スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

１５話・８匹じゃなくて良かった

　広がりきった魔法陣が光出す。
　
「ラスの予想があたったな…」

　目の前の光景を見て、自然とそう溢していた。
　今目の前では、魔方陣からどんどんスライムが召喚？されていて、その数を増やしている。
　だけどスライムは、数を増やすだけで、襲ってくる気配はない為、今のうちに、ラスに一声かけ降ろす。
　そして、スライムたちの相手をする為に前に出ようとした所で、ラスに服の端を掴まれ止められてしまう。
　ラスに、スライムたちの相手をする事を伝えると、疲れている筈なのに、手伝おうとしてくれようとしたので、休むように伝えると、少し落ち込んだ様子で、自分の事を邪魔と言いだしたので、そんな事はない事を伝える。
　そして、それを証明すると言う訳ではないが、先程ラスの不安を取り除いた時同様に、少しでも元気付けるように、力を込め頭を撫でている間に、魔法陣から召喚されるスライムの沸きが止まったようなので、ラスに見送られ、前に出る。

「ざっと数えても、１００匹以上はいそうだな…　それに、よく見てみると色の違うスライムも、チラホラいるみたいだな…」

　色の違うスライム…　つまり、ノーマルのスライムと違い、何かしらの能力を持っている上位種という事になる。
　とりあえず、上位種に気を付けながら、ノーマルから倒して行こうと思った瞬間、ノーマルスライムたちが１ヶ所に集まりだし、その、体積を増やしていく。

「ノーマルは、合体するのね…」

　たぶん、召喚されていた全てのノーマルスライムたちが合体し、残ったモンスターは、巨大なスライム１匹と上位種のスライム十数匹だけになった。
　巨大なスライムになった事で、少し面倒臭くなった気がするけど、

「あのゲームみたいに、８匹で合体じゃなくて良かったと思うべきだな」

　それだったら、巨大スライムの数が多くなって、更に面倒になるからだ。
　まぁ、どちらにしろやる事は変わらないから、俺は刀を引き抜き、瞬動術で、１番近くにいた上位種のスライムに近付き、刀を振り下ろした。


◆


　送り出したセウンさんの更に奥では、無数のスライムが蠢うごめいていた。
　セウンさんには休むよう言われていたが、何かあったらすぐに飛び出せるようにしつつ、この後の展開を伺う。
　すると、突然スライムたちが集合しだした。
　もしかして、これはとそれを凝視していると、思った通り、スライムたちは、夢の合体を果たし、巨大なスライムになった。
　まさか、現実であれを目にするとは思わなかったので、少し感動する気持ちが芽生えた。