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130話・質問
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部屋を出たと同時にこちらに歩み寄ってくる2つの気配を感じた。
カモフラージュマントをしっかり羽織って姿が隠れているのを確認した後、息を殺しやって来る2つの気配を待つ。
てっきり、男のパーティーメンバーかと思ったが、やって来たのは、見知らぬ二人組の男だった。
どう対処したものかと思っていると、二人組の男たちが興味深い会話をしていたので、見つからないように、耳を澄ます。
◆
「そう言えば、あれの処理ってしたっけか?」
「あぁ、あの豚野郎の趣味の奴か… そう言えば、してなかったな。てか、何で俺たちがしなきゃならねぇんだよ」
「知るかよそんな事。それより、どっちがあれの処理をするかこれで決めようぜ。」
「チッ… 分かったよ。なら、俺は、裏な。」
「了解。なら、俺は、表な。なら、いくぞ。」
コインが、宙を舞う。
「さて、どっちかな… よし、表だ。処理は任せたぞ。俺は、地下であいつがいないか確認してくるわ。」
「チッ… 分かったよ。」
俺は、途中で別れ、拷問部屋へむかう。
◆
豚野郎… そいつが、彼女をあんな事にした奴か…
こっちへやって来た、男は僕に気づかないまま、あの部屋へと入っていく。
「ん? 何だが、いつもより損傷が少ないか… まぁ、いいか。そっちの方が有り難いか。」
男は、入り口近くにあったボロ袋を持って、彼女に近づいていく。
僕も、気づかれないように部屋の中へと入り、男の位置を覚え、扉を閉めると同時に駆け出し、男を押さえる。
「痛っ!! 誰だ、てめぇ!!」
男は暴れるが、がっちり押さえているので、抜け出す事が出来ない。
「それに答えるつもりはない。」
「チッ…」
男は暴れるのを止める。
「まぁいい。それで、てめぇは、何がしたい? 俺をすぐには、殺さねぇ所を見ると、聞きてぇ事でもあるのか?」
「!?」
「図星だな。ほら、手を離せば、答えてやるぜ。」
「…いや、このまま答えて貰う。」
「チッ… 分かったよ。」
僕は、ここはどこなのかや彼女をこんな目に合わせたのは誰かなど聞きたい事を聞いていく。
「あいつか…」
どうやら、彼女をこんな目に合わせたのは、元サブマスターのあいつだった。
「今、どこにいるのか分かる?」
「あぁ、あいつなら商会の本店にいる筈だぜ。」
「ここには、いないのか…」
とりあえず、次にむかう場所は決まった。
◆
女を回収しようとした所で、突然扉が閉まり、誰かに組伏せられる。
「痛っ!! 誰だ、てめぇ!!」
俺は、声を荒げ脱出しようとするが、かなり力を込めているのか、動く事が出来ない。
俺は、暴れるのを止め、暗闇になれてきた目で、組伏せた奴を見てみる。
姿が見えねぇ… 何らかのアイテムを使ってるのか…
俺は、相手の要求をのみ質問に答えていく。
質問を答えている途中、頭の中に声が響く。
『おい。ちょっと、こっちへ来てみろよ。面白ぇもんががみれるぞ』
念話スキル持ちの相棒から、念話が入る。
『悪い、今捕まってるから助けてくれねぇか?』
『おいおい、マジかよ。分かった今行くよ』
『いや、扉の横で待っていてくれ。こいつ、何かのアイテムを使ってるようで、姿が見えねぇんだ。何とか、部屋から連れ出すから、そこを叩いてくれ』
『了解。なら、外で待ってるぞ』
『悪いな』
俺は、正体不明のこいつを部屋の外へ連れ出すように、声をかける。
カモフラージュマントをしっかり羽織って姿が隠れているのを確認した後、息を殺しやって来る2つの気配を待つ。
てっきり、男のパーティーメンバーかと思ったが、やって来たのは、見知らぬ二人組の男だった。
どう対処したものかと思っていると、二人組の男たちが興味深い会話をしていたので、見つからないように、耳を澄ます。
◆
「そう言えば、あれの処理ってしたっけか?」
「あぁ、あの豚野郎の趣味の奴か… そう言えば、してなかったな。てか、何で俺たちがしなきゃならねぇんだよ」
「知るかよそんな事。それより、どっちがあれの処理をするかこれで決めようぜ。」
「チッ… 分かったよ。なら、俺は、裏な。」
「了解。なら、俺は、表な。なら、いくぞ。」
コインが、宙を舞う。
「さて、どっちかな… よし、表だ。処理は任せたぞ。俺は、地下であいつがいないか確認してくるわ。」
「チッ… 分かったよ。」
俺は、途中で別れ、拷問部屋へむかう。
◆
豚野郎… そいつが、彼女をあんな事にした奴か…
こっちへやって来た、男は僕に気づかないまま、あの部屋へと入っていく。
「ん? 何だが、いつもより損傷が少ないか… まぁ、いいか。そっちの方が有り難いか。」
男は、入り口近くにあったボロ袋を持って、彼女に近づいていく。
僕も、気づかれないように部屋の中へと入り、男の位置を覚え、扉を閉めると同時に駆け出し、男を押さえる。
「痛っ!! 誰だ、てめぇ!!」
男は暴れるが、がっちり押さえているので、抜け出す事が出来ない。
「それに答えるつもりはない。」
「チッ…」
男は暴れるのを止める。
「まぁいい。それで、てめぇは、何がしたい? 俺をすぐには、殺さねぇ所を見ると、聞きてぇ事でもあるのか?」
「!?」
「図星だな。ほら、手を離せば、答えてやるぜ。」
「…いや、このまま答えて貰う。」
「チッ… 分かったよ。」
僕は、ここはどこなのかや彼女をこんな目に合わせたのは誰かなど聞きたい事を聞いていく。
「あいつか…」
どうやら、彼女をこんな目に合わせたのは、元サブマスターのあいつだった。
「今、どこにいるのか分かる?」
「あぁ、あいつなら商会の本店にいる筈だぜ。」
「ここには、いないのか…」
とりあえず、次にむかう場所は決まった。
◆
女を回収しようとした所で、突然扉が閉まり、誰かに組伏せられる。
「痛っ!! 誰だ、てめぇ!!」
俺は、声を荒げ脱出しようとするが、かなり力を込めているのか、動く事が出来ない。
俺は、暴れるのを止め、暗闇になれてきた目で、組伏せた奴を見てみる。
姿が見えねぇ… 何らかのアイテムを使ってるのか…
俺は、相手の要求をのみ質問に答えていく。
質問を答えている途中、頭の中に声が響く。
『おい。ちょっと、こっちへ来てみろよ。面白ぇもんががみれるぞ』
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『おいおい、マジかよ。分かった今行くよ』
『いや、扉の横で待っていてくれ。こいつ、何かのアイテムを使ってるようで、姿が見えねぇんだ。何とか、部屋から連れ出すから、そこを叩いてくれ』
『了解。なら、外で待ってるぞ』
『悪いな』
俺は、正体不明のこいつを部屋の外へ連れ出すように、声をかける。
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