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89話・従魔 3

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 レインボーシープは鳴き止むと、先ほどの足取りとは裏腹に、軽快な足取りで、僕に近寄ってきて、その七色の毛を擦り付けてくる。どうやら、成功したようだ。
 僕は、そっとレインボーシープの七色の毛を撫でてみる。抵抗される事もなく撫でる事が出来た。しかもそれどころか、撫でる度に、

「メェ… メェ… メェ…」

 と声をだし、喜んでくれているようにされ思える。
 少しぽっこりしながら僕は、手を置いたまま、

「ダンジョン移動」

 家下のダンジョンへ移動する。
 移動後、僕の手元の先には、レインボーシープが辺りをキョロキョロしながらもちゃんといてくれた。
 これで、第一段階(ダンジョンモンスターをダンジョンから連れ出す)は成功だ。
 次に、第二段階(連れ出したモンスターがここのダンジョンの外に出られるのか)に移る。

「悪いけど、このまま僕に、ついて来て貰ってもいいかい?」

 レインボーシープに、そう言ってみるが、理解している素振りがない。もう一度、同じ事を言うが、やはり理解している素振りがない。どうやら、言葉は、通じないようだ。
 だから僕は、レインボーシープから少し距離をあけ、アイテムボックスから、餌付け玉を取り出し、それで誘き寄せてみる事にする。

「メェ!!」

 取り出した餌付け玉に反応したのか、レインボーシープは、僕に近寄ってくる。そのまま僕は、階段にむかい上って行くと、しっかりとレインボーシープもついて来てくれて、階段を上り、第二段階も成功した。成功したのを確認した後、そのままダンジョンへ引き返し、レインボーシープに餌付け玉を与える。
 レインボーシープが、餌付け玉を食べている間に、僕は、ダンジョンルームへ移動する。

『おかえりなさいませ、マスター』

「ただいま。アコの言った通り、モンスターを連れて来れたし、外にも出す事も出来たよ。」

『おめでとうございます、マスター』

「ありがとう。でもね、連れてきたモンスターと意志疎通がとれないんだよね。アコは、連れてきたモンスターの状態を確認する事出来たりしない?」

『可能です。実行しますか?』

「本当!! なら、お願い。」

『分かりました。確認しますので、少しお待ち下さい』

「分かった。」

 30秒ほどして、

『確認出来ました、マスター』

 アコの確認が終わる。

「どうだった?」

『どうやら、連れて来られたモンスター… レインボーシープとマスターの間での従魔契約が出来ていません。また、知力が低いので、言語を理解出来ていない可能性があります』

「なるほど…」

 どうやら、餌付け玉では、懐くだけで、従魔にする事までは、出来ないみたいだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(捕捉)

ダンジョンコアであるアコは、ダンジョン内にいる人&モンスターの状態(ステータスなど)をある程度確認する事が出来ます。
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