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129話・観戦のラス
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~ラス視点~
私がシェーンさんらに叱られる中、茨さんとあの鬼人の闘いが始まろうとしていた。
シェーンさんから解放され、その闘いに目を向ける。
鬼人は、先程までとは比べにならない威力の攻撃を繰り出すが、茨さんは、それすら片手のみで簡単に捌いていた。
しかも、それだけでなく、たったの一撃で、あの頑強な鬼人の腕の骨を折ってみせた。
「どんな一撃なのよ…」
「私たちでは計り知れない威力なんでしょうね」
「じゃな」
私だけでなく、シエルさんたちもその威力に驚く。
「ん? あいつ何か取り出したわよ」
目を細め、鬼人の手元を見ると、何か黒い玉のようなもの持っていた。
「あ、本当ですね。回復系の何かですかね?」
「あ、飲ん… !?」 「「「!?」」」
手元のそれを飲んだ瞬間、鬼人が大声をあげたかと思ったら、大きかった体が更に一回り程大きくなった。
私では強化系の何かを飲んだのではと予想をたてるくらいしか出来なかったが、どうやら茨さんは、あの鬼人が飲んだ物の正体を知っていたようで、それを言い当てた瞬間、マオさんから声が上がる。
「鬼神薬じゃと!?」
「あれが何なのか知ってるの、マオ?」
唯一知っていそうなマオさんにシエルさんが尋ねる。
「儂も母上様から聞いた話なのじゃが、儂が生まれる前に使われていたとされる薬じゃ。そして、今では禁薬指定されている薬でもある」
禁薬とは何かと疑問に思ったが、シェーンさんが小声で使用や製造、所持の禁止されている薬の事だと教えてくれる。
「禁薬に?」
「あぁそうじゃ。名は、あの鬼人の少女が言っていた通り鬼神薬。その効果は、飲んだ者に無条件で数倍以上の力を授けてくれると言うものじゃ」
「破格の効果ですね。ですが、禁薬と言うことは…」
「シェーンの考えている通り、飲んだ者にそれ相応の代償を払わなければならないのじゃ」
「その代償って?」
「飲んだ者の命じゃ」
「やはりそうなのね」
「じゃが、あれは大分前に製造法が失われたとされていた筈じゃが、あの者はどうやって入手したのじゃろうな」
マオさんの言う通り、鬼人の力は上がったのかも知れないが、それすらも嘲笑うように茨さんはその上をいっていた。
だけど、鬼人が言うには、茨さんはまだ全力ですらないと言う。茨さんはマジパない。
「成る程。薬を作り出した末裔じゃからあれを持っていたのじゃな」
突如として鬼人が薬の出所を話し出した。
それを聞いた茨さんが、今から全力で闘うようだが、今までの動きすら速くてよく見えず参考になっているとは言えないのに、これ以上凄くなられてもと内心思ってしまう。
私がシェーンさんらに叱られる中、茨さんとあの鬼人の闘いが始まろうとしていた。
シェーンさんから解放され、その闘いに目を向ける。
鬼人は、先程までとは比べにならない威力の攻撃を繰り出すが、茨さんは、それすら片手のみで簡単に捌いていた。
しかも、それだけでなく、たったの一撃で、あの頑強な鬼人の腕の骨を折ってみせた。
「どんな一撃なのよ…」
「私たちでは計り知れない威力なんでしょうね」
「じゃな」
私だけでなく、シエルさんたちもその威力に驚く。
「ん? あいつ何か取り出したわよ」
目を細め、鬼人の手元を見ると、何か黒い玉のようなもの持っていた。
「あ、本当ですね。回復系の何かですかね?」
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手元のそれを飲んだ瞬間、鬼人が大声をあげたかと思ったら、大きかった体が更に一回り程大きくなった。
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「鬼神薬じゃと!?」
「あれが何なのか知ってるの、マオ?」
唯一知っていそうなマオさんにシエルさんが尋ねる。
「儂も母上様から聞いた話なのじゃが、儂が生まれる前に使われていたとされる薬じゃ。そして、今では禁薬指定されている薬でもある」
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「禁薬に?」
「あぁそうじゃ。名は、あの鬼人の少女が言っていた通り鬼神薬。その効果は、飲んだ者に無条件で数倍以上の力を授けてくれると言うものじゃ」
「破格の効果ですね。ですが、禁薬と言うことは…」
「シェーンの考えている通り、飲んだ者にそれ相応の代償を払わなければならないのじゃ」
「その代償って?」
「飲んだ者の命じゃ」
「やはりそうなのね」
「じゃが、あれは大分前に製造法が失われたとされていた筈じゃが、あの者はどうやって入手したのじゃろうな」
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だけど、鬼人が言うには、茨さんはまだ全力ですらないと言う。茨さんはマジパない。
「成る程。薬を作り出した末裔じゃからあれを持っていたのじゃな」
突如として鬼人が薬の出所を話し出した。
それを聞いた茨さんが、今から全力で闘うようだが、今までの動きすら速くてよく見えず参考になっているとは言えないのに、これ以上凄くなられてもと内心思ってしまう。
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