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166話・引っ越し

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 僕は、昨日考えたドリさんの説得案を伝えた後、再度ドリさんも一緒に来ないか誘い、手を差し出す。
 ドリさんは、少し迷いを見せたが、

「妹共々、宜しくお願いします!!」

 そう言って、僕の手をとってくれた。
 僕は、ドリさんの答えに安堵し、

「はい!! こちらこそ、お願いします。」

 そう返す。

「それじゃあ、ドリさん。ソフィアたちが起きる前に、森に帰りたいと思いますから、そのまま僕の手を掴んでいて下さい。」

「分かりました。」

 より強く握られるのを感じながら、アイテムボックスから、転移結晶を取り出し、僕たちは森へと帰る。





 僕たちが、森へと帰りつくと、食欲をそそるような匂いがしてきた。匂いのする方を見てみると、ソフィアとアードちゃんが2人で、料理をしていた。
 むこうも、僕たちに気付いたようで、走り寄ってきた。

「おかえりなさい、お兄ちゃん、ドリさん。」

「おかえりなさい… お兄ちゃん、お姉ちゃん…」

「ただいま、アード、ソフィアちゃん。」

「ただいま、2人とも。それにしても、2人は、もう起きてたんだね?」

「うん、そうだよ。丁度お兄ちゃんたちがどこかへ行っているのを見たから、待ってる間に、朝食の準備をしてたの。それで、お兄ちゃんたちは、どこに行ってたの?」

「そうなんだ。僕たちは、1度家に帰ってたんだよ。」

「家に… どうして?」

「それはね…」

 ドリさんたちが、一緒に暮らすからだよと答える前に、繋いでいた手を引かれる。

「ノーリさん。それは、私から話します。」

「そうですね…」

 ドリさんは、僕の前に出て、2人に話し出す。
 最初は、驚いていた2人だが、話終える頃には、手をとって喜んでいた。
 僕はそれを見守りつつ、ドリさんを説得できて改めて良かったと思いながらも、そっとソフィアたちが作っていた料理が焦げないように、その場を移動する。
 その後は、料理の途中だと思い出した2人とドリさん僕の4人で、朝食の準備をし、この後する事を話し合いながら、朝食をとった。





「それじゃあ、ソフィア、ドリさんは誘導をお願いします。」

「分かりました。それでは、ソフィアちゃん行きましょうか。」

「はい。行ってくるね、お兄ちゃん!!」

「あぁ、気をつけてね。」

「行ってらっしゃい… ソフィアちゃん、お姉ちゃん…」

 僕は、アードちゃんと2人を見送る。
 朝食の時の話し合いの結果、ドリさんとソフィアが、結界内にいる者たちに声をかけここまで誘導し、僕とアードちゃんで、家のダンジョンへ引っ越しさせる手はずになっている。
 その後、結界内全員の引っ越しを終えた頃には、日は真上まで上っていた。
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