話を聞いて、作製したアイテムなどを使う時や貸す時など、その価値に関係なくよりいっそう気を付ける事にした。
 その後は、道中の寝具の事や特別依頼の際のタブ(元サブマスター)に考えもなく突っ込んでいった事についてなど、今関係ない話まで色々言われた。





 グラディウスさんから、ここぞとばかりに注意だけでなく、僕の行動について少し怒られもした。
 だけどそれが嫌ではなく、少し懐かしくも感じてしまった。

「それじゃあそろそろ私は失礼するわね。ノーリ君も、しっかり休むのよ。」

「はい、分かりました。おやすみなさい、グラディウスさん。」

「おやすみ、ノーリ君。」

 グラディウスさんを見送り、僕はベッドに横になる。
 部屋を出たグラディウスさんは、気配察知の反応から、どうやらエルマーナ様の部屋に入っていったみたいだ。
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