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218話・むかった先

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 グラディウスさんに案内され、リビングにたどり着く。
 リビングにつくなり、グラディウスさんは、一言残してから、どこへ行くのか聞く暇もなく、どこかへ歩いていった。
 それを見送った後、置いてある家具を汚す可能性を考慮こうりょし、アイテムボックスから椅子を取り出し、そこに腰掛け、どちらかが戻ってくるまで待たせて貰う事にした。
 少しして、ナニーさんがリビングにやって来てくれた。

「あら、ノーリ君だけなのね?」

「はい。グラディウスさんは、僕に休むように言った後、どこかへ行かれました。」

「そう…」

 一瞬、暗い顔になったように見えたが、すぐに笑顔に戻る。

「そう言えば、その椅子はどうしたの? ここに、そんな椅子はなかった筈だけど?」

「あ、すみません。椅子を汚すといけないと思い、アイテムボックスから取り出しました。」

「そうなのね。気にしなくて良かったのに。」

「すみません…」

「別に、謝らなくていいのよ。それより、お風呂の準備が出来たから、ぐーちゃんもいないみたいだし、ノーリ君が先に入ったらどうかしら?」

「いいんでしょうか?」

「大丈夫よ。それに、私から、一言声をかけとくから。」

「分かりました。なら、入らせて貰います。」

「えぇ、どうぞ。浴室は、こっちよ。」

 ナニーさんの案内で、浴室へむかう。
 その途中に、

「ナニーさん。」

「どうしたの?」

「1つお伺いしたいのですが、宜しいですか?」

「…もしかして、ぐーちゃんの事?」

「はい、そうです…」

「ノーリ君は、ぐーちゃんがここに来た理由を聞いてる?」

「妹さんに会いに来たとだけ聞いてます…」

 来る途中に、それだけ聞いた。
 それ以上は、聞けそうな雰囲気ではなかったからだ。

「そう… まぁでも、ここに連れて来たって事は話しても大丈夫でしょう… 少し長くなると思うから、悪いけど、1度リビングに戻りましょうか。」

「分かりました。」

 僕たちは、来た道を引き返し、リビングへと戻る。
 今度は、リビングにあるソファに腰掛け、対面には、ナニーさんが座った。





 ノーリ君をリビングに案内してから、すぐに妹のエルマーナがいる部屋へとむかう。
 部屋につくと、ノックもせずに、そのまま部屋へと入る。
 部屋の中には、大きなベッドとその傍に腰掛けるようの椅子があるのみだ。私は、その椅子に腰掛け、未だ眠りについている妹の手を握る。その手は、氷のように冷たく、僅かな胸の動きがなければ、死んでいると勘違いしてしまう程だった。
 自然と握っている手に力がこもった。
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